Allows you to -
2020/01/02
~ができるようになります
“allow” の前に主語(主格)を加える。
“X allows you to B.“
(X によって、あなたは
Bができるようになります。)
※ X = 単数形の場合
日本語では見かけない言い回し。
英和辞書を片手に和訳すると、
「あなたに~を許可する」。
どうもすっきりしない。
だが、口頭でも文面でも日常的に見聞きする。
自分で使う際にも便利な表現なので、
ぜひ押さえておこう。
–
◆ このフレーズが多用されるのは、製品・サービス
を顧客などに紹介するとき。
その製品・サービスの特長を示し、それによって
何ができるようになるかを明らかにする。
導入のメリットを知ってもらうのが趣旨。
潜在顧客に対する販売前の販促、そして導入後の説明。
どちらにも使える。
さらに、カタログやマニュアルにも出てくる。
この用法では、その製品・サービスが主語となる。
つまり、上掲黄枠の「X」。目玉は「B」。
◆ 実例をご覧に入れたい。その方が理解が早い。
今年2018年1~3月発表のニュース見出しを挙げる。
- Twitter Now Allows You to
Bookmark Tweets to Read Later
(後で読むためツイートをブックマーク
できるようになったツイッター)
– - Paint 3D now allows you to
edit your work in 3D view
(3D編集できるようになったペイント3D)
– - Google Duo now allows you to
leave voicemail-like video message
(音声メールのように動画メッセージを
残せるようになったグーグルデュオ)
– - This app allows you to bid on
last minute unsold plane tickets
(売れ残り航空券を直前に入札できるアプリ)
– - Facebook allows you to share
your 3D models now
(3Dモデルをシェアできるようになった
フェイスブック)
– - This Down Jacket Allows You To
Charge Your Smartphone
(スマホを充電できるダウンジャケット)
– - This Coffee Maker Allows You to
Brew Three Ways
(3方式を選べるコーヒーメーカー)
– - Google ‘Tez’ Allows You To Pay Utility Bills
(公共料金の支払いができるグーグルテズ)
– - Introducing Dogshare : the new service that
allows you to borrow puppies
(子犬がレンタルできる新サービス:ドッグシェア)
– - App that allows you to find a babysitter
(ベビーシッターを探せるアプリ)
–
できたてホヤホヤのガジェット系を中心に抽出した。
何だか怪しいモノも含まれているが、イメージはしやすいはず。
※ 「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語
◆ “allow” には、他動詞と自動詞がある。
【発音】 əláu
動詞 “allow ” は、英単語として最頻出かつ最重要。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)
語源は、ラテン語「賞賛する」(adlaudāre)。
「賞賛する」に値するから、「認可する」との流れ。
他動詞が中心で、表題でも他動詞。
– 他動詞「許可する」「与える」「認める」「思う」
– 自動詞「許す」「思う」
LDOCE6 では、同義語に自他動詞 “permit” が筆頭にくる。
「許可する」点で共通するが、両者の主眼の違いを大まかに
まとめてみた。
- “allow”:裁量またはルールに基づき、許可し、一切を任せる
- “permit”:ルールに基づき、許可を与える正式なもの
3大学習英英辞典のうち、”allow” の語釈として最もシンプル
なケンブリッジは次の通り。
“allow”
1. (GIVE PERMISSION)
to give permission for someone to do something,
or to not prevent something from happening.
–
2. (ADMIT)
to admit or agree that something is true.
(ケンブリッジ、CALD4)
【発音】 əláu
先述のように、”allow you to” では分かりにくいので、
まず他動詞の基本用法を見ていこう。
- “Allow me.”
(私にやらせてください。)※ 話し言葉
→ 私に許可してください。
– - “Allow me to introduce my son.”
(息子を紹介させてください。)
→ 息子を紹介することを許可してください。
– - “You are not allowed to be here.”
(あなたがここにいることは許されない。)
→ あなたがここにいることは許可されない。
– - “He won’t allow me go home.”
(彼は帰宅させてくれない。)
→ 彼は私が帰宅することを許可しないだろう。
– - “No fishing is allowed here.”
(ここでは釣りは禁止)
→ ここでの釣りは許可されません。
いずれも、行為などを「許可する」他動詞。
直訳は「→」で示した。
これと同じように解釈すれば、表題はどうなるか。
例えば、先の見出し、
“App that allows you to find a babysitter”。
もし、この他動詞も「許可する」であれば、
「ペビーシッターを探すことを許可するアプリ」となる。
明らかに変である。
◆ 表題に取り上げた理由は、多用されるから
だけでなく、英和辞典が分かりにくいから。
他動詞 “allow” + 人(目的格)+ to + 不定詞
「あなたが~できるようになる」
冒頭の通り、
“X allows you to B.“
(X によって、あなたはBができるようになります。)
※ X = 単数形の場合
人称代名詞の目的格には、
me / you / him / her / us / them / it
がある。
表題の用法では、”you” が最多。
「不定詞」(infinitive)とは、不定形動詞の一つ。
名詞・形容詞・副詞のような働きをする。
動作主体の数や人称によって、語形変化しないため「不定詞」という。
–
◆ ここで、<ニュース見出し>を再度ご確認いただきたい。
“to” の直後の動詞が、不定詞である。
<不定詞>の詳細よりも、最近のニュースを飾った
これらの見出し10件を、自力で分かることが大切。
見出しは記事内容の要約であり、中身を読む
べきかどうかの判断基準を示す。
ひいては、購買意欲と売上げを左右する。
そのため、どのメディアも見出しには神経を注ぐ。
時に凝っている場合もあるが、概ね明解である。
少なくとも、先の10件はどれも難しくはない。
中級学習者であれば、すんなりと読みたいレベル。
それができれば、表題も把握できたことになると考えられる。