This is not the case.
2021/02/17
(1) これは該当しない、そうではない
(2) これは事実ではない
直訳は「これは、そのケースではない」。
【趣旨】
内容を 真っ向から否定したい
◇ 「そのケース」 に該当しない
◇ これは 「無関係」 「違う」
と結論づけている。
口語使用が目立つ印象だが、文面でも使える。
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◆ 主な意味は2つ。
(1) これは該当しない、そうではない
(2) これは事実ではない
どちらかの場合も、両方使える場合もあるので、
文脈で判断する。
和訳として、「これは」の代わりに「それは」でもよいだろう。
実際、” That is not the case. ” も普通に見聞きする。
日常的には、そう厳密に区別されていない模様。
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◆ –ポイントは ” case “。
【発音】 kéis (1音節)
名詞のみの単語で、非常に多義。
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
英単語全体における位置づけは、最高レベル。
すなわち、最頻出かつ最重要の英単語。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
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◆ 名詞 “case” の基本的意味は、日本でも多用されている感がある。h
- 場合
- 事例
- 真実
- 真相
- 状態
- 訴訟
- 事件
- 該当者
こちらでもお馴染み。
- ケーススタディ ( 事例 研究 )
- ケース バイ ケース ( 一件一件 )
→ 一律ではなく、場合場合 に応じて個別対応
上記はいずれも可算名詞なので、不定冠詞 ” a ” が基本。
多義とはいえ、どうにか語源から連想可能な意味合いが大半。
「 落下 」 → 「 落ちてくるもの 」 → 「 降って(沸く)」
どれも、なんとなく厄介な雰囲気を帯びる。–
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【ご注意】
「容器」の “case” は、完全に別物。
発音・音節は同じ。
– 語源は、ラテン語 「箱」 (capsa)。
– 原義は、「握る」 「つかむ」。
– 可算名詞中心だが、他動詞「箱に入れる」もある。
【発音】 kéis (1音節)
–
◆ “This is not the case.” の “case” は、
上記の基本的意味をそのまま適用。
(1) これは該当しない、そうではない–
“case” = 事例、 場合
<直訳>
・ これはその事例ではない
・ これはその場合ではない
–
(2) これは事実ではない–
“case” = 事実、 真相
<直訳>
・ これは事実ではない
・ これは真相ではない
既記のように、これらの意味の “case” は可算名詞のため、
冠詞は “a” が原則。
だが、この用法では “the” となる。
理由は次の通り。
(1) これは該当しない、そうではない
→ その 事例、 その 場合 = 特定 の対象を指す
(2) これは事実ではない
→ 「事実」「真実」は、本質的に 1つ だけ存在する
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◆ “This is not the case.” は、その内容を強く否定する。
「 違います!」 と 言い切る勢い
よって、根拠を示す自信がない限り、やたらと使う文言ではない。
否定は簡単にできる。
だが、求めに応じて、その理由や代替案を論理的に
提示できなければ、信用は得られにくいのが現実。
- “No, this is not the case.”
(いいえ、そうでありません。)
(いいえ、これは事実でありません。)
– - “This is not the case in the US.”
(米国では、そうでないです。)
(米国では、事実でないです。)
(米国には、当てはまりません。)
– - “I guess this is not the case.”
(どうやらそうでないようです。)
(どうやら事実でないみたいです。)
※ “guess” → 他動詞・自動詞・名詞「推測(する)」
– - “If this is not the case here, then I have to think again.”
(もしそうでないなら、自分の考えを改めなければ。)
(もし事実でないなら、自分の考えを改めなければ。)
– - “My experience tells me this is not the case.”
(私の経験上、これは該当しません。)
(私の経験上、これは事実ではありません。)
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【類似表現】
“That’s a different story.”
https://mickeyweb.info/archives/15229
(それは話が違う。)