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蔵書の「自炊」記録(3)

      2025/12/29

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6年の準備期間を経て( 2010-2015年 )、
私は自炊を開始した( 2015年12月 )。

実行を決意させたのは、

「 電子化は 将来への投資 」


この確信である。

目前の蔵書は、 優に4,000冊を超えている。

生活スペースの切迫は、 今そこにある危機

さらに、 地震の際、 本は < 凶器 > と化しうる。

かといって、 むやみに処分すれば、 人生と仕事の質が落ちる。

とすれば、 今後も書物の山を積み上げていくことだろう。

そして、 30年後。

経年劣化で変色した、 無数の古本に埋もれた老後。

想像すると、 やりきれなかった。

本気で将来を思うと、 緊迫感が高まった。

決断を後回しにすれば、 面倒が増える。

ややこしいことの先送りは厳禁である。

  高齢での 試行錯誤は きつい  


ライフステージ上、 もはや「 紙の本の感触が 」

などと、 悠長に構えている段階にはないのだ。

◆  2017年から2018年にかけて発行された、 次の3冊は、

早めに動くことの大切さ


を入神の筆致で描き出す。

蔵書の維持管理を考える上で、 非常に参考になる。

蔵書一代   なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか
紀田 順一郎(著)、 松籟社、 2017年刊
A5判、 206頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>


この 紀田順一郎 ( 1935-2025 ) を敬愛し、 私淑していた
荒俣宏 ( 1947- ) の話も、 同じく悲惨で身につまされる。
↓↓↓

【参考】    ※  外部サイト

「 日本に1冊しかないかもしれない貴重な本 」 や 「 稀覯本 」

が廃棄物扱いされるとは …

いくらなんでもおかしい気がする。

「 海外の古書業者 」 以外にも、 荒俣氏の使い慣れた ” eBay

などの販路に流す検討の余地もあったのではないかと思う。

時間と体力がなくなると切羽詰まり、 判断力もよろめくのだろうか。

元気なうちに対策する大切さを再認識する。

蔵書の苦しみ
岡崎武志(著)、 光文社、 2017年刊


本で床は抜けるのか
西牟田 靖 (著)、 中央公論新社、 2018年刊

【参照】   蔵書の「自炊」記録(7)

ぐずぐず してると、

大量の蔵書に伴う、

老境の悲哀 と地獄

が待ち受けている。

 

火蓋を切るのは、 早いに越したことない。

気力、 体力、 判断力、 そして資力。

今ならどれも充実している。

やってだめなら、 まだやり直せる。

  ◇  電子化すれば、 データ上の管理で済む。

  ◇  物理的な労苦から、 ほぼ解放される。   


やがて高齢者施設で過ごす時期を迎えるとしても、
電子データなら容易に持ち込めるだろう。

若い頃から愛読してきた全書籍を、 丸ごと座右に置ける。

思案するほど、 選択の余地が消え、 電子化は不可欠と推断した。

■  読書  →  私の 「 人生のよすが

■  ほどよく管理された蔵書  → 「 一生の資産


自炊しておけば、 きっと

  蔵書の 「 コントロール権 」 を最期まで握れる。

散逸リスクはない。   死ぬまで一緒。

電子データなので、 処分の苦労も考えがたい。

死後も、 他人様への迷惑になりにくい。

自分が生涯かけて集めた本を、 自由自在に手にする老後。

その喜び。

その安心感。

なんて心強いのだろう。

< 蔵書の 「 自炊 」 記録 > 連載一覧





 

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 - 本の「自炊」, 読書

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