Well done.
2019/10/18
お見事です。さすがです。
2語の間投詞で、褒め言葉。
「間投詞」(interjection)とは、
感動や応答を表す語で、
単独で文となりうる呼掛け言葉。
【例】”Oh ! “、”Oops ! “、”Alas ! “、
“Whoa ! “、”Snap ! “、”Gross ! “、
“Welcome back ! “、”Barf ! “、”Check!”
ー
◆ 間投詞なので、カジュアルな場面でしか
使わないと思いきや、実際にはリーダーや
トップマネジメントの社内演説に出てきたりする。
このような場合、
- よくがんばりました
- すばらしいです
- お見事です
社員の努力をねぎらい、賞賛している。
–
◆ 趣旨は相手を褒めること。
–
カラッとした発音で、耳当たりがよい。
一息で言い切れる勢いがあり、語呂もよい。
–
◆ “well” には、副詞・形容詞・名詞・間投詞
がある。
基本的意味は、
– 副詞「うまく」「十分に」「かなり」
– 形容詞「健康である」
– 名詞「よいこと」「繁栄」
– 間投詞「えーと」「まあ」「そうですね」
※ 井戸 “well” は、語源の異なる別物
–
◆ “done” は、自他動詞 “do” の過去分詞
であると同時に、形容詞と副詞でもある。
–
– “do” の過去分詞「やった」
– 形容詞「済んだ」「よく焼かれた」「疲れきった」
– 副詞「完全に」—※ 方言
–
◆ “well” も “done” も、それぞれ1語単独で、
間投詞として使える。
- “Well.”(上記参照)
- “Done ! “「決まり!」「よろしい!」「終わり!」
–
◆ 表題の “Well done.” は、
副詞 “well”(うまく)+過去分詞 “done”(やった)だから、
「うまくやった」「よくやった」。
–
なお、よく焼けた肉 “well-done”(ウェルダン)は、
文法上は複合形容詞 (compound adjectives)
として扱われるのが通例。
複合形容詞(※)の例
“laid-back“、”unheard-of“、”fill
“self-explanatory“、”worst-case“、”wake-up“、
“long-overdue“、”so-called“、”unhea
“short-staffed“、”well-established“、”go-to“、
“shell-shocked“、”well-liked“、”self-inflicted“、
“hassle-free“、”life-threatening”
※ 複数名詞(compound nouns)兼用も含む
複合語は、ハイフン入りが原則。
だが、ハイフンを使わない表記も日常的には見かける。
なお、複合形容詞 “well-done” の “well” は、
連結形(combining form)であり、
接頭辞(prefix)でない 点に注意。
–
詳しくは、”well-established” をご参照のこと。
◆ “Well done.” は、シンプルな褒め言葉である。
その一方で、特に 2語完結の場合、
<上から目線>な発言に聞こえかねない。
言い様によっては、
「ご苦労さん」「ご苦労様」
によく似たニュアンスを帯びる
日本語ネイティブの社会人であれば、
この言い回しの危険さが分かるはず。
リーダーが社内に向けて用いる上では、
何ら問題ない。
- “Well done to all ! ”
(みんな、よくやった!)
→ “all” は代名詞「全員」
ところが、目上や社外に対しては気をつける
必要がある。
同僚や部下であれば、両方とも普通に使える。
しかし、仲が悪ければ、反発を招く恐れがある。
◆ さらに付け加えると、ともに嫌味にも用いる。
「あ~あ、やってくれたな!」
「お見事!」「さすが!」
相手がしくじった直後の
- “Well done ! “
- “Good job ! “
- “Nice going ! “
- “Way to go ! “
きっと激烈な打撃を与えるだろう。
日本語にもあるネガティブ用法だが、
決してお勧めしない。
“What goes around comes around.“
(因果応報)の人生で、いつかは自分が、
その立場に置かれるかもしれないからである。
–
◆ ただし、いずれも2語完結(+名詞)でなければ、
上記リスクは生じにくい。
例えば、次の典型祝辞。
- “Congratulations on a job well done.”
(仕事の成功、おめでとうございます。)
(お仕事がうまくいって、よかったですね。)
“well done” は “a job” にかかり、形容詞的。
よって、「見事な仕事」くらいの意。
文脈にもよるが、目上に使っても、基本的に問題ない。
【関連表現】
- “Well said.”
(言えてる。)
(その通りだ。)
※ 副詞 “well”(うまく)+過去分詞 “said”(言った)