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Paperwork

      2019/03/11

文書業務、事務作業、事務手続き

紙を扱う仕事だから「文書業務」。
不可算名詞(後述)である。

  • 名詞 “paper”(紙)
  • 名詞 “work”(仕事)

本来は中立的な意味合い。

ところが、なぜかネガティブな文脈で
使われる場面が日常的に見受けられる。
粗末な扱いに甘んずる位置づけの語。

  • I got sick and tired of endless paperwork.
    (とめどない書類作成にうんざりした。)
  • I have to deal with a lot of paperwork.
    (大量の書類仕事をやらねばならない。)
  • I’m wasting my time doing paperwork.
    (文書業務なんかで時間を浪費している。)
  • I spent my weekend preparing paperwork.
    (書類作成に週末を費やした。)
  • I did all my paperwork during lunch break.
    (昼休みに事務手続きをすべて終えたよ。)

こんな風にぶちまけたりする。
オフィスにおける代表的な使用例である。

文書業務は、円滑な業務運用や手続きに
欠かせない仕事の一部(後述の語釈参照)。

しかし、創造性や生産性とは無縁で、誰に
でもできる「作業」とみなされている様子。

その割に注意力を要し、手抜きご法度で、
時間がかかる。

手書きで書き損じた場合、文書によっては、
一からやり直す必要が生じることさえある。

こうして、荷厄介な仕事未満の面倒事として、
大勢の人が毛嫌いするのが “paperwork”。

◆ 冒頭に記した通り、成り立ちは単純。

2つの名詞を合わせた不可算名詞

“paper” と “work” は、ともに可算と
不可算を兼ねる名詞である。

日本人学習者が混乱しがちな点なので、
これから詳しく見ていこう。

image.pngーーーーーー“paperwork” の数々

■ paper(可算・不可算)

語源は、ラテン語「パピルス」(papȳrus)。
パピルスとは、水生植物の一種。
紙がパピルスで作られたことから “paper” に。

「パピルス」は、シャープの電子辞書名として
名を馳せた。(現在は「Brain」に移行)

名詞 “paper” のポイント5つ

  1. 原則は、不可算。
    「紙」と言えば、普通は不可算名詞。
  2. 「紙」が成果物になったものは、可算名詞。
    【例】
    新聞、論文、答案、紙袋
  3. 可算・不可算を兼ねるものもある。
    【例】
    「壁紙」(wallpaper)
  4. “papers” と複数扱いで、総称的な
    「証明書」「書類」を示す。
    【例】
    身分証明書(identification papers)
    入管書類(immigration papers)
  5. 不可算の「紙」には、
    “a sheet of paper”、”three sheets of paper”
    “a roll of paper” などの決まり表現がある。

    不可算の「水」の
    “a glass of water”、”three glasses of water”
    と重なるパターンである。

■ work(可算・不可算)

語源は、古英語「労働」(weorc)。

名詞 “work” のポイント4つ

  1. 原則は、不可算。
    「仕事」と言えば、普通は不可算名詞。
    職業としての「総称的な仕事」を指す。
  2. 具体的に課せられた「任務」や
    特定の「勤め口」としての「仕事」は、
    次の類義語と同じく、可算名詞が原則。
    【例】
    task、job、assignmentduty
  3. 「仕事」が成果物になったものは、可算名詞。
    【例】
    著作、芸術作品
  4. “works” と複数扱いで、特に「工事」「事業」
    を示す。 もっとも、”work” のままでも使われる。
    【例】
    基礎工事(ground works
    公共事業(public works)

上記のポイントは似通っている。
なぜなら、可算と不可算を区別する視点が
同じだからである。

  • 不可算 → 抽象的な概念
  • 可算 → 形の見える具体的なもの

中級学習者なら、こんな原則は学習済み。
例外が多すぎるため、混乱してしまうのだ。

paper>
もともと「ロール状の塊」

 どうにも数えようのない、どでかい物質
として、不可算。

「食パン」も、同様の考え方で不可算名詞。

<work>
割り当てられるまでは、

 抽象的な、職業としての「総称的な仕事」
として、不可算。

区別の基本は以上の通り。

私たち日本人には、今ひとつ分かりにくい。
確かに、数ある例外を学ぶのは大変だが、
基礎知識の理解するのは、それほど難しくない。

【参考】 ※ 外部サイト
可算と不可算を見分ける簡単なコツ
可算と不可算を兼ねる名詞について
可算と不可算についてよくある質問

 

◆ “paperwork” が不可算名詞であることに、
異論はない模様。

後掲の4大学習英英辞典(EFL辞典)は、すべて
“uncountable”(不可算) と明記する。

  • 不可算名詞 “paper”(紙)
    → 具体的な成果物ではない
  • 不可算名詞 “work”(仕事)
    → 総称的なやるべきこと

ここでは両方が不可算名詞。
それが合わさった “paperwork” が
不可算なのは、自然の成り行き。

初出は1587年。最初は「紙製の作品」を
意味したが、1889年から「文書業務」に。

“paperwork”

  • 1. work such as writing letters or reports,
    which must be done but is not very interesting.
    2. the documents that you need for a business
    deal, a journey etc.
    (LDOCE6、ロングマン)
  • 1. the written work that is part of a job,
    such as filling in forms or writing letters
    and reports.
    2. all the documents that you need for
    something, such as a court case or
    buying a house.
    (OALD9、オックスフォード)
  • –  part of a job that involves writing
    letters and reports and keeping records.
    –  the written records connected with a
    particular job, deal, trip, etc.
    (CALD4、ケンブリッジ)
  • Paperwork is the routine part of a job
    which involves writing or dealing with
    letters, reports, and records.
    (COB9、コウビルド)

【発音】péɪpɚwɝ̀k

※ 下線は引用者

4点とも似たり寄ったりで、月並みの
「文書業務」「事務作業」を説明する。

唯一、個性を認めるのは下線部(赤字)。
「退屈」を示唆する “LDOCE6″。
軽視の対象であることを匂わせている。

そうなる理由は既に触れた。

カタカナの「ペーパーワーク」にも、
「ペーパードライバー」(和製語)のような
軽い響きをかすかに覚える。いかがだろうか。

  ペーパーワーク【paperwork】

  • 事務処理。事務手続き。
    (大辞林 第三版)
  • 1. 文書を扱う事務の仕事。
    書類を作成する仕事。
    2. 紙で作ること。またその作品。
    (広辞苑 第七版)

◆ “paper” とはいえ、2018年現在は、
電子版の文書が盛んに導入されている。
英語圏の記入用紙では普通に見られる書式。

社員対象の事務手続きの場合、大組織であれば、
電子的な “paperwork” の方が一般的であろう。

電子メール経由の提出や決裁が容易で、時間短縮
につながる。
デジタル署名や電子署名を用いれば、「紙」と
変わらぬ効力をもたらす。

全般的に管理しやすいのが、電子版の利点である。

電子化の流れは、時代の趨勢に沿っている。
【参照】  電子版と「自炊」

 

◆ 先に掲げた5つの例文は、不可算名詞
“paperwork” の使い方の基本を表す。

“paperwork” につながる主な単語(連語)
は、次の通り。

image.png

Oxford Collocations Dictionary for
Students of English
“(アプリ版)より転載。
※ 漢字は追加

このように「コロケーション辞典(連語辞典)」を
引けば、組むべき単語をすぐ調べることができる。

< コロケーションについて >
・ “aware
・ LDOCE(ロングマン現代英英辞典)
・ 辞書アプリ
・ 英語辞書は「紙」か「電子版」か

【実例】 ※ 辞書アプリの転載あり
threshold“、”damage“、 “scrutiny“、
backdrop“、”struggle”、”downfall“、
bombshell“、”alternative

 

 

 

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