プロ翻訳者の単語帳

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This is not the case.

      2021/07/20

(1) これは該当しない、 そうではない、 そのことではない
(2) これは事実ではない

直訳は「 これは、そのケースではない 」。

とにかく、確信を持って、

「 そうではない 」

と言いたい。

【 趣旨 】
内容を 真っ向から 否定したい

◇  「 そのケース 」 に該当しない
◇   これは 「 無関係 」 「 違う 」

と結論づけている。

口語使用が目立つ印象だが、文面でも使える。

◆  主な意味は2つ。

(1) これは該当しない、そうではない、そのことではない
(2) これは事実ではない

どちらかの場合も、両方使える場合もあるので、文脈で判断する。

和訳として、「 これは 」の代わりに「 それは 」でもよいだろう。

実際に、この2つも日頃より見聞きする。

  •  That is not the case. 
  •  That’s not the case. 

指示代名詞  ” this ” と ” that ” は、日常的には、
そう厳密に区別されていない模様である。

ポイントは ” case “。

【発音】  kéis  (1音節)

名詞のみの単語で、非常に多義。

可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

英単語全体における位置づけは、最高レベル。
すなわち、最頻出かつ最重要の英単語。

  •  重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  •  書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  •  話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  •  ” case ” の語源は、ラテン語 「 落下 」 ( casus )
  • 落ちてくるもの 」  →  「 降って( 沸く )
    から  「 事例 」 になった
  •  ” cascade “(滝)  や  ” occasion ” (出来事) と同源


◆  名詞 ” case ” の基本的意味は、 日本でも多用されている感がある。

  •  場合 
  •  事例 
  •  真実 
  •  真相 
  •  状態 
  •  訴訟 
  •  事件 
  •  該当者 

こちらでもお馴染み。

  •  ケーススタディ
    ( 事例研究 )
  •  ケース バイ ケース
    ( 一件一件 )
    →  一律ではなく、場合 場合 に応じて個別対応

上記はいずれも可算名詞なので、不定冠詞 ” a ” が基本。

多義とはいえ、どうにか語源から連想可能な意味合いが大半。

「 落下 」 → 「 落ちてくるもの 」 → 「 降って(沸く)

どれも、どことなく厄介な雰囲気を帯びる。

【ご注意】

「 容器 」の ” case ” は、完全に別物

発音・音節は同じ。

–  語源は、ラテン語 「箱」 (capsa)
–  原義は、「握る」 「つかむ」
–  可算名詞中心だが、他動詞「箱に入れる」もある

【発音】  kéis  (1音節)

◆  ” This is not the case. ” の ” case ” は、
上記の基本的意味をそのまま適用。

(1)  これは該当しない
そうではない、そのことではない

” case ”  =  事例 場合

< 直訳 >
・  これはその事例ではない
・  これはその場合ではない

(2)  これは事実ではない

” case ”  =  事実 真相

< 直訳 >
・  これは事実ではない
・  これは真相ではない


既記のように、これらの意味の ” case ” は可算名詞のため、
冠詞は ” a ” が原則。

だが、この用法では  ” the ”  となる。

理由は次の通り。

(1) これは該当しない、そうではない、そのことではない

→  その 事例、 その 場合  =  特定 の対象を指す

(2) これは事実ではない

→  「事実」「真実」は、本質的に 1つ だけ存在する


◆  ” This is not the case. ” は、副詞  ” not ” を用いて、
その 内容を強く否定する。

「  違います! 」 と 言い切る勢い 


よって、根拠を示す 自信がない限り、やたらと使う文言ではない。

否定は簡単にできる。

だが、求めに応じて、その理由や対案を論理的に
提示できなければ、信用は得られにくいのが現実。

  • “No, this is not the case.”
    (いいえ、そうでありません。)
    (いいえ、これは事実でありません。)
  • “This is not the case in the US.”
    (米国では、そうでないです。)
    (米国では、事実でないです。)
    (米国には、当てはまりません。)
  • “I guess this is not the case.”
    (どうやら、そうでないようです。)
    (どうやら、事実でないみたいです。)
    ※  ” guess ”  →  他動詞・自動詞・名詞「 推測(する)」
  • “If this is not the case here, then I have to think again.”
    (もしそうでないなら、自分の考えを改めなければ。)
    (もし事実でないなら、自分の考えを改めなければ。)
  • “My experience tells me this is not the case.”
    (私の経験上、これは該当しません。)
    (私の経験上、これは事実ではありません。)




◆  逆に、譲歩する際、

これまでの否定の副詞  ” not ”  に代わって出てくるのが、
「 仮定・条件 」の従属接続詞  ” if ” ( もしも ~ なら )。

  •  If that is the case – 
  •  If that’s the case – 
  •  If this is the case – 

仮定・条件 「 もしも、その内容通りである なら 」 の意。

(1)
もしも、 これに該当するなら ~
もしも、 そうであるなら ~
もしも、 そのことであるなら ~

(2)
もしも、 これが事実であるなら ~


しかし、あくまでも「 仮定・条件 」。

仮定の話では、力説できず、説得力もない。

それゆえ、表題  ” This is not the case. ”  にみなぎる、

「  違います! 」 と 言い切る勢い 

みたいな迫力には欠ける。

そのためか、めったに見聞きしない、地味な言い回しの印象。

 

 

【類似表現】

“That’s a different story.”
https://mickeyweb.info/archives/15229
(それは話が違う。)

 

 

 

 

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