意識を高める
社会問題などへの意識・認識を高める時に使う常套句。
啓蒙 ( けいもう ) 活動を推進する際の < 2語ワンセット >。
※ 「 啓蒙 」 は差別的 → 後述
「 啓蒙活動 」 とは、 特定の問題を人々に周知する宣伝活動
のことで、 ” campaign “( キャンペーン )とも言う。
【発音】 kæmpéin
【音節】 cam-paign (2音節)
語源は、 ラテン語「 野原 」( campus )。
–
–
野原 → 戦場 → 戦い → ( 政治的・社会的 ) 活動
–
『 ジーニアス英和大辞典 』
大修館書店、2001年刊 ( ロゴヴィスタ アプリ版 )
… “ campaign ” の語釈より
<大修館書店HP>
–
近頃は、 難解で差別的な「 啓蒙 」 ( = 無知の人を教え導く )
の代わりに、「 啓発 」 を用いる場面が増えている模様。
「 啓蒙 」 は、 めっきり見かけなくなった。
ー
◆ “ raise ” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
–
語源は、 古ノルド語 「 起こす 」( reisa )。
この語源に沿った意味を中心とする。
【発音】 réiz
【音節】 raise (1音節)
【活用形】 raises – raised – raised – raising
基本的意味は、
– 他動詞 「 上げる 」 「 高める 」 「 立てる 」
– 自動詞 「 上がる 」
– 名詞 「 値上げ 」 「 上げること 」
日常使用では、 他動詞 用法が目立つ。
ここでも、 他動詞の基本的意味 「 高める 」。
ー
◆ ” awareness ” は名詞のみで、 「 自覚 」「 認識 」。
–
形容詞 ” aware “( 知っている、気づいている ) が名詞化されたもの。
【発音】 əwέər
【音節】 a-ware (2音節)
” ness ” は、 「 性質 」 「 状態 」「 程度 」 「 行為 」 などを表す
抽象名詞 ( abstract noun ) を作る接尾辞 ( suffix )。
” aware ” の語源は、 古英語 「 注意深い 」( gewær )。
” aware ” も ” awareness ” も、 和訳しにくい単語である。
” aware ” は、 ” aware ” で、 かなり事細かに詳述した。
“awareness” の定訳は、 「 意識 」 「 自覚 」 「 認識 」。
【発音】 əwέərnəs
【音節】 a-ware-ness (3音節)
けれども、 本来の意味はずっとシンプルで分かりやすい。
すなわち、< 知ること > < 学ぶこと >を示す。
ー
英語ネイティブの中学生なら、 難なく理解できるレベル。
–
” awareness “
knowledge or understanding of
a particular subject or situation.
( ロングマン、LDOCE6 )
【発音】 əwέərnəs
【音節】 a-ware-ness (3音節)
–
抽象名詞( abstract noun )かつ 不可算名詞 ( uncountable noun )
なので、 不定冠詞 ( indefinite article ) の ” an ” はつかないのが通例。
–
◆ ” raise awareness ” の直訳は、「 意識を高める 」。
ー
官公庁では、 長らく「 啓蒙 」または「 啓発 」 を定訳としてきた。
ー
しかし、 上述の通り、 差別的な意味合いを伴う「 啓蒙 」を
回避するのが昨今の風潮。
–
-
それについて 知る
-
その 知識 を学ぶ
こうした趣旨で使われているのが実態である。
- “It’s intentions are to raise safety awareness.”
(その意図は、安全意識を高めることである。)
(その意図は、安全について学ぶことである。)
– - “For your awareness – ”
( ご参考までに ~ )
–
◇ FYI に比べると、 誤解されずらい印象
–
◆ 日本でも 「 ~ 運動 」 と称する恒例行事が、
数多く定着している。
ー
以下、 例示的に ” raise awareness ” で表現してみる。
–
ー
––
■ 交通安全運動
Traffic Safety Campaign
– raise awareness of traffic safety
–
■ リサイクル運動
Recycling Campaign
– raise awareness on recycling of waste
–
■ 省エネ運動
Energy Saving Campaign
– raise awareness for saving energy
–
■ 飲酒運転防止運動
Drunk Driving Prevention Campaign
– raise awareness about drunk driving ( DUI )
ー
◆ ” awareness month ” は、「 啓発月間 」
- ” Breast Cancer Awareness Month ”
( 乳がん啓発月間 )
– - ” Distracted Driving Awareness Month ”
( 不注意運転啓発月間 ) ( ながら運転啓発月間 )
– - ” Suicide Prevention Awareness Month ”
( 自殺予防啓発月間 ) ( 自殺対策強化月間 )
– - “ Mental Health Awareness Month”
( メンタルヘルス啓発月間 ) ( 精神衛生啓発月間 )
– - ” Sexual Assault Awareness and Prevention Month ”
( 性的暴力予防月間 )ー
◆ 学校や職場の教育訓練の名称としても使われる。
- ” cybersecurity awareness training ”
( サイバーセキュリティ教育 )
– - ” alcohol awareness training ”
( 飲酒についての教育 )
–◇ ” alcohol ” = 「 アルコール 」 の英語発音は、
–
アルコ ホーアルカ ホー
などと聞こえる。
–al-co-hol (3音節)
–
3音節で、 最初の第1音節に強勢( アクセント )を置く。
–「 音節 」 の日英比較は、 ” integrity ” で詳らかにした。
( 図入り、 動画入り )
◆ 受講を促すメールの件名は、 例えば、
- Action Required : Complete Cybersecurity Awareness
Training NLT 01 Sept 2023
( 要行動 : 2023年9月1日までに、サイバーセキュリティの
トレーニングを完了すること )
–
–
【関連表現】
- ” Please be aware that – ”
https://mickeyweb.info/archives/3559
( ~ にご留意ください。)
–
【関連表現】 ※ 車関係
- ” Pull over the car. ”
https://mickeyweb.info/archives/284
( この車を止めてください。)
– - ” under the influence ”
https://mickeyweb.info/archives/286
( 酒または薬に酔った状態で )
– - ” at the wheel / behind the wheel ”
https://mickeyweb.info/archives/1239
( 1. 車を運転する 2. 舵取りをする )
– - ” Buckle up ”
https://mickeyweb.info/archives/7840
( シートベルトを締める )
ー
< 注意喚起の事前通知 >
- Plan accordingly
https://mickeyweb.info/archives/2372
( それを考慮して、行動してください。)
– - reminder
https://mickeyweb.info/archives/3312
( 思い出させるための表現 )
– - Action required
https://mickeyweb.info/archives/3719
( 要行動、 対応必須 )
– - heads-up
https://mickeyweb.info/archives/9871
( 注意喚起の通知 )
– - send a clear signal
https://mickeyweb.info/archives/12260
( 明確なメッセージを送る、 警告を送る )
– - distress signal
https://mickeyweb.info/archives/19081
( 遭難信号 )
– - false alarm
https://mickeyweb.info/archives/21482
( 誤報、 いたずら、 誤作動 )
– - wake-up call
https://mickeyweb.info/archives/6572
( 警鐘 )