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Go-to

      2020/09/30


<お知らせ> 2020年7月16日(木)

本稿 “go-to” のアクセス数が、7月に入って急上昇しております。

普段の弊サイトでは、動きの少ない地味な形容詞です。

そこで、念のため、最初にご了承いただきたいこと。

■  2020年7月実施の国土交通省の観光支援策、
Go To キャンペーン」 (ゴートゥーキャンペーン)

■  本稿で取り上げる 形容詞 “go-to” 

両者は、無関係

このように考えます。

せっかくお越しいただいた皆様のお役に立てず、
申し訳ございません。

◆  旅行の需要喚起を目指す経済政策の趣旨から推断して、
観光庁が意図する内容は、

  • 自動詞  “go” (行く、出かける)
  • 前置詞  “to” (~へ、~まで、~に)
    →  方向・方角を示す前置詞


折もあろうに、

旅行に出かけましょう ! 」と国民に促したい模様。

それにしても、

 「Go To トラベル」は、妙な言い回し  

英語ネイティブにも、どうにか通じると思われるものの、
「英文法的に間違い」と判断できる印象です。

◆  “travel” は、不可算名詞・可算名詞で「旅行」。

自動詞・他動詞で「旅行する」も意味します。

【発音】   trǽvl
【音節】   trav-el  (2音節)
【活用形】   travels – traveled – traveled – travelling

語源は、古フランス語「苦労して働く」(travaillier)。

travail“(苦労、苦労する) と同源で、同語扱いされていました。

初出は13~14世紀で、当初から一貫するのが「苦労」の意味合い。

◆  “travel” は、主に「動詞」で使います。

別の動詞を伴わなくても、単独で「 旅行する 」。

マイナー用法としては「 移動する 」。

  • “I travel that road every night.”
    (毎晩、あの道を通ります。)
  • “Do not travel beyond Kanagawa Prefecture.”
    (神奈川県外に行かないようにしてください。)
  • “Overtime payment is not authorized for
    time spent in travel to and from the X point.”
    (X地点を往復する移動時間は、時間外勤務
    手当の支給対象として認められません。)
  • “Japan to ease COVID-19 travel restrictions in September”
    (日本、9月に新型コロナによる移動制限を緩和)
    ※  ニュース見出し

どうしても動詞 “go” を起用したいのであれば、
“go on travel” や “go travelling” の方がよい。

名詞用法の “travel” は、「不可算」が基本です。

この点、可算名詞が原則の “trip“、”tour“、”journey
と異なります。

 

▼▼▼ ここから、本題の 形容詞go-toです ▼▼▼  



頼りになる

He is my go-to guy.
(私が頼りにしているのが彼です。)

異動前の引き継ぎ説明をしている、我が同僚の発言。

「彼に聞けば、確実に分かるから」
と本人が太鼓判を押す者なので、安心感がある。

自信と親しみを込めて、周囲に紹介できる相手

が “go-to” の人。

“a go-to guy” であれば、頼りになる仲間くらい。

さらに「大黒柱」「屋台骨」とも訳される。

くだけた言い振りだが、ビジネス場面でも使われる。

人を紹介するということは、自分の責任も
問われるもの。

しかも、その余波は長期に渡ることが多い。

とんでもない人を紹介して、自分の信用を
損ねるわけにいかない。

だから、分相応な相手を慎重に選ぶ。

形容詞 “go-to” を用いて紹介する場合、
その人に対する 特別な信頼 を示す。

皆様に堂々とご紹介できるお方
お人柄も能力も申し分ないです

こんな好意に満ちた響きが伝わるのが、
“my go-to guy” や “my go-to person”。

“a go-to guy” の役割面は、役所などの
ワンストップサービス」に近い。

つまり、その人に尋ねれば、不明点はなくなる。

次にどうすればよいか分かれば、大きな不安は
雲散霧消したりするから、本当に頼りになる。

◆  “go-to” は、形容詞 のみ。

初出は1985年なので、比較的新しい。(Merriam-Webster

プログラミング言語の “goto” と機能は似ている。

「この行・ラベルに即刻ジャンプ!」と実行順序
の変更を指示するコマンドだが、同様のイメージ。

何かあれば、この人まで直行!

それもそのはず、”go-to” の字面から推測できる
ように、動詞 “go” と前置詞 “to” がハイフンで
合体した複合形容詞(compound adjective)である。

  • 自動詞 “go“(行く)
  • 方向の前置詞 “to“(~へ)

で、形容詞 “go-to” は「〜へ行く」。

“a go-to person” ならば、読んで字のごとく
「~へ行く人」。

視点を逆転させると、自分が「行くべき人」。
すなわち、困った時に駆けつけるべき対象。

通常は人物中心だが、次の青字にあるよに、
組織やウェブサイトでもよい。

“go-to”

【発音】    ɡoʊˈtu
【音節】    go-to  (2音節)

上記2点の辞書は、個性的な語釈である。

英英辞書の典型解説は次の通り。

go-to

  • the go-to person is someone who people
    always ask for help with a particular problem,
    because of their great skill or knowledge.
    (LDOCE6、ロングマン)
  • relied on for expert knowledge or skill.
    Merriam-Webster

【発音】    ɡoʊˈtu
【音節】    go-to  (2音節)

熟練の技能(skills)または知識(knowledge
に基づく信頼。

それが、形容詞go-to

今回調べた8点の英英辞書には、”American English”、
“informal” と表記するものもあったが、それぞれ
半々くらいの割合。

語源的にも確立された説であれば、ほぼ一律に記載
される表示が “American English” と “informal”。

半数だから、そのレベルに至らないと考えてよい。

 

 

先に述べたように、飾る名詞は人物中心。

よく出るパターンは、可算名詞 “guy” につける “go-to guy“。
「タフガイ」の “guy” である。

【発音】    ɡaɪ   (1音節)

」「やつ」が定訳で、男性を指すのが一般的。

1605年に英国の国会議事堂を爆破しようとした、
首謀者 Guy Fawkes にちなむ成り立ちなので、男性が原則である。

複数形 “guys” の性別は無関係(gender-nutural)
男女または女性だけのグループにも、日常的に用いられる。

君たち」といった感じ。

敵対的な状況では、「あんたら」「お前ら」。

【発音】  ˌdʒen.dɚˈnuː.trəl


◆  片や、単数形の “guy” は、圧倒的に男性を指す。

  • a go-to guy
  • the go-to guy
  • my go-to guy

は、男性と考える方が自然。

女性であれば、同じく可算名詞の “person” を用いる。

実際のところ、”a go-to person”、”the go-to person”、
“my go-to person” は、ほとんど聞かない。

“go-to” と言えば、”guy” がぴったりなのは、
1985年の初出以来、主にこうして使われてきたため。

現実的に頼られる側は、まだまだ男性が多い。
無論、頼りがいのある優秀な女性がいないからではない。

女性の場合、”go-to” と表現してこなかっただけ。

「一家の大黒柱」ときたら、大勢がまず男性を思う。
それと重なる、従来からの風潮に他ならない。

  だいこくばしら【大黒柱】
2. ある集団の中心となり、それを支える働きを
している人。
(大辞林 第三版)

  やたいぼね【屋台骨】
2. 家庭や組織を支える〈人/もの〉。財産。
(三省堂国語辞典 第七版)

※  語釈の該当のみ引用

“He is the go-to guy for harassment issues.”
(ハラスメント問題では、彼こそ頼りになる。)

“He’s my father’s go-to guy on baseball.”
(野球のことになると、父は彼に頼っている。)

“He was the group’s go-to guy.”
(彼はそのグループの大黒柱であった。)

“Ken was the go-to politician for such matters.”
(そうした問題で、訪ねるべき政治家はケン。)

“She is my go-to attorney.”
(彼女は私の頼れる弁護士です。)

LDOCE is the go-to website for English words for me.”
(私にとって、英単語と言えば、LDOCEのサイトです。)

“She is our team’s go-to player.”
(彼女は我がチームの大黒柱です。)

“They are my go-to highlighters for books.”
(読書に欠かせない蛍光ペンです。)

“Mary is the go-to person for this matter.”
(この件については、メアリーがよくご存じです。)

 

【類似表現】

“You are in good hands.”
(後任者は頼りになる方です。)
(後任者に安心してお任せください。)

 

 

 

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