Loud and clear.
2021/02/22
はっきり聞こえています。 了解です。
音声または相手の発言が「ちゃんと聞こえている」
ことを伝える決まり文句。
◆ “loud” には、形容詞と副詞がある。
主に形容詞で使われ、音が「大きい」。
【発音】 láud (1音節)
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◆ “clear” は、形容詞・副詞・他動詞・自動詞・名詞。
同じく形容詞が主で、「明瞭な」。
【発音】 klíər (1音節)
よって、直訳は「 大きく、明瞭な 」。
◇ 3語完結 ” Loud and clear. ”
→ 通常は、次のいずれかの省略表現
-
I hear you loud and clear.
-
I read you loud and clear.
2文の意味はほぼ同じで、「はっきり聞こえています」。
ひいては「 十分理解しました 」「 了解です 」。
ここでの “read” は「読書する」「読み取る」ではない。
【発音】 ríːd (1音節)
「聞き取る = hear 」または「理解する」を意味する
他動詞 “read” の現在形。
“Loud and clear.” は、無線(radio)の応答でも使われている。
–
◆ 時に、
「 分かったよ、くどいな! 」
<反発>を帯びる場面もある。
言い方と表情で、ほぼ区別できる。
日本語の「 了解! 」でも同様だろう。
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■ “Loud and clear.” は、平易な3単語で構成されている。
幼児でも分かる水準で、すべて1音節(one syllable)。
英語母語話者(ネイティブ)にとって、発音しやすく、歯切れもよい。
意味合いが単純で、聞き取りやすい。
→ 音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照
–
■ 同時に「承知いたしました」のような、丁寧さは乏しい 印象。
丁重で落ち着いた物腰とは無縁の言い回し。
とはいえ、格別に無礼でもない。
まさに「 了解! 」といった感じ。
よって、主に身内(社内)に対して使われる。
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- 日本語の「 了解です 」は、同僚・目下に対して使う。
- 謙譲語「 承知いたしました 」は、目上・対外もOK。
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◇ ただし、「了解」には、いくつか異説がある。
世間一般に知られる2つを、ざっくり述べると、
- 「軍隊説」
→ 上官への返事に使う言葉だから、無礼は一切ない
– - 「CA説」
→ 元CAのマナー講座が出所だから、さほど無礼はない
※ CA = 客室乗務員( cabin attendant )
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◆ 気になるため、日本最大の国語辞典と名高い『日国』
の該当項目をご紹介してみる。
それぞれ全文。
『日本国語大辞典 第二版』第13巻、p. 932、
小学館(2001年刊)より転載
詳細な「用例」「語源」「発音」はさすがに立派だが、
区分の視点からは、さして参考にならない語釈である。
–
- “Do you understand what I mean ? ”
“Loud and clear.”
(私の言ってること分かる?)
(了解です。)
– - “Did you hear what I said ? ”
“Loud and clear.”
(私の言ったこと聞こえた?)
(ええ、はっきりと。) ※ 反発・嫌味を含む場合も
– - “Am I clear?”
“Loud and clear.”
(言っていること分かる?)
(ええ、はっきりと。)
– - “I heard you loud and clear.”
(ええ、はっきりと聞こえました。)
私の言ったこと聞こえた?ー
ええ、はっきりと。
ー
ー
【類似表現】
“I got it.”
https://mickeyweb.info/archives/3516
(了解です。分かりました。)
“Got you.”
https://mickeyweb.info/archives/11802
(分かった。了解。)
–
“crystal clear”
https://mickeyweb.info/archives/28178
(非常に明確な)
“send a clear signal”
https://mickeyweb.info/archives/12260
(明確なメッセージを送る、警告を送る)