プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Hiatus

      2020/10/24

中断、 休止

特に重要でも頻出でもないが、
ニュースには普通に出てくる。

前もって知らなければ、読んでも聞いても
理解不能な単語 “hiatus”。

字面を見てもヒントは得られず、
どんな発音かすら分からない。

つまり、推測の手がかりは少ない。

したがって、学習しておかない限り、
音声で聞き取るのは、ほぼ不可能。

すっと流れてしまい、単語の存在自体を
認識できない。

耳でとらえられないため、ニュースで
“hiatus” が使われたことさえ気づかない。

「今の単語って、どういう意味?」
と自覚しにくいのが、”hiatus”。

こんな曲者の割に、中身は比較的単純。

一度学べば、あとは楽ちん。

だから、ここで身につけてしまおう。

◆  まず、発音から。(クリックで発音)

  haiéitəs    ハィエイタス  

【音節】  hi – a – tus   (3音節)

音の強弱が顕著で、日本語から程遠い。

「3音節」で、真ん中の「第2音節」に強勢(アクセント)。

「音節」(syllable、シラブル)とは、発音の最小単位のこと。

ハィえいタス

「えいっ!」と拳を突き上げ、反復練習するとよい。

これは、冗談ではない

私自身、全身を用いて修得するのが常。

職場でも、構わずやっている。

★★  語学の基本は「真似」★★

とりわけ発音」は、恥ずかしがらずに、
幼児のように無邪気に真似
ことが大切。

たんと間違って、ちょっと利口になって、の繰り返し。

恥をかくのは、当たり前。

その方が、記憶に残り、成長できる。

◇  分の口から 出してなんぼの世界

聞いてるだけでは無理。

きゃっきゃっと童心に戻れる大人は、総じて発音の向上が早い。

40年以上、各国の英語学習者と接してきて、断言したくなる。
知らない言葉を口にするのを楽しんでいる様子で、皆うれしそう。

でかい幼児 …

とにかく、五官と五感の活用は相当効果があると感じる。

これが「語学」本来の姿なのである。

【参照】   “「Gmail」で作る単語帳 ”

我が国特有の致し方ない事情により、しんどい「勉強」
として根付いた有様の英語教育は、あまりに惜しすぎる。

【参照】   “conclusive

◆  “the HIATUS” という日本のロックバンドがある。

2009年結成。 メディアにはほとんど出てこないが、
ライブやフェスで活躍中。

グループ名は「ザ  ハイエイタス」と読む。
だが、このままでは英語ネイティブに通じない。

英語の発音は、haiéitəs

「3音節」で、hi – a – tus

第2音節に、強いアクセント。

何度も「えいっ!」と練習すれば、1日で身につく。

ハィえいタス!

ハィえいタス!

ハィえいタス!

 

◆  “hiatus” は、可算名詞のみ。

語源は、ラテン語「すき間」(hiātus)。

語源の意味合いをそのまま引き継ぐのが、
次の基本的意味。

  • すき間
  • とぎれ
  • 中断
  • 休止

さらに、

  • 脱文
  • 脱字

その他、専門用語として、

  •  文法母音接続
    母音が隣接している状態。  ヒアートゥス
  •  解剖裂孔
    れっこう。 細胞組織にできた穴や裂け目。

どの意味も、語源「すき間」から、どうにか
イメージできる範囲内にある。

こう考えると、多義ではない。

少なくとも、日常的に多用される上記青字は、
語源「すき間」に近い。

 

◆  多用されるとはいえ、冒頭の通り、重要でも頻出でもない。

ロングマン(LDOCE6)の重要度・頻出度の指標ではランク外。

  •  重要度:9000語圏外
  •  書き言葉の頻出度:3000語圏外
  •  話し言葉の頻出度:3000語圏外

それでも取り上げる理由は、先述の特色のためである。

すなわち、名詞 “hiatus” は、

1.   ニュースに通年出てくる
→ ただし、頻出に至らない

2.  読んでも聞いても、意味を推測しにくい
→ 学習しない限り、よく分からない

3.  独特な発音のため、単語認識が困難
→ 聞き取れず、完全にスルーしがち

多義でない点は、3大学習英英辞典(EFL辞典)
の語釈からも明らか。

”hiatus”

  • ロングマン(LDOCE6)
    [countable usually singular]
    1. formal
    a break in an activity, or a time during
    which something does not happen or exist.2. technical
    a space where something is missing,
    especially in a piece of writing.
  • オックスフォード(OALD9)
    [singular] formal
    1. a pause in activity when noting happens.
    2. a space, especially in a piece of writing
    or in a speech, where something is missing.
  • ケンブリッジ(CALD4)
    [C usually singular] formal
    a short pause in which nothing happens
    or is said, or a space where something
    is missing.

    【発音】   haiéitəs 
    【音節】   hi a – tus   (3音節)

※  下線は引用者

OALD9とCALD4の解説は酷似する。
下線部はキーワード。  上掲青字にも呼応する。

すべて “singular” とある。
単数名詞」(singular noun)を示し、
単数形で使われるのが一般的な名詞

さらに、3冊とも “formal” とある。
堅めで正式な言い回しを指す。

なんだかつかみどころのない印象。
そんな感じを抱くが、いかがであろうか。

 

◆  こういう単語の場合、意味をささっと学んだ後、
すぐに実例を見ていくと、記憶に残りやすい。

ひと休み

  • “I wanted to take a break.
    Now, I’m on a writing hiatus.”
    (ひと休みしたかったのです。
    現在、書くことを休止中です。)
  • “After a two-month hiatus, he
    resumed work as a writer.”
    (2ヶ月間の休止後、彼は作家活動を再開した。)
  • “My favorite TV show is on hiatus.”
    (好きなTV番組が途切れています。)
  • “I’m on a Facebook hiatus.”
    (フェイスブックは休んでいるの。)
  • “I went on hiatus because I almost
    burned out.”
    (燃え尽きそうになったので、ひと休みしました。)
  • “There was a brief hiatus in the seminar.”
    (そのセミナーには、短い中断期間がありました。)
  • “I will go on a social media hiatus.”
    (SNSは休止しようと思います。)

 

◆  “on leave” や “on vacation“(休暇中)と同じく、
状態の前置詞 “on” を伴うのが最多パターン。

“on” の直後に続く場合は無冠詞となる点も同じ。
on tour” や “on diet” にも共通する。

この用法の “hiatus”、”leave”、”vacation” は、
いずれも可算名詞なので冠詞がつくはずなのに、
冠詞なしの単数形が原則。

その理由を文法面から説明する確実な資料が、
なかなか見つからない。  困る。

  主な通説は2つ。

一言でいえば <習慣的表現>。

1)  フレーズとして「2語ワンセット」で定着済み
→   “on a diet” でも可だが、無冠詞の方が一般的

2)  フレーズ全体で「機能」として作用
→   “by mistake”、”by bus”、”by telephone”
など、手段理由 の前置詞 ” by ” と似ている

本家の英語サイトでも、この程度の解説ばかり。

やはり、日本語を母語とする英語教師は必須 なのだ。

【参照】   “Please be aware that –

一方、”on” と “hiatus” の間に、名詞や形容詞
が入る場合は、可算名詞の原則に戻り、冠詞がつく。

ご紹介した例文でも、そうなっている。

◆  英語の冠詞は、日本語ネイティブにとって「例外」だらけで厄介。

初学者・初級者は、決して時間をかけすぎてはならないと考える。

この段階で、必要以上に深入りすると、「英語嫌い」になりがち。

やたらと目立つ「例外」の数々に戸惑い、頭が混乱してしまうから。

そのため、中級以上の実力に達してから、舞い戻ってくるとよい。

【参照】   “英文法の参考書

そもそも「冠詞」「時制」「前置詞」などは、
初級レベルで真に理解するには無理がある。

英語の「全体像」がうっすら見え始めた中級学習者が、
ようやく把握できるようになってくる性質のもの。

冠詞が苦手なのは、日本人学習者に限らない。

 

 

 

 

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