Lambaste
2022/09/05
酷評する、非難する
報道中心に使われる 他動詞である。
(”mainly journalism” マクミラン)
“lambast”(”e” 抜き) とつづることもある。
【発音】 læmˈbæst
【音節】 lam-baste (2音節)
後半の第2音節に強勢(アクセント)を置く。
スペルも発音もユニークだから、覚えたら忘れにくいはず。
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◆ 特に、政治・経済の記事に顔を出す。
頻出には至らないが、字面からは意味を推測しがたい。
さらに、英和辞典では軽視(後述)されているよう
なので、本稿でご紹介したい。
◆ 主要な英和辞典の “lambaste” には、
【話】= 話し言葉
【口】= 口語
【略式】=くだけた書き言葉・話し言葉
のいずれかが記載されている。
例えば、
・『ジーニアス英和大辞典』
・『リーダーズ英和辞典 第3版』
・『ランダムハウス英和大辞典 第2版』
・『研究社 新英和大辞典 第6版』
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◆ ところが、2大学習英英辞典(EFL辞典)には、
“formal” (正式、堅い書き言葉・話し言葉)
とある。
formal: to criticize someone or something
very strongly, usually in public.
(ロングマン、LDOCE6)
formal: to attack or criticize somebody
very severely, especially in public.
(オックスフォード、OALD9)
このように、英和と英英とで “speech level”
(発話レベル)が、ほぼ<真逆>になっている。
※ 3大EFL辞典のひとつ、ケンブリッジ(CALD4)
には、発話レベルの記載なし
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◆ 英語圏のオンライン英英辞書も調べてみた。
・ケンブリッジ(CALD)
・コウビルド(COBUILD)
・マクミラン(MEDAL)
・メリアム ウェブスター
このうち唯一、発話レベルが記載されていた
コウビルドには、やはり “formal” とある。
本家である以上、英英辞典に軍配が上がる。
錚々たる英和辞典とはいえ、少々<難あり>
と考えられる。
それを補うには、英英辞典が役立つ。
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◆ “lambaste” は、他動詞のみ。
【発音】 læmˈbæst
【音節】 lam-baste (2音節)
多義でなく、「酷評する」「非難する」が中心。
同義語の代表は “criticize“。
英和辞典には、「殴る」「鞭打つ」も一律に併記
されている。
“lam”(自動詞・他動詞)と “baste”(他動詞)が、
ともに「殴る」を意味し、これが合体したからである。
語源は、古ノルド語。
だが、”lambaste” の日常用法では、これらは
ほとんど見かけない印象。
もし、
「言葉を用いて こてんぱんに 殴る」
こうしたイメージなら、ぴったり合う。
実際には、この図で十分だろう
【発音】 læmˈbæst 【音節】 lam-baste (2音節)
◆ 今年2017年のニュースから、”lambaste” を見ていこう。
- “The White House has lambasted the media.”
(ホワイトハウスはメディアを非難した。)
– - “The president was lambasted by critics.”
(大統領は批評家たちに酷評された。)
– - “He lambasted his critics in a speech.”
(彼はスピーチで反対派を非難した。)
– - “She is lambasting the Administration.”
(彼女は政府を非難している。)
– - “Lawmakers lambasted the president.”
(議員たちは大統領を非難した。)
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※ 見出しだけでは「酷評」か「非難」か不詳
◆ 「 英和辞典では軽視 」と前述した理由は、
” lambaste ” の取り扱い全般が、 英英辞典から
若干ずれている感がするため。
何十年も英語学習を続けていると、
こういう事態に遭遇することもある。
< 学習の面白み >と私は考えている。
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【類似表現】
“ slam “
https://mickeyweb.info/archives/14790
( 激しく非難する )
” point the finger ”
https://mickeyweb.info/archives/22974
( 公然と非難する、 責める、 名指しする )
” lash out ”
https://mickeyweb.info/archives/25403
( 食ってかかる、 激しく非難する )