プロ翻訳者の単語帳

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The other end

      2019/06/08

向こう側

自分の対極の位置や立場を表すフレーズ。
相手側を指して、代名詞のような使い方
でよく出てくる。

一見シンプルだが、初めて見聞きして、すぐ
意味が分かるほど容易とは思えないため、
ここで取り上げてみたい。

一度学習しておけば、次回出会った際には、
自力で把握できるだろう。

◆ 構造は分かりやすい。

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自分の立ち位置を「こっちの端っこ」と考えると、
相手は「あっちの端っこ」。

だから、”my end” に対し、”the other end”。

後ほど、詳しく見ていく。

◆ なぜ、あえて「端」なのかは不詳だが、
自分を端に据えれば、相手も端の方が自然で明解。

このような極端な二分割思考は、確かに理解しやすい。

関係者が自分と相手の二者のみであれば、
双方両端で考えるとすっきりする。

もっとも、実際の世の中はグラデーションだらけ。

大勢の利害関係者が入り組むことも珍しくなく、
第三者を考慮することが欠かせない。

“the other end” は、そのような第三者を省いた、
<点>の視点を基本とする。

「構造は分かりやすい」と述べた通りである。

 

◆ 文法も分かりやすい。

“the other end” は、文法も用法もシンプル。

使い方に明らかなパターンがあるので、
それらを押さえておけば、基本はOK。

基本パターンはすべてご紹介する。

まずは、”the other end” の文法面について。

  • 定冠詞  “the
  • 形容詞 other(もう一方の)
  • 可算名詞  “end(端)

3語とも、最頻出かつ最重要の英単語である。

口語・文面とも、頻出は<トップ1000語以内>。
重要も<トップ3000語以内>。
いずれも最上位に位置する。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)

まず、”other” の語源は、
古英語「もう一方の」(ōther)。
原義は「二者のうちの一方」。

形容詞・代名詞・副詞がある。
表題では、形容詞「もう一方の」。
“the” を伴い、”the other” が通例。

この場合、単数名詞を修飾して、
2つのうちのもう一方>を意味する “the other”。

単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞
英英辞書では “S” または “sing” と略記される。

表題の “end”(端)は、可算名詞かつ単数名詞。
(後述)

単数名詞を飾る “the other” と異なり、
3つ以上の「残りすべて」「その他すべて」を意味する、
以下の “the other” は、複数形の名詞に伴う。

  • the other three students(残りの生徒3名)
  • the other four countries(他の4国)
  • the other five questions(その他の5つの質問)

派生した意味が「向こう側」「反対側」。
形容詞 “opposite” と同義。

  • the other side of the road(道路の向こう側)
  • the other side of the paper(紙の裏側)
  • the other hand(もう片方の手)(反対の手)
  • the other eye(もう一方の目)(反対の目)
  • the other party(他方の当事者)(先方)

この意味合いは、代名詞の “the other” も引き継ぐ。

代名詞とは、人・事物などの一般名称の代わりに
起用される品詞。

よって、”the other” の2語完結で、
「(2つのうちで)もう一方の人」
「(2つのうちで)もう一方の物」

形容詞用法の “the other” と異なり
その直後に名詞は不要。

名詞の代わりが代名詞だから。

表題では、名詞 “end” が続くので、2語完結の
代名詞ではなく、形容詞の “other”。

 

◆ “end” には、名詞・他動詞・自動詞・形容詞がある。

語源は、古英語「末端」(ende)。

表題の “end” は「可算名詞かつ単数名詞」と上述した。
名詞 “end” は可算名詞が基本である。

さらに単数名詞であるのが、ここでの使われ方だが、
時には複数名詞(=複数扱い)になる。

例えば「目的」「目標」を意味する場合は、
“ends” と「複数名詞」扱いが一般的。

  • for military ends(軍事目的のために)
  • for political ends(政治的目的のために)
  • for common ends(公益のために)

今回の “end” についても言えることだが、
「単数名詞」の辞書表記には、ばらつきが大きい。

本稿の説明は、調べた6冊の最大公約数の解釈である。

「単数名詞」の区別は、概して英和辞典よりは、
英英辞典の方が分かりやすく表示されている。

ここでは、語源そのものの「末端」や「端」の意。

◆ “the other end” の代表例を挙げる。

基本は、次のパターン。
“on” と “at” のどちらでも使える場合が多い。

  • on the other end of the phone
  • on the other end of the line
    (電話の向こうにいる)
    ※ “line” = 通話中の電話(回線)

以下の2つは、文脈次第で意味合いに差が出るが、
大意はこの通り。

  • at the other end of the scale
  • on the other end of the spectrum
    (その反面で)(その対極には)

    – “scale” = 物差し
    – “spectrum” = 範囲(発音:spéktrəm

    → 自分と相手がそれぞれ位置する「端」
    のみに着目した言い回し。

    2つの間にも、何かしら存在するかもしれないが、
    その存在には触れない考え方。

 

“When I answered the phone,
my professor was at the other end.”
(電話を取ったら、教授からだった。)

“I heard their screams on the other end of the phone.”
(電話の向こう側から、彼らの叫び声が聞こえた。)

“My daughter was crying at the other end of the line.”
娘が電話の向こうで泣いていた。)

“My wife is going to meet me at the other end.”
(行先で妻と落ち合うんだ。)

“Her office is the room at the other end of the hallway.”
(彼女のオフィスは、この廊下の反対の端です。)

“At the other end of the scale, there is a penalty.”
(その反面、ペナルティもある。)

On the other end of the spectrum,
there are many jobless people.”
(その対極には、大勢の失業者がいる。)

 “I will see you again at the other end.”
(目的地でまた会いましょう。)

We have to factor in any issues at the other end.
(先方で起こりうる問題も考慮しなければならない。)

“Imagine being a patient at the other end
of that discussion.”
(自分がその話し合いの反対側にいる患者
であると想像してみてください。)


◆ 以上の10例でも明らかだが、この用法の前置詞は、
場所・地点を示す “at” または “on” がほとんど。

“at” と “on” の基本的用法に従って区別する。
繰り返すが、両者を兼用できる場合も多い。

 

 

 

 

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