プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Please disregard –

      2020/07/06

~を無視してください

前言撤回 行き違い 時の 釈明文言 として主に使う。

趣旨は、

あれは無視してくださいと伝えること

  • “Please disregard.”
    (どうか無視してください。)

と2語で完結することもある。

しかし、その目的語が続く方が普通。

無視の対象は、先に送った文書など。
メールレター請求書 など)

その理由を一筆添えるのが礼儀。

また、相手にお願いする立場の使用が多いため、
副詞または間投詞の “please” と組むのが一般的。

◆ “disregard” には、名詞と他動詞がある。

【発音】   dìsrigɑ́ːrd
【音節】 dis-re-gard  (3音節)

アクセントは最後に来る。

共通イメージは「故意に無視する」。
–  名詞「無視」
–  他動詞「無視する」「軽視する」

  • 接頭辞  “dis“(~しない )
  • 動詞  “regard“(注目する)

だから「注目しない」で「無視」に。

  • “I’m facing criminal charges for disregarding the law.”
    (私は、法律を無視して、刑事罰に問われています。)

◆ 類義語の筆頭は、”ignore”(他動詞・名詞)。

■ “ignore” の方が、語勢がつよい印象
■「ガン無視」レベルの冷たい雰囲気

【発音】   ignɔ́ːr
【音節】 ig-nore   (2音節)

“ignore” は、より日常に馴染んだ動詞だが、時にすげなさを伴う。

■ “disregard” は、上品でソフトな印象

■ “ignore” に比べて、ビジネス向き

【発音】  dìsrigɑ́ːrd     ignɔ́ːr
【音節】  dis-re-gard  (3音節)    ig-nore   (2音節)

現実として、対外的には「無視して」と書きにくいだろう。

このような表現のさじ加減に、翻訳者の力量が現れる。

どうぞご放念ください

は、日本のビジネス場面で、割りかし多用される言い回し。

 

 ほうねん【放念】

多く手紙文で使う」と明記するのが『明鏡国語辞典 第二版』。– 

  • “Please disregard this reminder if you have already paid.”
  • “If you have already paid, please disregard this reminder. ”
    (既にお支払い済みでしたら、どうか本督促状はご放念ください。)
    (既にご入金済みの場合、本督促状と行き違いですのでご了承ください。
  • “Please disregard this email if you have already submitted it.”
    (既にご提出済みでしたら、なにとぞご容赦ください。
  • “Please disregard these notifications.”
    (それらの通知は破棄してください。)
  • “I inadvertently sent you the card. Please disregard.”
    (私の不注意によりお送りしたカードは、
    お手数ですが破棄いただけますでしょうか。)
  • “If you did not go to the party, please disregard this message.”
    (パーティに参加されなかった方は、本メッセージの対象外となります。)
  • Please disregard any announcements in relation to the disaster drill.”
    (防災訓練用の放送ですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。)

■「ログインアラート」の典型文言

→ 不正予防用に送付される通知

If this was you, you can disregard this message.

(あなた様がご本人であれば、このメッセージは破棄してください。)
(ご自分で実行されたならば、本メッセージは無視してください。)

不正アクセスの可能性が生じた際、本人に注意を促すための確認メール。

1つ目の指示代名詞 “this” とは「ログイン」する行為を指す。
「ログイン」の別称である「サインイン」行為でも使う表現。

【直訳】
もし(if)、これ(this = ログインまたはサインイン)が
あなた
(you)であった(was)ならば(if)、
あなた(you)はこのメッセージ(this message)を
無視
(disregard)できます(can)。

 

以下、メールの実物。

自らログイン・サインインしたのであれば、
It was me.(それは私だった)
となる。

とすれば、無視(disregard)してよい。

こちらも同様。

If you initiated this download,
you can disregard this message.

【直訳】
もし(if)、このダウンロード(this download)を
あなた(you)が始めたinitiatedならば(if)、
あなた
(you)はこのメッセージ(this message)を
無視
(disregard)できます(can)

自らダウンロードしたのであれば、やはり無視してよい。

 

 

 

 

 

 

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