Fact of life
2020/01/05
人生の真実、現実
厳しい現実を前に、
「これが現実」
「これが人生」
と言う際の決まり文句。
しょっちゅう見聞きするため、偉そうな印象を与えにくい
利点がある。
文面でも口頭でも使う。
◆ “fact” は名詞のみの単語で、
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
主に可算名詞として使われる。
ここでも可算名詞。
よって、単数形 “fact” なら、冠詞 “a” がつく。
複数形 “facts” は、無冠詞が多い。
“fact” の語源は、ラテン語「なされたこと」
(factum)。
基本的意味は、
「事実」「真実」「現実」。
どれも実際に「なされたこと」だから、
語源通りの意味ばかりで分かりやすい。
◆ “life” も名詞のみで、同じく
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
“fact” と異なり、可算も不可算も
多用される。
ここでは、不可算名詞「人生」。
可算名詞 “fact”(真実)+
前置詞 “of”(~の)+
不可算名詞 “life”(人生)
直訳そのままの表現で、
理解は難しくないだろう。
◆ 押さえておきたいのは、
(1)”a fact of life”
(2)”the fact of life”
の違い。
日常的な「人生の真実」で用いる際は、
単数なら “a”、複数なら冠詞なしが一般的。
特に強調したい時には、”the” 入りもありうる。
◆ しかし、通常 “the” を付ける用途がある。
<生殖行為>の婉曲表現 である。
英語圏でも、小学校低学年までは、
「雄しべと雌しべ」(stamens and pistil)
で教える学校が多いようだ。
通常、雄しべは複数、雌しべは単数
だが、高学年くらいになれば、
“the fact of life” を正式に教える必要性
が高まるのは、自然の数。
先生や親を大いに悩ます、
<永遠の課題>のひとつである。
◆ どちらも「人生の真実」に違いないが、
内容は次の通りだいぶ異なる。
(1)“a fact of life”(複数形:facts of life)
an unpleasant situation that exists and
that must be accepted.
(2)“the fact of life”
the details about sex and how babies are born.
(ロングマン、LDOCE6)
(2)は、遠回しな言い回しであるがゆえ、
文脈から読み取ることは容易でない。
ビジネスにはほぼ出てこないが、
生殖行為の代表的な婉曲表現であることを、
予め意味を知っておくとよいだろう。
“It’s so challenging for me to tell my kids
the fact of life.”
(子どもたちへの性教育は、本当に大変だわ。)
“I learned the fact of life when I was nine.”
(赤ちゃんがどうやってできるか、9歳で知った。)
◆ 繰り返すが、原則は(1)。
“We must accept a fact of life.”
(現実を受け入れなければならない。)
“Diversity is a fact of life these days.”
(今日では多様性は現実である。)
“Tolerating racial slurs was a fact of life then.”
(人種的な中傷に耐えることは、当時の現実だった。)
【関連表現】 ※ 現実との折り合い
“life’s lesson”
https://mickeyweb.info/archives/778
(人生の教訓)
“The truth hurts.”
https://mickeyweb.info/archives/2061
(真実とはつらいもの。)
“Things change.”
https://mickeyweb.info/archives/3326
(事情は変わる。)
“Things happen.”
https://mickeyweb.info/archives/9323
(こんなこともある。)
“What goes around comes around.”
https://mickeyweb.info/archives/1038
(因果応報。因果は巡る。)
“It’s always darkest before the dawn.”
https://mickeyweb.info/archives/1963
(夜明け前が最も暗い。)
“rock bottom”
https://mickeyweb.info/archives/10672
(どん底)
“It is what it is.”
https://mickeyweb.info/archives/3877
(それが現実の姿です。)
“I can live with that.”
https://mickeyweb.info/archives/1872
(それで構いません。)
“at peace with”
https://mickeyweb.info/archives/9300
(心穏やかでいる、平和でいる)
“My time is up.”
https://mickeyweb.info/archives/11257
(私の時代は終わった。)
”Life goes on.”
(それでも人生は続く)