Chime in
2020/01/04
(1) ~に口を挟む、会話に加わる (2) 同意する
主要な英和辞典では「同意する」が優先されている。
この句動詞の語源から見れば自然だが(後述)、
日常的に多用されるのは「口を挟む」。
よって、本稿では(1)中心に取り上げる。
“chime in” とは、頼まれていないのに、
良くも悪くも、他人の会話に加わることを示す。
悪い意味では、「出しゃばる」「割り込む」。
そうでないなら、「一言コメントする」感じ。
<聞かれてもいないのに、自分から発言>
がポイント。口頭でも文面でも使われる。
◆ “chime” には、名詞・自動詞・他動詞がある。
【発音】 tʃaɪm
– 名詞:玄関などの「チャイム」(鐘)、調和
– 自動詞:(鐘が)鳴る、調和する
– 他動詞:鳴らす
語源は、ラテン語「シンバル」(cymbalum)。
美しく奏でるチャイム → 調和 → 同意。
調和とは、相手に調子を合わせること。
「合いの手を入れる」「相槌を打つ」
の意味も “chime in” は含む。
さらに進んで「会話に加わる」という流れ。
語源にぶしつけな要素はない。
だが、普段は「口を挟む」が優勢なのは、上述のとおり。
“chime into” ともいう。
“Sorry to chime in but – ” が頻出パターン。
直訳は「割り込んで悪いけど~」。
意図は「出しゃばる気はないが、一言言わせて」。
ネットのコメント応酬でよく使われる。
“She chimed in on their divorce.”
(彼らの離婚について、彼女はコメントした。)
“I chimed in to tell my opinion.”
(自分の意見を言うため、私は口を挟んだ。)
“He kept chiming in and made everyone uncomfortable.”
(彼は始終割り込んできて、周囲を不快にした。)
なお、米アマゾンが2017年2月に公開した
ビデオ会議システム “Chime” は、
「会話に加わる」由来のネーミングらしい。
間違っても「出しゃばる」ではあるまい。
【類似表現】
“get a word in edgewise”
(うまく会話に割り込む)
※ 印象は場面によって良し悪し
“butt in”
https://mickeyweb.info/archives/878
(出しゃばる。おせっかいする。)
“cut in”
(口を挟む)