そんなこともある。こんなこともある。
“Things happen.” は、
<2語完結> の決まり文句。
この2語で、
「そんなこともある」または
「こんなこともある」。
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公私問わず、トラブル発生後によく出てくる言葉。
起きてしまったことは、しかたがない
誰のせいでもないよ
こんなこともあるのが人生さ
概ねこんな流れで使われる。
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◆ “thing” は名詞のみ。
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だが多義である。
基本的意味は「物」「物事」。
【発音】 θíŋ
→ “th”(θ) の発音は、”smooth out” 参照
語源は、古英語「集会」「会うこと」(thing)。
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日本語の「物事」と同様、
抽象的・総称的な意味合いがある。
この用法では複数形 “things” が常。
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【関連表現】
- “Sort things out”
https://mickeyweb.info/archives/1464
(解決する。対処する。けりをつける。)
ー - “Talk things out”
https://mickeyweb.info/archives/5615
(徹底的に話し合う)
ー - “work things out”
https://mickeyweb.info/archives/9698
(問題を解決する)
ー - “get things going”
https://mickeyweb.info/archives/10469
(事を進める)
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◆ “thing” の類似語 “stuff” で置き換えた言い回しがこちら。
- “Stuff happens.“
(そんなこともある。こんなこともある。)
“stuff” には、名詞と他動詞がある。
名詞は不可算名詞で、複数でも “stuff” が原則 。
【発音】 stʌ́f
語源は、古フランス語「物質」「食料」(estoffe)。
“material” に比べて口語的。
– 名詞「物質」「材料」「食料」「物」「織物」
– 他動詞「詰め込む」「ふさぐ」「腹いっぱい食べさせる」
キャンプに持っていく「スタッフバッグ」は、
ぎっしり詰め込むバッグだから “stuff bag”。
従業員のスタッフは “staff”( stǽf )で別単語。
“Stuff happens.” の “stuff” は、複数形 “things” と同義。
つまり、「物」「物事」。
“stuff” は不可算名詞なので、動詞 “happen” には “s”
(三人称単数現在形語尾)がつく。
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◆ “happen” は自動詞のみ。
ー
基本的意味は、「(偶然)起こる」「偶然~する」。
よって、直訳は「物事は起こる」。
◆ 上述の通り、ここでの “things” は 総称的。
ー
今回のトラブルを取り立てて指していない
点がポイント。
今回の件も含め、
「(現実には)こんなこともある」
と 一般化している。
客観的な視点である。
そのため、トラブルを起こした側が用いると、
相手を怒らせる場合がある。
ー
客観的であるがゆえに、当事者意識に欠けた、
責任回避の言い逃れの感があるからである。
一方、被害者側や第三者・指導者が使うと、
思いやりのある慰めとなる。
- あなたのせいでない
- たまたま起こってしまった
こうしたメッセージを含むからである。
◆ 発言者を問わず、”Things happen.”
を貫くのは諦観・諦念。
ー
すなわち、執着を排する態度である。
- 起きてしまったことは、しかたがない
- いろいろあるのが人生
怒りや焦燥などのネガティブ感情から、
当事者を解放する効果がある。
ー
【関連表現】
- “Things change.”
https://mickeyweb.info/archives/3326
(事情は変わる。)
◆ 日本語でも、きっとそうだろう。
ー
「こんなこともある」と誰かが沈着に言えば、
場の雰囲気が変わったりする。
繰り返すが、問題を引き起こした本人が不用意に
口にすると、火に油を注ぐ結果になりねない。
- “He threw up all over the place.”
“Things happen.”
(あいつ、そこら中にゲロしやがった。)
(そんなこともあるさ。)
ー - “She just took it out on me.”
“Things happen.”
(彼女ったら、私に八つ当たりばかり。)
(そんな時もあるわよ。)
ー - “That university wait-listed me.”
“Things happen.”
(あの大学は補欠合格だった。)
(そういうこともあるよ。)
この3例からも、他人事の無関心さが漂う。
それゆえ、使用場面を間違えると、逆効果になる。
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【関連表現】–※ 現実との折り合い
“life’s lesson”
https://mickeyweb.info/archives/778
(人生の教訓)
“The truth hurts.”
https://mickeyweb.info/archives/2061
(真実とはつらいもの。)
“What goes around comes around.”
https://mickeyweb.info/archives/1038
(因果応報。因果は巡る。)
“It’s always darkest before the dawn.”
https://mickeyweb.info/archives/1963
(夜明け前が最も暗い。)
“rock bottom”
https://mickeyweb.info/archives/10672
(どん底)
“It is what it is.”
https://mickeyweb.info/archives/3877
(それが現実の姿です。)
“I can live with that.”
https://mickeyweb.info/archives/1872
(それで構いません。)
“at peace with”
https://mickeyweb.info/archives/9300
(心穏やかでいる、平和でいる)
“fact of life”
https://mickeyweb.info/archives/10864
(人生の真実、現実)
“My time is up.”
https://mickeyweb.info/archives/11257
(私の時代は終わった。)
”Life goes on.”
(それでも人生は続く)