This is not the case.
2022/05/06
(1) これは該当しない、 そうではない、 そのことではない
(2) これは事実ではない
直訳は「 これは、そのケースではない 」。
とにかく、 確信を持って、
「 そうではない 」
と言いたい。
【 趣旨 】
内容を 真っ向から 否定したい
◇ 「 そのケース 」に該当しない–
◇ これは 「 無関係 」 「 違う 」
–
こう結論づけている。
口語使用が目立つ印象だが、文面でも使える。
–
◆ 主な意味は2つ。
(1) これは該当しない、そうではない、そのことではない
(2) これは事実ではない
どちらかの場合も、両方使える場合もあるので、文脈で判断する。
和訳として、「 これは 」の代わりに「 それは 」でもよいだろう。
実際に、この2つも日頃より見聞きする。
- That is not the case.
- That’s not the case.
指示代名詞 ” this ” と ” that ” は、日常的には、
そう厳密に区別されていない模様である。
–
◆ –ポイントは ” case “。
【発音】 kéis (1音節)
名詞のみの単語で、非常に多義。
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
英単語全体における位置づけは、最高レベル。
すなわち、最頻出かつ最重要の英単語。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
–
◆ 名詞 ” case ” の基本的意味は、 日本でも多用されている感がある。
- 場合
- 事例
- 真実
- 真相
- 状態
- 訴訟
- 事件
- 該当者
こちらでもお馴染み。
- ケーススタディ
( 事例研究 ) - ケース バイ ケース
( 一件一件 )
→ 一律ではなく、場合 場合 に応じて個別対応
上記はいずれも可算名詞なので、 不定冠詞 ” a ” が基本。
多義とはいえ、 どうにか語源から連想可能な意味合いが大半。
「 落下 」 → 「 落ちてくるもの 」 → 「 降って( 沸く )」
どれも、どことなく厄介な雰囲気を帯びる。–
–
【ご注意】
「 容器 」の ” case ” は、完全に別物。
発音・音節は同じ。
– 語源は、ラテン語「 箱 」 ( capsa )
– 原義は、「 握る 」「 つかむ 」
– 可算名詞中心だが、他動詞「 箱に入れる 」もある
【発音】 kéis (1音節)
–
◆ ” This is not the case. ” の ” case ” は、
上記の基本的意味をそのまま適用。
(1) これは該当しない
そうではない、そのことではない
” case ” = 事例、 場合
< 直訳 >
・ これはその事例ではない
・ これはその場合ではない
–
(2) これは事実ではない–
” case ” = 事実、 真相
< 直訳 >
・ これは事実ではない
・ これは真相ではない
–
既記のように、これらの意味の ” case ” は可算名詞のため、
冠詞は不定冠詞 ” a ” が原則。
だが、この用法では、定冠詞 ” the ” となる。
理由は次の通り。
(1) これは該当しない、そうではない、そのことではない
→ その 事例、 その 場合 = 特定 の対象を指す
(2) これは事実ではない
→ 「 事実 」「 真実 」は、本質的に 1つ だけ存在する
–
◆ ” This is not the case. ” は、副詞 ” not ” を用いて、
その 内容を強く否定する。
–
「 違います!」と 言い切る勢い–
–
よって、根拠を示す 自信がない限り、やたらと使う文言ではない。
否定は簡単にできる。
だが、求めに応じて、その理由や対案を論理的に
提示できなければ、信用は得られにくいのが現実。
- “No, this is not the case.”
(いいえ、そうでありません。)
(いいえ、これは事実でありません。)
– - “This is not the case in the US.”
(米国では、そうでないです。)
(米国では、事実でないです。)
(米国には、当てはまりません。)
– - “I guess this is not the case.”
(どうやら、そうでないようです。)
(どうやら、事実でないみたいです。)
※ ” guess ” → 他動詞・自動詞・名詞「 推測(する)」
– - “If this is not the case here, then I have to think again.”
(もしそうでないなら、自分の考えを改めなければ。)
(もし事実でないなら、自分の考えを改めなければ。)
– - “My experience tells me this is not the case.”
(私の経験上、これは該当しません。)
(私の経験上、これは事実ではありません。)
– - “That isn’t the case anymore.”
(もはや、そうではない。)
(もはや、それは該当しない。)
–
–
–
◆ 逆に、譲歩する際、
これまでの否定の副詞 ” not ” に代わって出てくるのが、
「 仮定・条件 」の従属接続詞 ” if ” ( もしも ~ なら )。
- If that is the case –
- If that’s the case –
- If this is the case –
仮定・条件 「 もしも、その内容通りである なら 」 の意。
(1)
もしも、 これに該当するなら ~
もしも、 そうであるなら ~
もしも、 そのことであるなら ~
–
(2)
もしも、 これが事実であるなら ~
–
しかし、 あくまでも「 仮定・条件 」の If。
「 If 関数 」の ” If ” ( 条件指定 )と重なる機能。
仮定の話では、 力説できず、 説得力もない。
それゆえ、 表題 ” This is not the case. ” にみなぎる、
「 違います!」と 言い切る勢い–
–
こうした迫力には欠ける。
それもあってか、さほど見聞きしない、地味な言い回しの印象。
【類似表現】
“That’s a different story.”
https://mickeyweb.info/archives/15229
(それは話が違う。)