即時発効する
■ 即時発効 ( する )
が定訳の < 2語ワンセット >。
■ 即時有効 ( になる )
■ 直ちに施行 ( する )
■ 本日より実施 ( する )
これらの和訳もよく使われる。
文意と文脈にもよるが、 文頭・文中・文末、 いずれも大概OK。
法令、通達、官公庁の公的文書はもちろんのこと、
一般企業の社内規則でも使う文言。
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【 趣旨 】 猶予なく 「 効力がすぐ発生する 」
正式な法律・条約・契約書に限らず、 ルール全般に適宜適用できる。
◇ 発効日 ( the effective date ) → 即日
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待った なし
一刻も早く
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身近な文書でも見かける。
例えば、数行の取り決めや覚書 ( memorandum )、
仲間との約束事や決め事。
このような文書では、 堅めの 「 即時発効 」 よりは、
「 今日から実施します 」 の方がしっくりきたりする。
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ドラマや映画で、ワンマン上司や先生の
鶴の一声 として出てくることがよくある。Effective immediately
( 直ちに )( 今すぐ )
You are fired.
Effective Immediately.
即刻クビ!
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◆ ” effective ” には、 形容詞・名詞・副詞がある。
【発音】 iféktiv
【音節】 ef-fec-tive (3音節)
語源は、ラテン語「 実際的な 」( effectīvus )。
ここから、形容詞 「 効果的な 」「 有効な 」に。
名詞は「 実働人員 」で、専門用語に近い。
副詞は「 ~ 限りで 」と、形容詞扱いする辞書もある。
よって、 ” effective ” は形容詞中心に使われ、
「 効果的な 」「 有効な 」 が基本的意味。
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◆ ” immediately ” には、副詞と接続詞がある。
【発音】 imíːdiətli
【音節】 im-me-di-ate-ly (5音節)
形容詞 ” immediate ” に、 様態の接尾辞 ” ly ” をつけて副詞に。
” immediate ” の語源は、 ラテン語 ” immediātus ”
で 「 仲介物を置かない 」。
【発音】 imíːdiət
【音節】 im-me-di-ate (4音節)
「 直に ( じかに ) 置く 」 だから
「 直ち ( ただちに )」 に。
- “These are the high-priority items that need
immediate attention.”
( これらが直ちに対応すべき優先事項だ。)
– - “We demand her immediate release.”
( 彼女の即時解放を求めます。)–
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◆ “ ly ” は、 様態( ~ のような ) を示す接尾辞( suffix )。
” immediately ” は 副詞「 直ちに 」となる。
- ” Release her immediately.”
( 彼女を直ちに解放せよ。)
– - ” I was let go immediately.”
( 私は直ちに解雇された。)
– - ” I broke up with him immediately.”
( 彼とすぐ別れた。)
以上より、 ” effective immediately ” は、「 直ちに有効な 」。
すなわち「 即時発効 する 」。
< 2語ワンセット >で副詞的に用いる。
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「 有効 」 ききめのあること。 効力のあること。役に立つこと。
「 即時 」 すぐその時。 即刻。
「 発効 」 (法律・規則などの)効力が発生すること。
「 効力 」 効果を及ぼすことのできる力。はたらき。 ききめ。
( 広辞苑 第七版 )
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理解はさほど難しくないだろう。
「 即時発効 」と同じく、決まり文句なので、扱いもシンプル。
副詞的に、文頭・文中・文末 のいずれかに挿入するだけ。
- “Effective immediately, smartphones are banned.”
(今日からスマホ禁止です。)
– - “Effective immediately, only essential personnel
shall report to work.”
(即時発効にて、出勤は必須要員に限るものとする。)
– - “May I resign effective immediately ? ”
(今すぐ辞めて、よいでしょうか?)
– - “Effectively immediately all personnel travel to X
is prohibited unless for emergency reasons.”
(本日より、全職員のX国渡航を禁ずる。 緊急時は除く。)
– - “Effectively immediately, all travel to Tokyo is authorized.”
(本日より、東京への移動を全面解禁します。)
– - “I am taking time off. Effective immediately.”
(お休みいただきます。 今から。)
– - “I have accepted her resignation, effective immediately.”
(本日、彼女の辞任を承認しました。)
– - “I have made a decision to suspend you from the school
for two weeks effective immediately.”
(本日より2週間、あなたを停学処分にする決断をしました。)
– - “The required actions per this notice are effective immediately.”
(この通知に示す必要な行動は、直ちに発効するものとする。)
– - “I’ve decided to retire, effective immediately.”
(本日限りで引退することを決意しました。)
– - “I made a rule, effective immediately.”
(ルールを1つ作った。 今日から実施ね。)
– - “Effective immediately, no bullying in our class.”
(今日から、このクラスではいじめ禁止。)
– - “Effective immediately, I will be stepping down.”
(今日限りで辞任します。)
– - “Effective immediately, all facilities are closed
until further notice.”
(本日より別途通知するまで、全施設を閉鎖します。)
–
- “Effective immediately, all employees performing
official duties will wear masks.”
(公務執行中の全職員は、本日よりマスク着用となります。)
– - “Effective immediately, I have assumed the duties of
Acting Secretary of Defense.”
(本日より、国防長官代行に就任いたしました。)
→ 「 国防長官代行 」の就任文書を、” acting ” 末尾に掲載中
– - “The changes are effective immediately.”
(この変更は即時発効します。)
– - “We mutually agreed to end our partnership,
effective immediately.”
(相互合意に基づき、即時発効で提携関係を終えます。)–
–
- “The director had been terminated effective immediately.”
(そのディレクターは、即時解雇された。)
— - “The company announced that he would retire
effective immediately following the scandal.”
(不祥事後、彼が即刻辞任すると会社は発表した。)
– - “You can’t fire me effective immediately because
there is a law called the Labor Standards Act.”
(俺を即日解雇できないよ。 労働基準法があるからな。)
– - “This appointment is effective immediately.”
(この任命は即日発効です。)
– - “XX 3-game Suspension Effective Immediately”
(XX選手、3試合即刻出場停止に) ※ スポーツニュース見出し
– - “Cancelled TV Shows : Effective Immediately”
(直ちに打ち切られたテレビ番組) ※ 芸能ニュース見出し–
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◆ 英文例からも分かるように、” effective immediately ” は
「 絶縁 」を示唆することが少なくない。
使用者・雇用者側ばかりでなく、仕事を辞める 決心をし、
その場から立ち去る 覚悟の従業員が使ったりもする。
一方的に、高々と宣言する感じ。
後戻りなし。
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▲ 主語抜きの邦文を機械英訳した失敗例
( 2023年 ビックカメラ なんば店 )
【発音】 imíːdiətli
【音節】 im-me-di-ate-ly (5音節)
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勝手に 「 幻覚 」 を生み出す怖さ人間が翻訳していれば絶対に起こり得ない誤訳を、
生成型AIは確率論の名において平気で冒すことが出来る
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「 AIが間違えるハズがない 」 は危険。
平気で嘘をつく生成型人工知能の限界
https://www.mag2.com/p/news/583243/3
2023年8月31日付
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AIを過信する危うさは、 ” Vocal about – ” で追究した。
◆ 以下、 ” Acting ” より再掲。
【参考】 ※ 外部サイト
リチャード・スペンサー国防長官代行の署名 ( 一般公開済み )
2019年7月15日付 米軍と国防総省の職員に向けた就任文書
件名 : 国防長官代行に就任
「 本日より( effective immediately )、国防長官代行に就任いたしました。 」
Letter from Acting Secretary of Defense
Richard V. Spencer to Pentagon
署名の直下 ” Acting ” に着目