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Break the silence

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沈黙を破る

” break the silence ” は、 これまで
ずっと黙ってきた人が、 話し始めること。

「 沈黙を破る 」 は、 日本語でも多用されるので、
感覚的に理解しやすいだろう。

耳目を驚かすインパクトがあるため、 芸能ニュースと相性がよい。

  芸能系の見出し( headlines ) で多用される表現:

◇  「 見出し 」 英語の解説は、 ここが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語

 


◆  ” break the silence ”  は堅めのニュースでも使われる。

使用頻度はそう高くない印象がある。

人々の興味をむやみに煽り立てる記事や表現は、
ニュースの性質にそぐわないからであろう。

反意語の 「 沈黙を守る 」 の主な表現は、

” keep ” と ” remain ” は、 ここでは他動詞 ( transitive verb )。

 

 

日本語の 「 沈黙を破る 」 は、
< 休止後の再活動 >  をも意味する。

しかし、 ” break the silence ”  は、
この意味合いを含まない。

他方で、 音を出すことで静けさを打ち破る
文字通りの内容は、 日英共通した用法である。

◆   ” break ” には、 他動詞・自動詞・名詞がある。

【発音】  bréik
【音節】  break  (1音節)

【活用形】  break – brokebroken – breaking

語源は、古英語「壊す」(brecan)。

基本的で、幅広い分野をカバーする多義の単語。
試験頻出の句動詞や成句も数多い。

  •  break down ( 故障する、 分類する )
  •  break even ( 収支とんとん )
  •  break in ( 侵入する )
  •  break off ( 外れる )
  •  break out ( 勃発する )
  •  break through ( 切り抜ける )
  •  break up ( ばらばらになる )
  •  break one’s heart ( 悲嘆させる )
  •  break one’s neck ( 努力する )
  •  break the ice ( 突破口を開く )


多義とはいえ、 大半は語源通りのイメージを帯びる。

またカタカナ「 ブレーク 」 も日本に根付いている。

分かりにくくはないだろう。

基本的意味は、
–  他動詞 「 壊す 」 「 中断する 」 「 破る 」 「 知らせる 」
–  自動詞 「 壊れる 」 「 中断する 」 「 発生する 」
–  名詞 「 破壊 」 「 割れ目 」 「 脱走 」 「 中断 」 「 休憩 」

ここでは、 他動詞 「 破る 」。

◆  ” silence ” には、 名詞・他動詞・自動詞・間投詞がある。

【発音】  sáiləns
【音節】  si-lence (2音節)

語源は、 ラテン語 「 静かである 」( silere )。

語源の意味が全品詞を貫くため、 理解しやすい。

–  名詞 「 静寂 」 「 沈黙 」 「 忘却 」
–  他動詞 「 黙らせる 」 「 鎮圧する 」
–  自動詞 「 沈黙する 」 「 静かになる 」
–  間投詞 「 静かに 」 「 静粛に

間投詞 」 ( interjection ) とは、感動や応答を表す語で、
単独で文となりうる呼掛け言葉。

感嘆詞  ( exclamation ) とも言う。

「  ! ( 感嘆符 )」 は、 ” an exclamation mark ” または
” an exclamation point “。

【例】
Oh ! 、  Oops ! 、  Alas ! 、  Snap !
Whoa ! 、  Gross ! 、  Welcome back !
Check ! 、  Well done ! 、  Barf !

◆  本稿  ” break the silence ” では、 名詞 「 沈黙 」。

原則は、 不可算名詞 ( countable noun ) かつ抽象名詞 ( abstract noun )。

だが、 形容詞が前に加わると不定冠詞 ” a ”  がついたり、 複数形になったり、
文法的な例外もある。

■  「 沈黙を破る 」 の主な表現パターンは2つ

  • break the silence
  • break one’s silence


この2つの用法と和訳には、大差はない。

日常的には、ほぼ同じように使われている。

特定の人間が関わらない場合は、 ” the ”  が基本となる。

 

◆  ” one’s silence ”  の  ” one’s ”  とは、「 誰々の沈黙 」。

【発音】  wˈʌnz  (1音節)

one’sには、 通常は人称代名詞 ( personal pronoun ) の

所有格possessiveを入れる。

  •  my   私の
  •  your   あなたの
  •  his   彼の
  •  her   彼女の
  •  their   彼らの
  •  our   我々の
  •  its   それの

” one’s ” は、所有格の代表形 として、
辞書などで起用される。

具体的には、不定代名詞( an  indefinite  pronoun
” one ”  の所有格が  ” one’s “。

上記の所有格を代表する。

いわば、 所有格のワイルドカードとして使われる。


◆  「 沈黙 」は、 ニュースになりにくい。

新たな情報が出てこないから、 当然だろう。

一方「 沈黙を破る 」際は、 大いに注目され、
特ダネ記事になったりする。

扇動的な意味合いは特に含まないはずの ” break the silence ” が、

芸能見出しの煽り文言によく使われることは、 既述の通りである。

◆  芸能見出し は、 とりわけ 集客・販促 の役割を求められる。


「 ~ について 」を意味する関連の前置詞は、
on ”  または  ” about ”  が一般的。

 

◇  「 見出し 」 英語の解説は、 ここが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語

 

【関連表現】


If you don’t have something nice to say,
don’t say anything at all.
( 褒めるところがなければ、 なにも言うな。)
( いいことが言えないなら、 なにも言うな。)
( 悪口言うくらいなら、 沈黙する方がよい。)

Some things are better left unsaid.

( 言わない方がいいこともある。)

All truths are not to be told.

( すべての真実を語るべきではない。)
( 本当のことは言わない方がいい。)

 

 

 

 

 

 

 

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