プロ翻訳者の単語帳

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This is not the case.

      2018/04/14

(1)これは該当しない、そうでない
(2)これは事実でない

直訳は「これはそのケースではない」。
他者の発言の内容を真っ向から否定する口語。
文面でも使える。

「そのケース」に該当しないため、
その発言内容は無関係ないし異なる
と結論づけている。

◆ 主な意味は2つ。
(1)これは該当しない、そうでない
(2)これは事実でない

どちらかのみの場合も、両方使える場合も
あるので、文脈で判断する。

和訳として、「これは」の代わりに
「それは」でもよい。
That is not the case.” も多用されるが、
日常的には厳密に区別されていないからである。

◆ ポイントは “case”。

名詞のみの単語で、非常に多義。
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
「ケースバイケース」(一件一件)
や「ケーススタディ」(事例研究)
でもお馴染み。

  • 語源はラテン語「落下」(casus)
  • 「落ちてくるもの」「降って(沸く)」
    から「事例」になった
  • “cascade”(滝)や “occasion”(出来事)
    と同源

◆ 基本的意味は、
「場合」「事例」「真実」「真相」
「状態」「訴訟」「事件」「該当者」

上記はいずれも可算名詞なので、
冠詞は “a” が基本。

多義とはいえ、基本は語源に合う意味中心。
上記カタカナ語のイメージに沿うので、
理解は難しくないだろう。

【注意】「容器」の “case” は完全に別物
こちらは語源がラテン語「箱」。
他動詞「箱に入れる」もある。

◆ “This is not the case.” では、
上記の基本的意味そのまま。

(1)これは該当しない、そうでない
→ “case” = 事例、場合
<直訳>これはその事例でない

(2)これは事実でない
→ “case” = 事実、真相

既記のように、これらの意味の “case” は
可算名詞のため、冠詞は “a” が原則。
だが、この用法では “the” となる。
理由は次の通り。

(1)これは該当しない、そうでない
その事例、その場合 = 特定の対象を指す

(2)これは事実でない
→ 「事実」は1つのみ

◆ “This is not the case.” は、
相手の発言内容を強く否定する。
よって、根拠を示せるほどの自信がなければ、
やたらと使う文言ではない。

否定は簡単にできる。
だが、その根拠や代替案を提示しない限り、
説得力はなく、信用は得られないだろう。

“No, this is not the case.”
(いいえ、そうでありません。)
(いいえ、これは事実でありません。)

“This is not the case in the US.”
(米国では当てはまりません。)

“I guess this is not the case.”
(どうやらそうでないようです。)
(どうやら事実でないみたいです。)

“If this is not the case here, then I have
to think again.”
(もしそうでないなら、自分の考えを改めなければ。)
(もし事実でないなら、自分の考えを改めなければ。)

“My experience tells me this is not the case.”
(私の経験上、これは該当しません。)
(私の経験上、これは事実ではありません。)


【類似表現】
“That’s a different story.”
https://mickeyweb.info/archives/15229
(それは話が違う。)

 

 

 

 

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