Hit home
2025/01/22
胸に染みる、 ぐさりとくる
良くも悪くも、 ずっしり胸にこたえる様子。
- 「 しみじみ 」 「 つくづく 」 「 感銘する 」
- 「 胸にぐさりとくる 」 「 急所を突かれる 」
深く感じ入り、 揺さぶられる心境を描写。
口頭・文面不問で使われる。
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◆ ” hit ” には、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 hít (1音節)
語源は、 古ノルド語「 偶然に出会う 」( hitta )。
いずれの品詞もかなり多義であり、 俗語も多い。
<激しい動き> が共通点 で、 語源に忠実である。
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◆ 基本的意味は、
- 他動詞 「 打つ 」 「 殴る 」 「 ぶつかる 」 「 命中する 」
- 自動詞 「 打つ 」 「 殴る 」 「 ぶつかる 」 「 襲う 」
- 名詞 「 打撃 」 「 衝撃 」 「 酷評 」 「 ヒット 」
自他動詞の意味は、ほぼ同じ。
野球の 「 ヒット 」は、 ” hit ” のイメージそのもの。
表題 ” hit home ” では、 他動詞「 打撃を与える 」。
【活用形】 hit – hits – hit – hit – hitting
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◆ ” home ” は、 名詞・形容詞・副詞・他動詞・自動詞がそろう。
【発音】 hóum (1音声)
語源は、 古英語「 村落 」( ham )。
「 ヒット 」同様、 カタカナ語で定着済みのため、イメージしやすい。
基本的意味は、
- 名詞 「 家 」 「 家庭 」 「 自国 」
- 形容詞 「 我が家の 」 「 家庭の 」 「 自国の 」
- 副詞 「 我が家へ 」 「 自国へ 」 「 在宅して 」
- 他動詞 「 家に帰る 」 「 帰国する 」 「 目標に向かう 」
- 自動詞 「 帰国させる 」 「 目標に向かわせる 」
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◆ ” hit home ” の “home ” は、 名詞と誤解されることが多い。
正しくは、副詞
上の基本的意味に加えて、
■ 副詞 ” home “
「 深く 」 「 ぐさりと 」 「 狙った場所に 」
よって、”hit home” の直訳は、
- 深く打撃を与える
- ぐさりと打撃を与える
–
心臓をえぐる苦しみ
–
ぐさり
ーー
◆ 次の例文をご覧いただきたい。
-
“The bomb struck home.”
(爆弾が命中した。) -
“The danger really came home to me.”
(危険が本当に身に染みた。) -
“The last line drove home the point.”
(最後の一文は核心を突いている。) -
“He struck a nail home with his hammer.”“He drove a nail home with his hammer.”
(彼は金づちで釘を深く打ち込んだ。)
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ぐさり
–
4文いずれも、基礎単語で構成されている。
しかし、
◇ “home” = 名詞「家」「家庭」「自国」
として考えると、正しく読み取れない。
■ 副詞 ” home “
「 深く 」「 ぐさりと 」「 狙った場所に 」
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この副詞に伴う主な動詞には、 他動詞 ” hit ” の他に、
同じく他動詞 ” come “ と ” strike “ がある。
【発音】 kʌ́m (1音節)
【発音】 stráik (1音節) ← 【注】 カタカナ発音では 「5音節」
過去形は、それぞれ
” hit “(不変)、 ” came “、 ” struck “。
【活用形】 hits – hit – hit – hitting
【活用形】 comes – came – come – coming
【活用形】 strikes – struck – struck – striking
熟語の意味合いから、 どれも 過去形 ( past tense ) が多用される印象。
” home ” 直後の前置詞は、” to “、” for “、” with ” 。
用いる動詞によって異なる。
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◆ ” hit home ” は、 3つの中で最も身近で、
分かりやすいため表題に置いた。
頻出には至らないが、 時たま見聞きする。
その場で ぴんと 把握できるように慣れてしまおう。
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- ” The book hit home with me. ”
( その本は、私の胸をぐさりと刺した。)
– - ” The reality of war finally hit home. ”
( 戦争の現実が、ようやく胸を突いた。)
– - ” Your words really hit home. ”
( あなたの言葉は、本当に胸にずきんときた。)
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- ” He fainted as her words hit home. ”
( 彼女の痛烈な言葉を浴び、彼は失神した。)
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- ” The sadness struck home with me. ”
( 悲しみが心に染みた。)
– - ” Her message struck me home. ”
( 彼女のメッセージに感動した。)
– - ” His story came home to my heart. ”
( 彼女の話は胸にずきんときた。)
– - ” Her kindness came home to me. ”
( 彼女の優しさをつくづくありがたく思った。)
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