Extended period of time
2024/06/26
長期間、延長時間
<4語ワンセット>で「長期間」を表す名詞句。
ニュースや会話にも普通に出てくる。
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しかし、調べた英英辞典(6点)及び英和辞典(4点)
には、項目立てされていない。
複数形では “extended periods of time”。
後述の通り、単複の使い分けはあいまいである。
“long periods of time”(複数)または
“a long period of time”(単数)と同じ意味。
これらは意味が推測しやすい。
中級学習者であれば、初めて接しても、
意味はほぼ分かる。
ところが、”extended period of time” の場合、
初めて見聞すると理解不能に陥る可能性が高い。
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少なくとも、その場でパッと分かるレベルでなく、
反すうすることで、ようやく大意が見えてくる感じ。
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つまり、分解して初めて当たりがつく。
- 形容詞 “extended“(延長された)
- 可算名詞 “period“(期間)
- 主格関係の前置詞 “of“(~の)
- 可算または不可算名詞 “time“(時間)
中級学習者とっては、おそらく既習単語ばかり。
よって、ばらせば、意味は難しくない。
文字通りの「延長期間」「延長時間」。
さらに、「長期間」「長時間」を意味する。
どれに該当するかは、文脈次第。
いざ<4語ワンセット>でリアルタイムに現われる
と即時理解は困難。–とりわけ、聞き取りが難しい。
「時間」について述べていることが分かるくらい。
やはり、頻出熟語の学習は大切なのである。
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分解してやっと把握できる程度では、流暢な会話は無理。
普段、日本語はいちいち分解しないだろう。
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“extended period of time” のポイントは、
細かく分けると、次の4つ。
1) “period of time” の意味
2) “period” の単複
3) “time” の単複
4) “extended period of time” の単複
それぞれ見ていく。
1) “period of time” の意味
「期間」を指す。
“period” のみでも「期間」「時期」(後述)。
だが、”period” がカバーする「期間」「時期」は、
実は多種多様である。
- a period of activity(活動期)
- a period of mourning(服喪期間)
- a period of three days (3日の期間、3日間)
- a period of business trip(出張期間)
- a period of death(死亡期間)
- a period of economic growth(経済成長期)
- a period of depression(抑うつ期)
何でもありの様相を呈するほど、
広範な「期間」「時期」を表すのが分かる。
そのため、”of time” を加えることで、
特に「時間の期間」を強調する。
- a certain period of time(一定期間)
- a short period of time(短期間)
- an indefinite period of time(無期限)
- a specified period of time(特定期間)
- a designated period of time(指定期間)
以上の5例は、一度は見聞きしたことはあるかも。
ビジネス慣用句に準じる言い回しである。
日常使用であれば、”of time” を省いても、
ほとんど意味は変わらないため、”of time”
なしで使われることも多々ある。
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2) “period” の単複
名詞 “period” は英単語として最頻出かつ最重要。
口語・文面とも、頻出度は<トップ1000語以内>。
重要度も<トップ3000語以内>。
両方とも、最高ランクである。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)
語源は、ギリシア語「一周」(períodos)。
名詞は可算のみなので、単数 “a period”、
複数 “periods”。
「期間」「時期」以外にも数多くの意味がある
のだが、本稿ではこの2つに焦点を当てる。
「期間」
一定の時期から他の一定の時期までの間。
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「時期」
何かをするとき。おり。期間。また、季節。
(広辞苑 第七版)
日本語でも、日常使用では厳密な区別なく
使われている2語である。
期間は不可視的で、つかみどころがない。
ゆえに、文法的な扱いがあいまいになりがち
なのは、多くの言語にみられる現象らしい。
英日も例に漏れない。
そのためか、”extended period of time” と
“extended periods of time” はほとんど同じ
意味合いで使われている。–単複があやふや。
それでも、表題の単数が基本とされる。
この場合、不定冠詞 “an” を加えた
“an extended period of time” が通例。
“time” の単複ではなく、”period” の単複に
呼応する冠詞である点に注意。
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3) ” time ” の単複
「 期間 」 同様、 つかみどころのない 「 時間 」。
単複の扱いに加え、こちらは可算と不可算名詞を
兼ねるから、もっと厄介。
圧倒的に使われるのは名詞。
“ time ” には、名詞・形容詞・他動詞・自動詞 がある。
【発音】 táim (1音節)
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語源は、古英語「 時 」「 時間 」( tīma )。
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圧倒的に使われるのは名詞。
不可算と可算を兼ねる。
基本的知識は、 以下の通り。
–
◇ 「 時 」は、 個数として数えられないので、
無冠詞の 「 不可算名詞 」 が基本。
この場合でも、「 この時間 ・ あの時間 」 など
「 区別 」する場合は、 可算名詞。
何時何分、 何月何日など 「 出来事 」 の時間
を示す場合も、 「 可算名詞 」 が原則。
次の差異が分かるだろうか。
-
–
Do you have time ?
–
( 今、お時間ありますか ? )–
-
–
Do you have the time ?
–
( 今、何時でしょうか ? )–
現在の時刻 ( current time ) を他者に尋ねる英語表現として、” What time is it ? “ と学校では学んだりするが、
これは実は相当ぶしつけな尋ね方。
「 今、何時 ? 」 同然の響き。
露骨でむき出しゆえ、 いきなり聞かれた側は不快かも。
赤の他人やさほど親しくない人に時間を聞くには、 先述の
” Do you have the time ? “( 今、何時でしょうか ? )
–
名詞 “ time ” については、 いかなる辞書を調べても、
不可算が優先 されている( uncountable noun )。
よって、 「 ” time ” の基本は不可算名詞 」 と覚える。
–
◆ 片や、 先に挙げた例文(・つき)を見ると、その多くが
「 この時間 ・ あの時間 」 などと「 区別 」 された内容。
–
すなわち、可算名詞としての ” time ” である。
したがって、単複と冠詞も関係する。
表題の用途を実例で調べると、” period ” と同じく、
単複とも起用されている。
つまり、” an extended period of time ” も
” extended period of times ” も使われている。
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ただ、 やはり前者の単数形が一般的。
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4) “extended period of time” の単複
2)と 3)から、<4語ワンセット>でも、
単複両方で使われることが想像がつく。
具体的には次の4つ。
グーグル検索結果の件数の順に、
- an extended period of time (単数)
- extended periods of time (複数)
- extended periods of times (複数)
- an extended period of times (単数)
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※ 名詞句(全体)としての単複
4に至っては、本日現在(初稿時 2018年3月6日)、
1桁の結果しか出てこないものの、
ほとんどが英語圏の企業サイト。
とすれば、4つとも、日常使用レベルでは、
大きな問題はないと考えられる。
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間違いなく正しいのは、1と2(緑字)。
ー
この2つは、複数の信頼できる英語解説サイトでも
取り上げられている。
とにかく、1と2は押さえておきたい。
–
ニュース記事などで見聞きした際に、
即座に分かる状態にしておくということ。
できれば、自ら使ってみよう。
–
“He will stay at the space station for
an extended period of time.”
(彼は宇宙ステーションに長期間滞在する予定です。)
“I wish I could take time off for an
extended period of time.”
(長期間、休みが取れればいいのに。)
“She had to spend extended periods of time
in the hospital.”
(彼女は長期間、入院しなければならなかった。)
“My son often stays away from home for
extended periods of time.”
(息子が長期間、家に寄り付かないことは
よくあります。)
“I have been feeling angry for an
extended period of time.”
(長い期間、怒りを感じてきた。)
“You will ruin your life if you continue this
over extended periods of time.”
(こんなことを長期間続けていると、人生を
棒に振ることになるよ。)