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Caregiver

      2020/11/25

介護者、  介助者

超高齢化社会に突入しつつある日本で、
以前にも増して身近になっている「介護者」。

介護者 」は、介護する側の人を指す。

介護される側は「 要介護者 」が一般的。
被介護者 」と称されることもある。

一昔前から打って変わって、
どちらも日常語になっている。

介護

高齢者・病人などを介抱し、
日常生活を助けること。
(広辞苑 第六版)

介護者といっても、間柄や専門性によって、
呼び名は異なる。

日常生活に欠かせない動作の手助けは「介護」よりは、
「介助」の方が適切とする説もある。

公共交通機関などでは「介助者」を用いていたりする。

↑  京急電鉄の掲示板  (2019年6月20日 筆者撮影)


◆ 「介助」を含む、日常生活面に対する支援の<総称>が「介護」。

換言すれば、「介護」の大枠に「介助」が含まれる。

専門家以外は、以上のようにざっくり把握しておくとよいだろう。

【参考】–    ※  外部サイト

◆  日本における介護専門職は、次の通り。

すべて公式サイトで調べた日英の正式名称である。

<介護職・関連職>    ※  ハイライトは国家資格


◆  では、一般人が日常的に使う「介護者」「介護人」
「介助者」は、英語でどう表現するか。

最適なのは、”caregiver” だと考える。

 


◆  かつては “carer” も使われたが、
今ではあまり見聞きしなくなった印象。

それでも、前出の『実用日本語表現辞典』では、
“carer” を英訳の筆頭に挙げている。

【発音】   kέərər
【音節】   car-er  (2音節)

こちらは、”care” に、接尾辞 “er“(~する人)
を加えた、単純明快な成り立ち。

非常にすっきりしているが、それゆえか
一見すると分かりにくい。

もっとも、イギリスなどには “Professional Carer と称する
介護職の分類があり、”carer” は現在も普段から使われている。

日本のニュースでは、”carer” を「医療関係者」と和訳していたりする。

【参照】–    ※  外部サイト

a palliative carer(ホスピス看護師)の
Bronnie Ware

死ぬ間際に後悔する5つのこと

<原文>    <YouTube>    <TED>

※  “palliative” =  緩和ケア

だが、全体的には “caregiver” の方が優勢なのは、
幾多の検索を重ねれば理解できる。

◆  “caregiver” の有力サイト3つ

このレベルの “carer” サイトは見つからなかった。

 

◆  “care” には、名詞・自動詞・他動詞がある。

【発音】   kέər
【音節】   care  (1音節)

古英語「心配」(caru)が語源。

語源に沿う語意が中心となるため、多義だが難しくない。

日本でも「スキンケア」や「アフターケア」
などが定着しているため、イメージしやすい。

“care”

–  名詞「心配」「用心」「介護」「手入れ」
–  自動詞「心配する」「気にする」「面倒をみる」
–  他動詞「気にする」「したいと思う」

【発音】   kέər
【音節】   care  (1音節)

この名詞は、可算と不可算を兼ねる。

「心配事」「関心事」「注意すべきこと」のように、
具体的に数えられる “care” は可算名詞となる。

それ以外は不可算名詞ゆえ、原則不可算

“carer” と “caregiver” はともに可算名詞だが、
抽象的な「介護」である “care” は不可算名詞となる。

 

◆  “caregiver” の意味は、字面から推測しやすい。

  • 不可算名詞 “care“(介護)
  • 可算名詞 “giver“(与える人、する人)

「介護する人」だから「介護者」の意味合い。

先述の “carer” と比べ、

意味がすぐ分かる強み

がある。

”caregiver”

  • someone who takes care of a child or sick person.
    (ロングマン、LDOCE6)
  • a person who takes care of a sick or
    old person at home.
    (オックスフォード、OALD9)
  • someone who takes care of a person
    who is young, old, or sick.
    (ケンブリッジ、CALD4)

【発音】   kɛ́rɡɪ̀vɚ
【音節】   care-giv-er  (3音節)

※  下線は引用者

“child” と “young”(下線部) に着目。

◇  “caregiver”  は、「高齢者」「病人」
のみならず、幼い「子ども」も対象

  • “I was the baby’s primary caregiver.”
    (主に、私がその赤ちゃんの世話をしていた。)

見た目から意味が推測でき、かつ識別がたやすいこと。
日常的に普及していく単語の条件として大切である。

世間一般が使いこなせて、ようやく定着するもの。
それが言葉である。

日常使用では、細かく煩わしいことを抜きにした、
<総称>が好まれたりする。

< 頻出の総称 >

  • healthcare provider
    (医療サービス提供者)
  • healthcare professional
    (医療従事者)
  • medical staff
    (医療スタッフ)
  • medical personnel
    (医療関係者)
  • legal professional
    (法律専門家)
  • childcare provider
    (児童保育提供者)

先に掲げた日本の介護関連職と同様、
どれも立派な専門職である。

だが、当事者(患者など)ではない門外漢の場合、
細かい資格の別は不案内である。

現実的には <総称>で十分であろう。

英語ニュース速報でも、「医師」「看護師」「救急救命士」
などを区別することなく、上記の総称の出番が目立つ。

日本でも「〇〇スタッフ」や「〇〇提供者
という言い回しが浸透してきた。

以前はそれほど耳にしなかった「医療従事者
や「医療関係者」もメディアで根付いている。

<総称>であれば、とりあえず間違いない。

詳細な確認が不要なので、確かに便利である。

 

 

【参照】–    ※  外部サイト

 

【 “care” 関連表現 】

“Take care.”
https://mickeyweb.info/archives/523
(お身体をお大事に。ご自愛ください。元気でね。)

“I don’t care”
https://mickeyweb.info/archives/862
(関係ないです。どうでもよいです。構わないです。)

“Thank you for caring.”
https://mickeyweb.info/archives/1986
(お気遣いありがとうございます。)

“Take good care of – ”
https://mickeyweb.info/archives/17451
(〜をきちんと手入れする、~を大切にする)

 

 

 

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