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Legitimate

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合法の 

頻出ではないものの、いざ出てきた際は、
文脈 上キーワードになる単語というものが存在する。

しかも、 字面から意味を推測しにくい厄介な語。

【例】
innuendosnapboozeexonerate
hiatuslambastewooequivocal

このような単語は、 事前に知らなければお手上げである。

キーワードを把握できないので、 中身の理解も怪しくなる。

弊サイトでは、 こうした表現を 優先的 にご紹介している。

◆  LDOCE6( ロングマン )の表記によれば、英単語全体に
おける ” legitimate ”  の位置づけは次の通り。

これは、形容詞としての  ” legitimate “。

その他の品詞に、 他動詞と名詞があるが、 両方ともランク外。

つまり、” legitimate ”   の 本領は形容詞 にある。

–  形容詞 「 合法の 」「 正当な 」「 本物の 」「 嫡出の 」
–  他動詞 「 合法と認める 」「 嫡出と認める 」
–  名詞 「 嫡出と認められる人 」「 合法的なもの 」    ※  可算名詞

語源は、ラテン語 「 合法化する 」 の過去分詞( lēgitimātus )。

【 発音 】 形容詞  と  動詞  では 異なる

上記の基本的意味は、 どれも語源から想定できる意味合い。

多義ではないので、 こちらを押さえれば十分である。

 

◆  形容詞・名詞の省略形が、 ” legit “。

「 合法的 」 な内容を表す口語として、 日常的に目立つ印象。

「 4音節 」 に比べて、 「 2音節 」の方が言いやすいのは、
英語ネイティブも一緒らしい。

” legit ”  が重宝される理由であろう。

音節」( syllable、シラブル )とは、 発音の最小単位。

日本語の場合、 原則として 「 仮名一字が1音節 」。

そのため、 音節を意識する機会は乏しい。

「 音節 」 の日英比較は、 ” integrity ”  で事細かに取り上げた。
( 図入り )


ごうほう【合法】

法令または規範にかなっていること。適法。
↔  違法
↔  非合法

( 広辞苑 第七版 )

  ちゃくしゅつ【嫡出】

名詞
法律上の婚姻関係にある女(嫡妻)から生まれること。
また、その生まれた子。てきしゅつ。
↔  庶出

( 精選版 日本国語大辞典 )


3大学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の解説もシンプル。

「 合法 」「 正当 」「 嫡出 」 の3要素が一致する。


” legitimate “


■  adjective
1.  fair or reasonable.
2.  acceptable or allowed by law.
3.  a legitimate child is born to parents who are
legally married to each other.

OPPOSITE:  illegitimate

verb  [transitive]
the usual American form of legitimize.

( LDOCE6、ロングマン )


■  adjective
1.  for which there is a fair and acceptable reason.
SYNONYM:  valid, justifiable
2.  allowed and acceptable according to the law.
SYNONYM:  legal
3.  (of a child) born when its parents are legally
married to each other.
OPPOSITE:  illegitimate

( OALD9、オックスフォード )


■  adjective
1.  allowed by law.
2.  reasonable and acceptable.
A legitimate child is one whose parents are legally married
at the time of his or her birth.

verb [transitive]
to make something legal or acceptable.

( CALD4、ケンブリッジ )


以上の語釈から見当がつくように、 ” legitimate ”  は法律用語でもある。

有力な英米法辞典 『 ブラックス法律辞典 』 は、 次の通り。

本稿初稿 ( 2018年7月17日 ) 時点の最新版 「 第10版 」 は、


Black’s Law Dictionary,  10th Edition
p. 1040.  (Thomson Reuters 2014).


次いで、 5年後の2019年に発行された 「 第11版 」 は、



Black’s Law Dictionary, 11th Edition ”
p. 1084.  (Thomson Reuters 2019).


どちらも  ” legitimate ”  の全文である。

両版の文面は、 一言一句一致している。

1891年に発刊され、 130年以上の歴史を誇る。

判例などに最も引用される辞典である。

英米法を学ぶ学生で、 知らない者は皆無レベルの 存在感

この辞典も、 先の3大EFL辞典と同一の3要素を示す。

すなわち、「 合法 」 「 正当 」 「 嫡出 」。

” legitimate ”  が多義でないことを裏づけている。

また、 OALD9と等しく、 形容詞のみを示し、  他動詞は省略する

既述のように、 ” legitimate ”  は形容詞が主。

形容詞をきちんと学んでおけば、 動詞の意味は推測が利く。

◆  では、 今月2018年7月発表の記事見出しを見ていこう。

一読して、 3要素のどれに該当するか読み取れるだろうか。

合 法 ?

 


▲  詐欺師が運営するサポセン

( 2024年7月 )

【参考】    ※  YouTube

インドにある詐欺サポセンの在処を追い詰めていく英語ドキュメンタリー。

 

 

◆  めぼしい 「 嫡出 」 は、 今月2018年7月発表分には見当たらなかった。

では、「 合法 」 か 「 正当 」 か 「 本物 」 か。

本文を読まない限り、 よく分からないものも10文には含まれる。

見出しで大切なことは、 実は3つの細かな区別でない。

見出しに目を通す段階では、 そんなことは大した問題ではない。

もとより 「 合法 」「 正当 」「 本物 」 の意味合いに大きな矛盾はない。

” legitimate ” を目にし、 内容が 「 違法 」「 不正 」 ではない点を
その場で察知できれば、 見出し段階では間に合う。

さらに詳しく知りたければ、 本文へ読み進めばよいだけ。

その必要性の大まかな判断のために、 見出しは存在する。

【参照】   「 Gmail 」で作る単語帳

◇  「 見出し 」 英語の解説は、 ここが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語

 

 

 

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