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Lambaste

      2018/07/19

酷評する、非難する

報道中心に使われる他動詞である。
(”mainly journalism” マクミラン)
“lambast”(”e” 抜き) とつづることもある。

特に、政治・経済の記事に顔を出す。

頻出には至らないが、字面から意味を推測しにくい。
さらに、英和辞典では軽視(後述)されているよう
なので、本稿でご紹介したい。

◆ 主要な英和辞典には、
【話】= 話し言葉
【口】= 口語
【略式】=くだけた書き言葉・話し言葉

のいずれかが記載されている。

例えば、
・『ジーニアス英和大辞典
・『リーダーズ英和辞典 第3版
・『ランダムハウス英和大辞典 第2版
・『研究社 新英和大辞典 第6版

◆ ところが、2大学習英英辞典(EFL辞典)には、
“formal” (正式、堅い書き言葉・話し言葉)
とある。

formal: to criticize someone or something
very strongly, usually in
public.

(ロングマン、LDOCE6)

formal: to attack or criticize somebody
very severely, especially
in public.
(オックスフォード、OALD9)

このように、英和と英英とで “speech level”
(発話レベル)が、ほぼ<真逆>になっている。

※ 3大EFL辞典のひとつ、ケンブリッジ(CALD4)
には、発話レベルの記載なし

◆ 英語圏のオンライン英英辞書も調べてみた。

ケンブリッジ(CALD)
コウビルド(COBUILD)
マクミラン(MEDAL)
メリアム ウェブスター

このうち唯一、発話レベルが記載されていた
コウビルドには、やはり “formal” とある。

本家である以上、英英辞典に軍配が上がる。
錚々たる英和辞典とはいえ、少々<難あり>
と考えられる。

それを補うには、英英辞典が役立つ
【参照】弊サイトがお勧めする EFL辞典 の選び方

◆ “lambaste”(発音:læmˈbæst) は、
他動詞のみの単語。

多義でなく、「酷評する」「非難する」が中心。
同義語の代表は “criticize“。

英和辞典には、「殴る」「鞭打つ」も一律に併記
されている。

“lam”(自動詞・他動詞)と “baste”(他動詞)が、
ともに「殴る」を意味し、これが合体したからである。
語源は、古ノルド語。

だが、”lambaste” の日常用法では、これらは
ほとんど見かけない。

言葉を用いて、こてんぱんに殴る
のイメージなら、ぴったり合う。

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実際には、この図で十分だろう

◆ 2017年のニュースから、”lambaste” を見てみよう。

  • “The White House has lambasted the media.”
    (ホワイトハウスはメディアを非難した。)
  • “The president was lambasted by critics.”
    (大統領は批評家たちに酷評された。)
  • “He lambasted his critics in a speech.”
    (彼はスピーチで反対派を非難した。)
  • “She is lambasting the Administration.”
    (彼女は政府を非難している。)
  • “Lawmakers lambasted the president.”
    (議員たちは大統領を非難した。)

    ※「酷評」か「非難」かは、不詳

「英和辞典では軽視」と前述した理由は、
“lambaste” の取り扱い全般が、英英辞典
からずれている感がするためである。

何十年も英語学習を続けていると、
こういう事態に遭遇することもある。

<学習の面白み>と私は考えている。


【類似表現】
“slam“
https://mickeyweb.info/archives/14790
(激しく非難する)

“point the finger”
https://mickeyweb.info/archives/22974
(公然と非難する、責める、名指しする)

“lash out”
https://mickeyweb.info/archives/25403
(食ってかかる、激しく非難する)

 

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