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Learn – the hard way

      2019/06/21

労して~を学ぶ 

有名・無名の人物を問わず、手記でよく見かける。
「苦しんで~を学んだ」と表す時の典型表現。

◆ “learn” には、自動詞と他動詞がある。

語源は、古英語「学ぶ」(leornian)。

自他動詞ともに「学ぶ」「知る」「覚える」
で意味が一貫している。

【”learned” 発音】lə́ːrnid | lə́ːrnd

語形変化は、
learns – learning – learned(または learnt)

過去形と過去分詞は “learned” か “learnt”
のいずれも使える。

【”learnt” 発音】lə́ːrnt


◆ “hard” には、形容詞・副詞・名詞がある。

語源は、古英語「激しく」(heard)。
多義だが、ここでは基本的意味の形容詞
「苦しい」「つらい」。

◆  “way” は名詞で、可算と不可算兼用。

語源は、古英語「道路」(weg)。
基本的意味は「道」と「やり方」。
区別があいまいなケースもあるが、
ここでは「やり方」が適切だろう。

【名詞 “way” 例】

・ “Have it your way.
・ “We parted ways.
・ “Go out of one’s way to – ”
・ “Way to go ! ”
・ “No way ! ”

◆ “the hard way” は、成句に近い。

「成句」とは、慣用語句のこと。
そのため “the” をつけるのが通例。

「つらいやり方」が直訳で、定訳がないので、
文脈に合わせて和訳する。

◆ ダッシュ部には、学んだ内容(something)を入れる。

関連の前置詞 “about” や “regarding“(~に関して、〜について )
を続けて、内容を後に置く言い回しもある。

“regarding”(~に関して)は、”about” より堅い表現。

“learn (something) the hard way”
to understand a situation or develop a skill by 
learning from your mistakes and bad experiences.
(LDOCE6、ロングマン)

◆ その内容が、比較的単純な名詞であれば先に置き、
動詞や副詞と組み合わせるのであれば、前置詞
(”about” や “regarding”)つきで後に据える傾向。

その方が、文章がスムーズ。

“I learned English the hard way.”
(英語を苦労して学びました。)

“He had learned it the hard way.”
(彼女はそれを苦労して学んだ。)

“I learned the hard way about how to speak English.”
(英語の話し方を苦労して学びました。)

◆ 個人体験の場合、自分の過去に基づくため、
“learn” は「過去形」または「過去分詞」中心。

以下、”lessons learned” から再掲。

< “learn” の過去形・過去分詞形 >

一般的に、次のように区分されている。

  • アメリカ英語  “learned
  • イギリス英語  “learnt

どちらも使われているが、現在は “learned” が優勢

《米》では learned が普通。
《英》では特に過去分詞で learnt が用いられる

(ジーニアス英和大辞典)

さらに、オックスフォードのオンライン辞書によれば、

Both are acceptable, but learned is often used in
both British English and American English,
while learnt is much more common in British English
than in American English.

‘Learnt’ or ‘learned’ – オックスフォード

【”learned” 発音】 lə́ːrnid | lə́ːrnd
【”learnt” 発音】 lə́ːrnt

“I learned the hard way that married life is tough.”
“I learnt that married life is tough the hard way.”
(きつい経験を経て、結婚生活は難しいことを学んだ。)

◆ 一方、一般論の場合は、「現在形」が普通。

過去の具体例に基づく内容であっても、今に生きる教訓として
論じており、過去形にする必要はないから。

この点は、日本語と共通している。

“We all learn the hard way about life’s lessons .”
“We all learn life’s lessons the hard way.”
(私たちは皆、苦しい経験を経て人生の教訓を学ぶ。)

◆ 過去40年近くで見聞きした “I learned – the hard way”
には、<自虐>と<反省>が混じっている印象を受けている

中には、<武勇伝>のように吹聴している人もいた。

だが大半は、

当時、自分は本当に未熟だったので、
こんなに苦労する結果になってしまった

という流れで使われていたと感じる。

その苦しみの経緯と克服こそ、自伝の普遍的テーマ。

“I learned – the hard way.” は、それを象徴するフレーズ。

 

【関連表現】
“lesson learned”
https://mickeyweb.info/archives/26273
(学んだ教訓)

 

 

 

 

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