時間枠、 所要期間
プロジェクトの期限設定時に頻出な名詞。
直訳は 「 時間枠 」。
【発音】 ˈtaɪm ˌfreɪm
【音節】 time-frame (2音節)
–
◇ 1語の ” timeframe ” も同義
–
実務では、1語表記もよく見かける。
主に 「 特定の作業に要する期間 」 を指す 可算名詞。
–
–
” time frame “the period of time during which you expect or
agree that something will happen or be done.( ロングマン、LDOCE6 )
< 参考和訳 >
何かの発生または遂行のために予定された 期間
–※ 下線・ハイライトは引用者
–【発音】 ˈtaɪm ˌfreɪm
【音節】 time-frame (2音節)
–
” time frame ” は 「 期間 」 を指すため、
その起点・終点は 状況次第。
一般的な定義はなく、 使い手が任意で決められる。
–
–
◆ 例えば、「 受験勉強 」。
「 勉強着手 」 から 「 受験日 」 までが、 並大抵の ” time frame “。
「 参考書選び 」 の段階から、「 合否発表日 」 までを ” time frame ”
に入れる人もいるだろう。
あくまでも、 使い手が考える 「 期間 」。
–
実際のところ、 具体的な日程は明示されるはずなので、
” time frame ” の定義にさほど拘る意味はない。
ざっくり 「 所要 期間 」 くらいに理解しておくとよい。
–
「 これが 時間枠 です 」
- ” Here are the time frames. ” ( 複数 )
- ” Here are time frames. ” ( 複数 )
- ” Here is the time frame. ” ( 単数 )
- ” Here is a time frame. ” ( 単数 )
時間枠よ
–
◆ 「 所要時間 」で多用されるのは、
” time frame ” は、 名詞 ” time ” と 名詞 ” frame ”
が合体した 複合名詞 ( compound noun ) である。
–
–
◆ “ time ” には、名詞・形容詞・他動詞・自動詞 がある。
【発音】 táim (1音節)
ー
語源は、 古英語 「 時 」「 時間 」( tīma )。
ー
圧倒的に使われるのは名詞 ( noun )。
不可算 ( countable ) と 可算 ( uncountable )を兼ねる。
基本的知識は、 以下の通り。
–
◇ 「 時 」は、 個数として数えられないので、
無冠詞の 「 不可算名詞 」 が基本。
この場合でも、「 この時間 ・ あの時間 」 など
「 区別 」する場合は、 可算名詞。
何時何分、 何月何日など 「 出来事 」 の時間
を示す場合も、 「 可算名詞 」 が原則。
次の差異が分かるだろうか。
-
–
Do you have time ?
–
( 今、お時間ありますか ? )
-
–
Do you have the time ?
–
( 今、何時でしょうか ? )–
現在の時刻 ( current time ) を他者に尋ねる英語表現として、” What time is it ? “ と学校では学んだりするが、
これは実は相当ぶしつけな尋ね方。
「 今、何時 ? 」 同然の響き。
露骨でむき出しゆえ、 いきなり聞かれた側は不快かも。
赤の他人やさほど親しくない人に時間を聞くには、 先述の
” Do you have the time ? ” ( 今、何時でしょうか ? )
–
名詞 “ time ” については、 いかなる辞書を調べても、
不可算が優先 されている( uncountable noun )。
よって、 「 ” time ” の基本は不可算名詞 」 と覚える。
–
–
◆ ” frame ” には、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 freim (1音節)
ー
語源は、古英語「 材木を用意する 」( framen )。
同じ1音節の 「 炎 」 の ” flame ” は、 「 L 」。
【発音】 fleim (1音節)
カタカナでは、 両方 「 フレーム 」 または 「 フレイム 」。
要注意。
◆ ” frame ” は多義。
日常使用以外にも、
建築・電気・情報・通信・映像・自動車・スポーツ
の専門用語として 確立 している。
基本的意味は、 カタカナ 「 フレーム 」 に重なる。
– 名詞 「 枠 」「 骨組み 」「 額縁 」
– 他動詞 「 組み立てる 」「 立案する 」
– 自動詞 「 進行する 」 ※ 自動詞はまれ
名詞は可算と不可算を兼ねるものの、
可算名詞 ( countable ) が中心。
ー
ここでも、 可算名詞 「 枠 」。
–
◆ 以上より、” time frame ” の直訳は 「 時間枠 」。
–
文字通りだが、 そもそも 「 時間枠 」 の成り立ちは、
英語 ” time frame ” を和訳したものと考えられている。
社会一般に普及している語とは考えづらい。
けれども、 仕事に従事している方であれば、
大まかな意味合いは難なく把握できるはず。
前記の通り、 「 特定の作業に要する期間 」、
つまり「 所要期間 」で用いられることが多い。
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–
「 期間 」一定の時期から他の一定の時期までの間。
–
◆ 仕事には 「 目標期日 」、 すなわち 「 締切り 」 がつきもの。
関係者との時間枠の すり合わせ が欠かせない。
“ time frame ” が仕事に密接する理由に他ならない。
時間の 感覚 は、人によって驚くほど差がある。
一般的な定義はなく、 使い手次第な風潮が強い。
事前に明確な日時を取り決めておかないと大変。
私の手痛い経験は、” Let somebody down ” でご紹介した。
作業の所要期間の一部分であれば、” time frame ” と表せる。
- “We need to include a time frame for review.”
(レビュー期間も含めなければならない。)
– - “We should get together during a specific time frame.”
(特定の期間には全員集まるべき。)
– - “During the maintenance time frame,
users may experience disruptions.”
(メンテナンス期間中は、中断が発生する可能性があります。)
– - “I don’t have an expected signature time frame.”
(承認の署名をもらえる時期は分かりません。)
(調印の予定時期は分かりません。)
– - “I set the time frame for our project.”
(我々のプロジェクトのための時間枠を決めた。)
– - “Our time frame is pressing.”
(我々の持ち時間が切れそう。)
– - “We would like to extend the time frame to April 30.”
(4月30日まで当該期間を延長させていただきます。)
– - “She completed it within a short time frame.”
(彼女は短期間でそれを終えた。)
–
- “Lack of response within that time frame will result in
the account being suspended.”
(この期間内に対応しない場合、アカウントがサスペンド
されることがあります。)
–
- “I have to get this done within this time frame.”
(この時間枠でこれを仕上げなければならない。)
– - “I have no definite time frame in mind.”
(明確な期間は決めていません。)
– - “I will be gone around that time frame.”
(その時期辺りは、私はいない。)
– - “I failed to provide information within the stated time frame.”
(所定期間内に、私は情報提供できなかった。)
– - “Let’s review his work in the 2012-2016 time frame.”
(2012年から2016年の彼の作品を確認しよう。)
– - “It may be difficult for me to complete the translation
within the given time frame.”
(ご指定の期間内に、この翻訳を終えるのは、
私にとって難しいかもしれません。)
–
【発音】 ˈtaɪm ˌfreɪm
【音節】 time-frame (2音節)
–
< ” time frame ” の 類似語 >
–
普段使いでは、 いずれも ” time frame ” 同然の印象。
とりわけ、 口頭ならば、 どれ使っても支障はない感じ。
日本語から考えても、 大きな違いは存在しないだろう。
指示内容こそ大事で、 定義自体に神経質にならなくてよい。
大同小異ゆえ、 「 期間 」 「 時間 」 と大づかみに
押さえておこう。
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◆ 上記 ” window ” ( 窓 ) は、 ” frame ” ( 枠 ) から連想可能。
” frame “、 ” period ” と同様、 ビジネスの場で重宝される 「 期間 」。
【発音】 wíndou
【音節】 win-dow (2音節)
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▲ 2024年10月1日付 メール※ ハイライトは引用者
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このように、 和訳 「 期間 」 が定訳化されている。
同時に、 ” period ” も 「 期間 」 と和訳されている。
【発音】 píəriəd
【音節】 pe-ri-od (3音節)
同一文書内で、 ” return window ” と ” return period ” ともに、
「 返品期間 」 と訳しており、 前述の 「 大同小異 」 を裏付ける。
少なくとも、 日本語を勘案すると、 ほぼ変わらないということ。
◆ なお、 ” timeline “、” time line ” のビジネス用途は、
「 予定表 」( schedule ; timetable ) の趣旨がほとんど。
” time frame(s) ” をまとめた ような役目。
【発音】 táimlàin
【音節】 time-line (2音節)
本部の幹部が現場視察にやってくる際、 丁重に迎えるべく、
アテンド担当と現場案内者に、 前もって配布しておく。
受け入れ体制に粗相がないよう、 予定時間 に沿って、
行動 ・ 場所 ・ 参加者 などの必要事項を並べて作成。
「 時間の流れ 」 に伴う要件を明らかにするから、 「 予定表 」 が意図。
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また、 設備導入の際には、
- timeline for implementation
を作って、 目標とする ( target ) 実施年月 ・ 導入システム ・ 進捗状況
を関係者に周知する。
表題 ” time frame ” で表すと、
- “The time frame for implementation is as follows: June 19-23.”
(導入時期は、以下の通りです:6月19~23日。)
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◆ 災害時の広報は、
- “Estimated power restoration timeline is unknown at this point.”
(現時点では電力復旧の 予定時間 は不明です。)
復旧に至るまでの 「 時間の流れ 」 を示唆するのが、 ” timeline “。
「 時刻 」 よりは、 おおよその 「 時間帯 」 をイメージする方が的確。
電気・ガス・水道・インターネット回線などの 「 復旧見込み時間 」 は、–
- estimated time of restoration (ETR)
または - estimated restoration time (ERT)
官公庁や供給企業にて公式に使われている。
【発音】 rèstəréiʃən
【音節】 res-to-ra-tion (4音節)
–
” restore ” ( リストアする、 回復する ) の名詞形である。
【発音】 ristɔ́r
【音節】 re-store (2音節)
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◆ フェースブックの英語版に出てくる ” timeline ” は、 時系列の 投稿まとめ。
いわば 「 年表 」。
- timeline of events
出来事を時系列で一覧にする。
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歴史的事件の振り返りにも使われる。
- YouTube Timeline ( Business Insider )
- 9/11 Timeline ( Newsweek )
- 9/11 Timeline Infographic ( Britannica )
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日本のメディアでも使われている。
- 政治タイムライン ( 朝日新聞デジタル )
色恋沙汰を含む人間関係の年表は、
- relationship timeline
芸能雑誌の定番記事であり、 異性遍歴が暴かれていたりする。
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◆ ” timeline ” の共通点は、 時系列 で追った 「 時間の流れ 」
が示されること。
こちらも文字通り、 ” time “( 時間 ) の ” line “( 流れ )。
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【 英文タイムラインの実例 】
・ “time line for” filetype:pdf
◆ 米国の小学4-6年生向けの教材では、 このような具体例を挙げている。
–
p. 73.
–
p. iv.–
–
表紙
–
Anne Zeman & Kate Kelly,
“ Everything You Need To Know About English Homework ”
Scholastic Reference (1994, 2005, 2011).
–
上記の目次( iv 頁目 )が提示するように、 アウトライン( Outlines )、
フローチャート( Flow Chart )や ベン図 ( Venn Diagram ) と一緒に、
作文時に役立つ ” writing tools ” ( 書くための道具 ) の代表例として、
“ time line ” を説明している。
時系列 で追った「 時間の流れ 」 を整理して、 筋書をひねり出す寸法。