プロ翻訳者の単語帳

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Things happen.

      2019/10/21

そんなこともある。こんなこともある。

“Things happen.” は、
<2語完結> の決まり文句。

この2語で、
「そんなこともある」または
「こんなこともある」。

公私問わず、トラブル発生後によく出てくる言葉。

起きてしまったことは、しかたがない
誰のせいでもないよ
こんなこともあるのが人生さ

概ねこんな流れで使われる。

◆ “thing” は名詞のみ。

だが多義である。
基本的意味は「物」「物事」。

【発音】 θíŋ
→  “th”(θ) の発音は、”smooth out” 参照

語源は、古英語「集会」「会うこと」(thing)。

日本語の「物事」と同様、
抽象的・総称的な意味合いがある。
この用法では複数形 “things” が常。

【関連表現】


◆ “thing” の類似語 “stuff” で置き換えた言い回しがこちら。

  • Stuff happens.
    (そんなこともある。こんなこともある。)

“stuff” には、名詞と他動詞がある。
名詞は不可算名詞で、複数でも “stuff” が原則 。

【発音】 stʌ́f

語源は、古フランス語「物質」「食料」(estoffe)。
“material” に比べて口語的。

– 名詞「物質」「材料」「食料」「物」「織物」
– 他動詞「詰め込む」「ふさぐ」「腹いっぱい食べさせる」

キャンプに持っていく「スタッフバッグ」は、
ぎっしり詰め込むバッグだから “stuff bag”。

従業員のスタッフは “staff”( stǽf )で別単語。

“Stuff happens.” の “stuff” は、複数形 “things” と同義。
つまり、「物」「物事」。

“stuff” は不可算名詞なので、動詞 “happen” には “s”
(三人称単数現在形語尾)がつく。


◆ “happen” は自動詞のみ。

基本的意味は、「(偶然)起こる」「偶然~する」。

よって、直訳は物事は起こる

 

◆ 上述の通り、ここでの “things” は 総称的

今回のトラブルを取り立てて指していない
点がポイント。

今回の件も含め、

「(現実には)こんなこともある」

一般化している。

客観的な視点である。

そのため、トラブルを起こした側が用いると、
相手を怒らせる場合がある。

客観的であるがゆえに、当事者意識に欠けた、
責任回避の言い逃れの感があるからである。

一方、被害者側や第三者・指導者が使うと、
思いやりのある慰めとなる。

  • あなたのせいでない
  • たまたま起こってしまった

こうしたメッセージを含むからである。

 

◆ 発言者を問わず、”Things happen.”
を貫くのは諦観・諦念

すなわち、執着を排する態度である。

  • 起きてしまったことは、しかたがない
  • いろいろあるのが人生

怒りや焦燥などのネガティブ感情から、
当事者を解放する効果がある。

【関連表現】

 

◆ 日本語でも、きっとそうだろう。

「こんなこともある」と誰かが沈着に言えば、
場の雰囲気が変わったりする。

繰り返すが、問題を引き起こした本人が不用意に
口にすると、火に油を注ぐ結果になりねない。

  • “He threw up all over the place.”
    “Things happen.”
    (あいつ、そこら中にゲロしやがった。)
    (そんなこともあるさ。)
  • “She just took it out on me.”
    “Things happen.”
    (彼女ったら、私に八つ当たりばかり。)
    (そんな時もあるわよ。)
  • “That university wait-listed me.”
    “Things happen.”
    (あの大学は補欠合格だった。)
    (そういうこともあるよ。)

この3例からも、他人事の無関心さが漂う。
それゆえ、使用場面を間違えると、逆効果になる。

【関連表現】※ 現実との折り合い

“life’s lesson”
https://mickeyweb.info/archives/778
(人生の教訓)

“The truth hurts.”
https://mickeyweb.info/archives/2061
(真実とはつらいもの。)

“What goes around comes around.”
https://mickeyweb.info/archives/1038
(因果応報。因果は巡る。)

“It’s always darkest before the dawn.”
https://mickeyweb.info/archives/1963
(夜明け前が最も暗い。)

“rock bottom”
https://mickeyweb.info/archives/10672
(どん底)

“It is what it is.”
https://mickeyweb.info/archives/3877
(それが現実の姿です。)

“I can live with that.”
https://mickeyweb.info/archives/1872
(それで構いません。)

“at peace with”
https://mickeyweb.info/archives/9300
(心穏やかでいる、平和でいる)

“fact of life”
https://mickeyweb.info/archives/10864
(人生の真実、現実)

“My time is up.”
https://mickeyweb.info/archives/11257
(私の時代は終わった。)

”Life goes on.”
(それでも人生は続く)

 

 

 

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