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What’s the use of – ?

      2022/06/30

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~ なんて、何の役に立つのか

” What is the use of –  ?  ”  の縮約形。

「 そんなものが、役立つわけない

これが発言者の本心で、 最初から結果ありき。

つまり、 反語的  に使う場合が多い。

通常、” irony ”  という。

【発音】  áiərəni
【音節】  i-ro-ny  (3音節)


より専門的には、 ” rhetorical question ” ( 修辞的疑問 )。

【発音】  ritɔ́rikəl
【音節】  rhe-tor-i-cal  (4音節)

 

さらに、専門的には、” enantiosis ”  ( 反語的表現法 )。

【発音】  enæ̀ntióusis
【音節】  en-an-ti-o-sis  (5音節)

専門家以外は、ほとんど接する機会のない名詞。

What’s the use ( of something ) “

spoken: used to say that something seems 
to be  a waste of time.

( ロングマン、LODCE6 )

※  spoken  =  口語体、話し言葉


反語

(1) 反対の意味の言葉。

(2) 言葉を逆さにしていうこと。  また、その言葉。

(3) 断定を強めるために、言いたい内容の肯定と否定
とを反対にし、かつ疑問の形にした表現。 

「 そんな事知るもんか 」 の類。

(4) 表現面と真に表したい事をわざと反対にし、しかも真意を
ほのめかす表現。
朝寝坊をした人に  「 早起きですね 」 という 類。

(5) 反切によって説明する語。

( 広辞苑 第七版 )

※  太字・ハイライトは引用者


強調のために反語を用いる表現が 「 反語法 」。

反語法 

強調のために  反語(3)を用いる表現方法。

( 広辞苑 第七版 )


◆  反語法の考え方の原則は、日英共通。

したがって、日本語で概念をおさらいすると、手早く把握できる。

上掲『 広辞苑 第七版 』( 2018年刊 )で全文を引用したものの、
やや物足りない。

日本最大の国語辞典 と名高い 『 日国 』 の指南を請おう

全14巻( 全13巻+別巻 )。

詳細な「 用例 」は、日本随一である。


(4) 表面でほめ、またはそしって、裏にある反対の意味
をさとらせるような表現。

(5) 断定を強めるため に、肯定の疑問 または否定の疑問の形で
問いかけ、当然の応答として 反対の結論を読者に要求 する表現。


『 語大辞典 第二版 』  第11巻、
p.27.  及び  p.32.
小学館 ( 2001年刊 )

※  太字・ハイライトは引用者


いずれも全文。

” What’s the use of –  ?  ” も、 「 断定を強めるため 」に、
肯定の疑問 」の形で問いかけ、「 反対の結論を読者に要求
する表現に他ならない。

◆  この表現のポイントとなるのが、
頻出の 3語ワンセット  ” the use of “。

公文書やニュースでもよく見聞きする。

use ”  には、他動詞・自動詞・名詞がある。

動詞と名詞では、発音が異なる。

  • 動詞  【発音】  júːz  (1音節)
  • 名詞  【発音】  júːs  (1音節)

語源は、ラテン語「 使用する 」( ūtī )。

この語源の意味合いが、” use ” の全品詞を貫く。

多義ではない。

名詞  ” use ” は、可算と不可算を兼ね、
基本は 「 不可算名詞 」の単数名詞。

  • 名詞  【発音】  júːs  (1音節)

単数名詞 」( singular noun )とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞

英英辞書では、 “ S ”  または  “ sing ”  と略記されたりする。

 

◆  ざっくり分けると、 名詞  ” use ”  は、

・  可算名詞  「 使用法 」 「 習慣 」
・  不可算名詞  「 使うこと 」 「 役に立つこと 」


先述の通り、
名詞  ” use ”  の基本は不可算の単数名詞
なので、「 使用法 」 と 「 習慣 」も、
不可算扱いされる場合がある。

ここでは、不可算名詞 「 使用 」。

主格関係の前置詞  ” of ” ( ~ の )を伴い、主な定訳は2つ。

  •  ~ の使用 ( 利用 )
  •  ~ の行使

” of ”  の直後に名詞 ( + 冠詞 ) が続くのが通例。

日本語では、 格助詞 「 の 」 の直前に名詞を置くのが基本。

使い方が相当似ており、理解しやすい。

英日とも、少々堅めの表現であるが、応用範囲は極めて広い。

「 ~ の使用( 利用 )」または「 ~ の行使 」と言いたい場面で、
あらかた使えるゆえに、実に便利である。

the use of something

the ability or right to use something.

( ロングマン、LDOCE6 )


基礎単語3語のみで構成されるフレーズなので、
堅めではあっても、 堅苦しさはない印象。

そのため、日常に用いても違和感はなく、
誤解なき分かりやすさが  “ the use of ” の強み。

◆  次の6例は、常日頃から、日本語でも見聞きするだろう。

  • the use of force
    ( 武力の行使 )
  • the use of  racial slurs
    人種差別表現の使用 )
  • the use of smart phones
    ( スマホの使用 )
  • the use of rental cars
    ( レンタカーの使用 )
  • the use of public transportation
    ( 公共交通機関の利用 )
  • the use of physical punishment
    ( 体罰の行使 )

  • The use of violence  is unacceptable for any reason. ”
    ( 暴力の行使は、いかなる理由でも許されない。)

 

◆  “ what’s ”  は、” what is ”、 ” what has ”、 ” what does
の省略形。

【発音】  hwʌts  (1音節)

ここでは、 “ what is ” ( 何がある )のみ該当。

  •  疑問代名詞   “ what “( なに )
  •  動詞   “ is ”( ある )     ※  be の三人称単数直説法現在形
  •  ” the use ”  ( 使用 )
  •  前置詞    ” of “( ~ の )     ※  主格関係の前置詞

直訳は「 ~ の使用に何がある 」。

疑問文のため、疑問符 「 」で閉じる。

◆  冒頭の通り、 反語法  に準じた表現で、
「 役に立つわけがない 」 が真意。

前出の ” LDOCE6 ” には、
” seems to be a waste of time ” ( 時間の無駄のよう )
とある。

よって、 ” It’s no use. ” ( 無用です ) とほぼ同義に。

そんな扱いなので、軽視の意を表す助詞 「 ~ なんて 」、
「 ~ なんか 」 を用いて意訳するケースが目立つ。

発言者の うんざり した気持ちが伝わってくる。

伴う感情や言い回しを含め、 全体的に日英共通の表現。

頻出の  ” the use of ” と併せて、 自ら使えるとよい。

I see no use for school.

ロボットに なるな !

  • “What’s the use of going to school ?
    (学校なんか行って、何の役に立つのか
  • “What’s the use of being number one ?
    (1位になることに、どんな意味があるか
  • “What’s the use of studying English ?
    (英語なんて勉強して、何の役に立つのか
  • “What’s the use of staying up all night ?
    (徹夜なんかして、何の役に立つのか
  • “What’s the use of crying ?
    (泣いてどうなる
  • “What’s the use of yelling at me ?
    (私にわめいてどうする
  • “What’s the use of a smartphone if you can’t use it ?
    (スマホを持っていても、使えなければ何の役に立つ


◆  マイナー用法として、 反語ではなく、 文字通り
「 何の役に立つのですか 」 の意味もある。

  • ” What’s the use of this phrase ? ”
    (このフレーズの用途は何でしょう

 

It’s no use crying over my bra.

俺のもんや !


▲  しょうもないストーリーとイラストを、 まともな英文で描写する本。

中山 (著)、 千野エー (イラスト)
飛鳥新社、 2016年刊
A6判、 192頁
<出版社HP>    <アマゾン>


巻末の索引( Index )は首尾一貫して、「 変態ワード 」 のオンパレード。

英日別にきめ細かく拾い上げて、 丹念に作り込む真剣な姿勢が素晴らしい。

例えば、 ふと目を引いた「 陰毛 」 は、” pubic hair ”  だとさ。

「 アンダーヘア 」 は和製語。

当該イラストのご案内は、 本稿では自粛せざるを得ないが、 関連例文はこちら。

  • ” I tried to burn my pubic hair,  but I made a big mess of it. ” ( p.98. )
  • ” I tripped over a long pubic hair and fell down. ” ( p.173. )

英文は自然だけれども、 イラストを確認するまでは、 どうも状況がつかめず。

例文すべて、 和訳付き。

【発音】  pjúːbik
【音節】  pu-bic  (2音節)

【発音】  hær
【音節】  hair  (1音節)

 

◆  こうなると、 試験に出ない日本語も、 ご紹介したくなってくる。

What’s the use of horny Japanese ?

際どい日本語入門 !


▲  どこまでも泥臭いくだらなさで、 まったくもって引けを取らない洋書。

Matt Fargo (著)

Ulysses Press、 2007年刊
ペーパーバック、 160頁
<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

全編英語であるとはいえ、 話の主題は日本語なので、 精神的負担は少なめ。

イラスト数は劣るが、 やたらと スケベ な要素は、 負けず劣らずいい勝負。

ヘボン式 のローマ字を採用している点は、” chimpo( ちんぽ )”  で自明。

ヘボン式では、” P ”  の前の 撥音「 ん 」は、 ” N ”  の代わりに  ” M ”
となるため、 ” chinpo ”  ではなく、 ” chimpo ”。

パスポートの表記は、 原則ヘボン式( the Hepburn system )。

ちなみに、 訓令式  のローマ字表記なら、 ” tinpo( ちんぽ )”。

【ヘボン式】  chimpo
【訓令式】  tinpo


この辺の話は、 ” integrity ”  でかなり事細かに取り上げたので、
ご参照いただければ幸い。

 

◆  ” Chimpo ” つながりで、 蛇足を添えると、 イギリス王室の
ハリー王子( 1984- ) の2022年現在の肩書きが、 ” CHIMPO “。

米コーチング専門企業  ” BetterUp ”  における王子の職務である、
Chief  Impact  Officer  “( 最高インパクト責任者 ) の略称。


2020年の公務引退 ・ 王室離脱後、 異国で暮らす王子様。

知るや知らずや、 海外メディアによって、 大層ご立派な ” CHIMPO ”
として、 世に喧伝されている。

「 役職 : ちんぽ 」 って  …

なんだか、 かわいそう。

生き生きとご活躍中の、精力旺盛な 「 CHIMPO 王子 」
のお姿を拝見するたびに、 ついつい笑ってしまうわ。


【参考】    ※  外部サイト

ハリー王子夫妻を見限った英王室の苦しい事情
米企業の 「 CHIMPO 」 をやるしかない

https://president.jp/articles/-/45635
2021年5月1日付


◆  我らの日本語を、 こんな風に学ばれたら悲しくもなる。

【発音】  hɔ́ːni
【音節】  horn-y  (2音節)


まあ、 お互い様か。

両書籍とも、 読むに堪えないエロまみれ。

神経質な方々にはおすすめしません。

 

【関連表現】  ※  反語的

 

 

 

 

 

 

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