〜 をきちんと手入れする、 ~ を大切にする
よい状態を保つため、 人手をかけて大切に
する様子を表す。
ダッシュ部( ~ )が、その対象となる目的語。
手入れする対象を限定しないため、 応用が効く—
ー
これが強みの表現である。
ー
◆ 次の用例を見れば、 幅広く用いられることが 自明 だろう。
例示なので、人称代名詞の所有格 ” your ”
( あなたの、単数 )で統一した。
–
Take good care of your ____.
< 心身 >
- health ( 健康 )
- emotions ( 情緒 )
- teeth ( 歯 )
- skin ( 肌 )
- hair ( 髪 )
- nails ( 爪 )
< 物品 >
- room ( 部屋 )
- flowers ( 花 )
- car ( 車 )
- garden ( 庭園 )
- computer ( コンピュータ )
- books ( 書籍 )
< 人生・仕事 >
- life ( 命、 一生 )
- time( 時間 )
- money ( お金 )
- information ( 情報 )
- career ( キャリア )
- business ( 事業 )
<生き物>
- children ( 子ども )
- friends ( 友達 )
- patient ( 患者 )
- neighbor ( 隣人 )
- dog ( ペットの犬 )
- people ( 周囲の人々 ) ※
※ ” your people ” とすると、 通常は、
「 部下 」「 社員 」「 市民 」「 国民 」「 取り巻き 」
などを指す。
特定しない「 人々 」を指すのであれば、” people ” に
所有格 ” your ” はつけない。
–
上掲の通り、対象が【人】であってもよい。
ただ特定の人物の場合、
自分より社会的地位の高い人には使わない
のが一般的。
なぜなら、世話を焼く相手ではない から。
自分が面倒を見るのではなく、その逆が普通
なため、どうしても不自然な感じを受ける。
–
△ take good care of your teacher ( 先生 )
–
特に形容詞 ” good ” が入ると、なおさら
保護者的( 他動詞 “patronize” ← パトロン )かつ
恩着せがましい印象を帯び、失礼 になりうる。
いわば、 ガキ扱い 。
こちらはOK。
○ take good care of our students ( 生徒・学生 )
ー
◆ もっとも、特定人物ではなく、総称的な高齢者、
または 身近な身内であれば、 目上でも問題ない。
○ take good care of senior citizens ( 高齢者 )
○ take good care of your grandparents ( 祖父母 )
○ take good care of your parents ( 両親 )
–
身内の場合、持ちつ持たれつの相互依存 の間柄が、
性質上内在するとの社会通念があるからである。–
–
” Take good care of – ” で最もポイントとなる単語は ” care “。
–
■ “ care ” には、名詞・自動詞・他動詞がある。
【発音】 kέər (1音節)
語源は、古英語「 心配 」( caru )。
名詞も動詞も頻出である。
語源に沿う意味合いが中心となるため、
多義だが難しくない。
日本でも「 スキンケア 」や「 アフターケア 」
などが定着しているため、イメージしやすい。
–
◇ “ care ” の基本的意味
- 名詞 「 心配 」「 用心 」「介護 」「 手入れ 」
- 自動詞 「 心配する 」「 気にする 」「 面倒をみる 」
- 他動詞 「 気にする 」「 したいと思う 」
–
【発音】 kέər (1音節)
–
- “Our manager oversees each project with great care.”
(マネージャーは各プロジェクトを注意深く監督する。)
–
–
◆ ” take care ” では、 名詞「 手入れ 」。
この名詞は、可算と不可算を兼ねる。
「 心配事 」 「 関心事 」 「 注意点 」のように、
< 具体的に数えられる > ものは、可算名詞となる。
それ以外は、概ね 不可算名詞。
ゆえに、” care ” は原則不可算。
–
” take care ” でも不可算名詞。
したがって、無冠詞が一般的で、本稿でも採用している。
ところが、” take ” と ” care ” の間に 形容詞が入る場合、
可算扱いされることがある。
形容詞によって、先述の < 具体的に数えられる >
対象との解釈が加わることになる。
–
○ take good care of –
○ take a good care of –
–
形容詞 ” good ” があれば、 可算・不可算ともOK。
” good ” に限らず、 例えば ” special ” や ” great ”
などの形容詞でもよい。
形容詞なしの ” Take a care of – ” は一般的でない。
■ “ take ” には、自動詞・他動詞・名詞(可算)
があり、圧倒的に他動詞として使われる。
語源は、古ノルド語「 つかむ 」「 取る 」( taka )。
ここでも他動詞で、意味は「 ~ を行う」。
■ ” good ” には、 形容詞・副詞・間投詞・
名詞( 可算・不可算 )がある。
語源は、古英語「 適切な 」( gōd )。
ここでは、形容詞「 よい 」「 十分な 」。
申し分のない程度を示す「 グッド 」そのもの。
■ ” of ” は、関連の前置詞「 ~ について 」。
ー
◆ 以上より、” take good care of – ” の直訳は、
「 ~ について よい手入れを行う 」。
人の心身について用いる場合、格助詞を用いて、
より分かりやすく言い換えて、
- ~ を大切にする
- ~ に気をつける
- ~ を自重する
相手に応じて言い方や使用言葉を調整するのが、 会話の基本。
コミュニケーション能力の一環とされる。
–
◇ 目上の相手の自重自愛を祈る場合、
この2つの言い回しなら、すっきり恬淡な
「 ご自愛ください 」。
- ” Take care. “
–
△ Please take care.
– - ” Take care of yourself. “
–
△ Please take care of yourself.
上記の場合、” please ” を入れない方が無難。
【 ご注意 】
目上だからと “please” をつけると、
かえってよくない場合も多々ある。
なぜなら、
副詞・間投詞 “please”(どうか)には「命令形」が続く
のが原則のため、状況と相手によっては、失礼が生じる。
“please” の弱点 :
■ 時に押しがましく、または子ども扱い
■ 慇懃無礼で嫌味な印象を伴うリスク
■ 命令調に聞こえがちで、目上を怒らせる
↑ 日本の学校教育で教わる機会の乏しい
“please” の弱点 は、ぜひ知っておきたい
–
◇ ” Please V ( verb = 動詞 )” のパターンを、
「 半命令形 」
と称することもある。
意図せずして、命令調になってしまい、不遜に響く。
“ Could you update me on – ? ” にて、事細かに取り上げた。
–
【留意点】
命令形・命令文とは、「 文の形式 」 の文法用語。
「 命令 」 の 「 機能 」 を表すわけではない。
「 命令 」 するために使うとは限らないものの、 実際に
「 命令 」 で多用されるため、 悪印象・誤解を与えがち。
「 命令形 」
Update me on your schedule.
「 半命令形 」
Please update me on your schedule.
–
【参照】
・ 上司には “ please ” よりも “ could you ” が無難
・ “need” や “want” は「差し迫った要求」 → 対人用途では高リスク
–
◆ 表題 “take good care of – ” は会話のみならず、
文中でも使う。
既出の例文を応用すると、このようになる。
- “I need to take good care of my teeth.”
(自分の歯を大切にしなければ。)
– - “I would like you to take good care of your health.”
(どうかご健康を大切になさってください。)
– - “Please take good care of your parents.”
(ご両親を大切にしてあげてください。)
– - “She took good care of her children.”
(彼女は子どもたちの面倒をよくみた。)
– - “He failed to take good care of his money.”
(彼はお金の管理に失敗した。)
– - “I hope you take good care of your business.”
(事業がうまくいくよう願っています。)
– - “I think they can’t take good care of their dog.”
(あの人たちには、飼い犬の面倒は無理だと考えます。)
– - “I want to take good care of my career.”
(キャリアを大切にしたいのです。)
– - “My mom loves to take good care of her garden.”
(庭園をきちんと手入れすることが母は大好きなのです。)
– - “We take good care of your information.
Read our Privacy Policy.”
(皆様の個人情報を確実に管理いたします。
個人情報保護方針をご覧ください。)
– - “To the extent possible, we take good care of
your information.”
(可能な限り、皆様の個人情報を確実に管理いたします。)
< “ care ” 関連表現 >
- ” Take care. ”
https://mickeyweb.info/archives/523–
– - ” I don’t care ”
https://mickeyweb.info/archives/862–
– - ” Thank you for caring. ”
https://mickeyweb.info/archives/1986–
– - ” caregiver ”
https://mickeyweb.info/archives/15728