プロ翻訳者の単語帳

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I hope you understand.

      2019/05/14

ご理解いただければ幸いです。

相手の要望に応えられない場合や、
関係を絶つに重宝する末尾の一文。

対面でもOK。

つまり、口頭・文面とも活用できる。

特に、人間関係を自分側から終えたい時、
 一方的な印象を与えることなく
 一方的に断ち切る ことができて便利。

明示する理由に加えて、深い事情があることを
暗示するためか、反発されにくい利点がある。


◆ 私自身、日英とも何度使ってきたことか。

“I hope you understand.”
「ご理解いただければ幸いです」

このようにお願いされると、厳しく追及することは
ためらわれるように感じる。

いかがであろう。

 

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先にも少し触れたが、これを用いるには、
断る理由を明らかにする必要がある。

  理由は必ずしも本当のことである必要はない。
  目的は無難に断ること。

くどくど説明されても、断られる側にとって、
不快感が増長することもある。

その後の展開や相手の心情を推察し、状況に適した
理由を設ける方が、実社会では円滑な対応とされたりする。

結果的に、それが全体のためになるからである。

社会人ならば、経験上理解できる理屈だろう。

【参照】
Thank you for waiting.
(お待たせしました。)

 

◆ この場合、「うそ」と言っても、悪意のない
white lie“(または “social lie”)と称すべきもの。

”white lie”

a lie that you tell someone in order to

protect them or avoid hurting their feelings.

(ロングマン、LDOCE6)

【和訳】
相手をかばったり、心を傷つけたりしない
ようにする目的でつくうそ

衆生界は “white lies” だらけ。

現に<お上手><お追従>の得意な人が出世したりする。

“white lies” を駆使するのもどうかと思うが、
角立った言動を自制し、他人の反感・嫉妬を
遠ざけることは、世渡りには大切。

だから、自分に都合悪いことを断る際の救世主
“I hope you understand.” は覚えておこう。

◆ 文法面は基礎レベル。

  • 人称代名詞の主格 “I“(私は)
  • 他動詞 “hope“(望む)(願う)
  • 人称代名詞の主格 “you“(あなたが)
  • 自動詞 “understand“(理解を示す)

直訳は「私はあなたが理解を示すことを願います」。

転じてご理解いただければ幸いです

基礎レベルだが、<初学者レベル>ではない。
なぜなら、ここでの “understand” は自動詞

「理解する」ではなく、「理解を示す」の意味。

そう簡単でもないのだ。

◆ “understand” は、他動詞「理解する」「分かる」
の方が頻出。

  • “I understand English.”
    (英語が分かる)
  • “I don’t understand how to use this tool.”
    (この道具の使い方が分からない。)
  • “He doesn’t understand the significance.”
    (この重要性が彼は理解していない。)

◆ 一方、自動詞の代表例は次の通り。
目的語がなくても、意味が完結する。

  • “Do you understand ? ”
    (分かりますか。)
  • “I understand.”
    (分かります。)(分かりました。)
  • “I hope god would understand.”
    (神様が理解を示してくださることを願う。)
    (神様が分かってくださればと願っている。)

“understand” の場合、自他動詞の意味に大差はない。
そのため、区別を意識する機会は日常使用ではほぼない。

直訳の「私はあなたが理解を示すことを願います」を、
「私はあなたが理解することを願います」としても、
間違いとまでは言えないだろう。

しかし、「理解する」と「理解を示す」の意味合い
はやはり異なる。

とにかく、ここでは自動詞であることを、知識として
押さえておくとよい。

 

たった4語で、これほど使い道が広い言い回しは珍しい。

“I hope you understand.”

断り文言として、非常に有効であるばかりでなく、
相手を不用意に傷つけない。 “white lie” に重なる効果。

いわば、”a win-win” フレーズだと私は考える。

その理由は、押し付けがましさがなく、
角が立ちにくい から。

動詞 “hope” の特色

類語動詞 “wish”、”expect”、”want” に比べ、
“hope” にはほんわかとした語感がある。

これらに対し、”hope” は、

実現可能性の高いものを信じ、望みつつ待つ。

  のんびり安らかで、攻撃的な要素がない。

前向きでポジティブな単語として、安定感がある。

【関連表現】

“high hopes”
https://mickeyweb.info/archives/5827
(大きな期待)

“Hope this helps.”
https://mickeyweb.info/archives/6691
(ご参考になれば幸いです。)

“hopefully”
https://mickeyweb.info/archives/26621
(できることなら)


◆ “hope” が、日本を代表するタバコ名として、
長年親しまれてきたのも不思議でない。

<発売当時のキャッチコピー>
あなたの夢を生かした新しいたばこ

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◆ サイドビジネスとして、私が長年関わっている
のが海外輸出。

※ 私の パラレルキャリア は こちら

今年2018年の新年早々、数年来の海外顧客に<取引停止>
を申し入れた。

当方をコンシェルジュか何かと勘違いしているかの
ような、しつこくお門違いな要求に辟易したため。

その際に送ったメールの一部がこちら。
救世主は末文に据えた。

I think this is no longer a good deal for both of us.
I have a lot of other businesses besides this and a
day job as well.

This is becoming too much for me.

So let’s call it quits.
I hope you understand.

これに対する返信は、
“It’s fine and thanks for your past service.”

恬淡なものだ。
あの執拗さはどこへ、と肩透かしを食らった感じ。

 

◆ 断り表現として、表題と同レベルで役立つのがこれ。

 “I don’t feel comfortable.” 

(適切だと思いません。)

怠惰な他部門から仕事を丸投げされた際、
私はよく使っている。

 

◆ 断る行為は、下手すれば尾を引く。

「その場限りの関係に過ぎないから」
とその時には考えても、人生は多分に巡り巡る

未来は誰にも分からない。

したがって、お断りの際も、邪険に扱うこと
なく、念のため気を配っておく方がよいだろう。

 

 

 

 

 

 

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