The world needs -
2020/01/05
~を本当に必要としている
直訳は「世界は~を必要としている」。
必要性を強調する表現であり、必ずしも
<世界規模>の必要性があるという意味でない。
「それがあれば、もっと住みよい世の中になる」
ぐらいの意味合い。
「世の中」=
1. 世間。社会。また、世間の時勢。世間の人情。
世間の傾向。世情。
「世間」
4. 社会。世の中。また、世の中の人々。
「世」=
7. 人間が生活していく場としての、
さまざまな人間関係・社会関係を総括していう。
また、その一般的な趨勢や時流を言う。
世の中。社会。世間。時勢。
(広辞苑 第六版)
少々大げさな言い回しではある。
だが、たとえ小規模な影響であっても、関係者
にとっては、大きな違いをもたらすと考えて用いる。
つまり、その対象の実力を認め、持ち上げる褒め言葉。
相手が人間であれば、おだてる目的で使うこともある。
ここでの “the world” は、“global” に限定されず、
“local” も含む「世の中」全体を指すのが一般的
◆ “world” には、名詞と形容詞がある。
語源は、古英語「人間の時代」(weorold)。
基本的意味は、カタカナ「ワールド」の
イメージ通りで、名詞「世界」「世間」「人類」。
上掲の広辞苑の語釈と重なる。
形容詞は、「世界の」「世界的な」。
名詞 “world” は、英単語として最頻出かつ最重要。
口語・文面とも、頻出度は<トップ1000語以内>。
重要度も<トップ3000語以内>。
両方とも、最高ランクである。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)
この場合、定冠詞 “the” をつけて、”the world”
と表記するのが通例。
よって、基本用法では “the” がつく。
一方、不定冠詞 “a” がつくのは、
「多数の」「はるかに」「大きな」を意味する
副詞的な使い方を主とする。
- “a world of difference”
(大きな違い) - “a world of opportunity”
(多くの機会)※ “a world of” は、”worlds of” と同義
【参照】”a ton of / tons of“
その他にも、特定の領域を指す時に “a” を用いる。
- “a girl’s world”
(少女の世界) - “a world of – ”
(~の世界)
名詞 “world” は、可算名詞または単数名詞
扱いされ、不可算名詞にはならないとされる。
「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞。
英英辞書では “S” または “sing” と略記される。
◆ “need” には、助動詞・他動詞・自動詞・
名詞がある。
語源は、古英語「必要」(nēd)。
ここでは、他動詞「必要とする」で、
基本そのものである。
名詞 “world” は、単数扱いなので “needs“。
“The world needs more like him.”
(この世には、この方のような人がもっと
必要です。)
“The world needs more of you.”
(世界はあなたにもっと期待している。)
“The world needs more torelants.”
(世界は寛容さをもっと必要としている。)
“What the world needs now is love”
(世界は愛を求めてる。)
“The world needs to invest in peace.”
(世界は平和に投資する必要がある。)
◆「大げさ」と先述したが、これは日本語
にも見られる傾向で、「世界」を加える
ことで強調することはよくある。
“in the world” =
used to emphasize what you are saying.
(ロングマン、LDOCE6)
“I am the happiest person in the world.”
(私は世界一の幸せ者。)
“She is the smartest person in the world.”
(彼女は世界一賢い人間。)
“Tokyo is my favorite place in the world.”
(東京こそ、私が世界一好きな場所。)
言うまでもなく、世界を知り尽くすことは
不可能なので、「世界一」と表す時点で、
はったりをかけていると思われても不思議でない。
その割には、「世界一」も “in the world” も、
日常的に見聞きする。
<世界への憧れ>は大勢に共通する普遍的な特徴
なのかもしれない。