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Don’t judge –

      2020/01/02

~を勝手に判断するな。~を勝手に評価するな。 

  Don’t judge people by – 
(~で人を判断してはならない。)

  • Don’t judge people by appearance(s).
  • Don’t judge people by their looks.
    (人を外見で判断してはならない。)
  • Don’t judge people by the color of their skin.
    (人を皮膚の色で判断してはならない。)
  • Don’t judge a book by its cover.
    (外見で中身を判断してはならない。)
    →  本に限らず、人を含む森羅万象

米国では、幼少期より言い聞かされる決まり文句の数々。

多様性に富んだ社会で生きていくためには、不可欠な考え方。
幼い頃から学習して身につけておかないと、長ずるに及んで
足をすくわれる危険が高まる。

racial slur” を口にして、地位を追われる役職者は珍しくない。

大概の人間は、本能的に外観から判断する。
だからこそ、学校や家庭などで教育し続けるのだろう。

相手が大人であれば、さらに、

Don’t be judgmental.
(決めつけるな。)

などとたしなめて、当人の自信過剰や傲慢さを突いたりする。
私自身、何度も注意されてきた。

“judgmental” は形容詞で、「せっかちに判断しがちな」の意。
つまり、大した根拠もなく、勝手に決めつける感じ。

【発音】  dʒʌdʒˈmentl

 

自説が正しいとは限らない。
検証もなく、無邪気に批判するのは、
大人として無責任。

こうした忠告である。

 

 

◆ “Don’t judge – ” という言い回しは、ビジネストークでも
使われる。

趣旨は、これまで挙げた例と同じ。
すなわち、「勝手に決めつける」姿勢を制する こと。

具体的には、

  • Don’t judge customers.
    (お客様を勝手に決めつけるな。)
    →  先入観のない、公平な接客態度
  • Don’t judge one’s choice.
    (誰々の選択を勝手に評価するな。)
  • Don’t judge one’s decision.
    (誰々の決断を勝手に評価するな。)
  • Don’t judge me.
    (一方的に私を決めつけるな。)
    (勝手に私を評価するな。)
    (よく知らないくせに、私を批判するな。)

one’s” とは、「誰々の」。

“one’s” には、通常は人称代名詞の
所有格を入れる。

すなわち、次のいずれか。

  • my  私の
  • your  あなたの
  • his  彼の
  • her  彼女の
  • their  彼らの
  • our  我々の
  • its  それの

“one’s” は、所有格の代表形として、
辞書などで起用される。

具体的には、”one” の所有格が “one’s”。
上記の所有格を代表する。

いわば、所有格のワイルドカードとして使われる。

具体的な名前でもよい。

  •  “Don’t judge Mary’s decision.”
    (メアリーの決断を勝手に評価するな。)

<押さえておきたい4点>

1. カタカナ「ジャッジ」との違い ※ 後述
2. “Don’t judge – ” の意味   ※ 既述
3. 典型文言  ※ 既述
4. 使い手の気持ち   ※ 後述

 

◆ “judge” には、名詞・他動詞・自動詞がある。

語源は、ラテン語「審判者」「裁判官」(jūdex)。
原義は「正しいことを言う人」。
基本的意味は、語源に沿う。

– 名詞「裁判官」「裁判官の職責」「審判」
– 他動詞「判決を下す」「裁く」「判断する」「見当をつける」
– 自動詞「判決を下す」「判断する」「見当をつける」

自他動詞の意味はほぼ重なるのが “judge”。
表題では、他動詞「判断する」。

これらの基本的意味は、カタカナとして定着したものが中心である。

  ジャッジ【judge】

1. 審判員。審査員。ボクシングやレスリングでは、
レフリーに対して副審をいう。
2. 審判。審査。判定。

(広辞苑 第七版)

こちらの『広辞苑』の語釈は、カタカナ用法の
「ジャッジ」を網羅する。

これ以外で「ジャッジ」を用いる場面はほぼない。

実は、『広辞苑』の「第五版(1998年11月発行)」は、
「2. 判断。審判。審査」だった。

「第六版(2008年1月発行)」から「2. 審判。審査。判定。」
に変更され、そのまま 「第七版(2018年1月発行)」に
引き継がれた。

理由は不明だが、英語の “judge” から一歩下がった語釈に
なってしまった感がある。

“Don’t judge – ” は、通常「~を判断するな」「~を評価するな」。

第5版は参考になったが、最新版の広辞苑からは見えてこない和訳。
第7版を参考にすると「判定するな」となる。

何だか奇妙なので、現実的には使えない和訳である。
<1. カタカナ「ジャッジ」との違い>として、この点を強調したい。


◆ 最後に、”Don’t judge – ” の使い手の気持ちをまとめる。

「勝手に決めつける」姿勢を制するのが趣旨

と先ほど述べた。

きちんとした知識や検証なくして、
思い込みで判断するのは、
あなたの思い上がり。

相手にも周囲にも失礼で、
誤解を招きかねない。

ご自分の信用を落とす軽薄な行為ですよ。

この忠言の背景にある気持ちは、こんな具合かと推察する。

状況や言い方にも左右されるが、比較的思いやりのある苦言である。
すなわち、言われて耳が痛いに違いないが、確実にためになる。

“Don’t”(= do not「するな」)と言い切って、それが不心得だと
本人に自覚させる効果が期待できる。

例えば、同様の場面における反応として、

  • “Shut up.”(黙れ。)
  • “You are rude.”(あなたは失礼だ。)
  • “What do you know ? “(あなたに何が分かっているの。)
    ※ 反語または嫌味

これらと比較すれば分かりやすいのではないだろうか。
3つとも、言うなれば「一方通行」で終わっている。

表題は、”Don’t be so sure.“(そう決めつけないで。)
に似通う忠告方法であり、受け手に思慮を促す。

結果的に、本人の成長につながると考えられる。

 

【関連表現】

“misjudge”
https://mickeyweb.info/archives/6380
(判断ミスをする、誤った判断をする)

 

 

 

 

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