Sugarcoat
2020/01/04
体裁をよく見せる
他動詞のみの動詞で、基本的意味は2つ。
(1) 砂糖をまぶす
(2) 体裁をよく見せる
“sugar-coat” とハイフンを入れる表記もあるが、
使い方は同じ。
派生する形容詞 “sugarcoated” についても、
それぞれ取り上げる。
時事ニュースやビジネスの用法は (2) が中心。
よって、本稿では (2) に焦点を当てる。
(1) 砂糖をまぶす
名詞 “sugar”(砂糖)+
他動詞 “coat”(~の表面を覆う)
だから「砂糖で覆う」。
【発音】 ˈʃʊɡ.ɚ.koʊt
文字通りの意味である。
「砂糖」を使う場面に限られるので、用途は限定される。
すなわち、調理・料理で使う場合がほとんど。
- “Sugarcoat the beans to make them soft.”
(豆を砂糖でまぶしてやわらかくする。)
調理以外では、形容詞 “sugarcoated” が多用される。
糖分で包んだ食品や医薬品(糖衣)の状態を表す。
- “sugarcoated donuts”
(砂糖をまぶしたドーナツ)
– - “sugarcoated tablets”
“sugarcoated pills”
(糖衣錠)
(2) 体裁をよく見せる
ニュース・ビジネスでは、この用法中心。
(1) の「砂糖で覆う」から転じて、
「うわべを飾る」
「見かけをよくする」
さらには、
「お涙頂戴にする」(過剰に感傷的にする)
甘い砂糖になぞらえて、上面を虚飾する行為を表す。
つまり故意に体裁をよくすること。
この由来からして、ネガティブイメージ満載。
悪事に及ばずとも、<ずるい印象>は付きまとう。
- “The author sugarcoated the actor’s flaws.”
(作者はその役者の欠点を取り繕った。)
– - “I did not sugarcoat the truth.”
(私は事実を虚飾しなかった。)
– - “We don’t need to sugarcoat the issue.”
(問題の体裁をよくする必要はない。)
–
- “Let’s set the record straight, don’t try to sugarcoat it.”
(体裁は不要、それより事実を明らかにしましょう。)
– - “She sugarcoated her story to get attention.”
(注目を浴びるため、彼女は話をお涙頂戴に仕立て上げた。)
◆ 派生した形容詞 “sugarcoated”(体裁のよい)
もよく使われる。
“sugarcoated”
used to describe something that is made to seem
better than it really is.
(ロングマン、LDOCE6)
- “She refused to accept sugarcoated lies.”
(取り繕った嘘を彼女は拒絶した。)
– - “I don’t want your sugarcoated promises.”
(あんたのうわべだけの約束なんていらんよ。)
– - “He wrote a sugarcoated article.”
(彼は体裁のよい記事を書いた。)