プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

I hope you understand.

      2021/04/20

ご理解いただければ幸いです。

相手の要望に応えられない 場合や、
関係を絶つ に重宝する末尾の一文。

対面で用いてもOK。

つまり、口頭・文面とも活用できる。

◇  特に、人間関係を自分側から終えたい時、

 一方的な印象を与えることなく
 一方的に断ち切る 

ことができて便利。

明示する理由に加えて、深い事情があることを
暗示 するためか、反発されにくい利点がある。

◆  助動詞( 下線部 )を加えた、こちらの2つも同趣旨。

  • I hope you would understand.
  • I hope you will understand.


◆  私自身、日英とも何度使ってきたことか。

” I hope you understand. “
「 ご理解いただければ幸いです。」

このようにお願いされると、厳しく追及することは、
ためらわれるように感じる。

いかがであろう。

 


◆  先にも少し触れたが、これを用いるには、
断る理由を明らかにする必要がある。

しかし、

  理由は、必ずしも本当のことである必要はない。
  目的は、無難に断ること。

くどくど説明されても、断られる側にとって、
不快感が増長することもある。

その後の展開や相手の心情を推察し、状況に適した
理由を設ける方が、実社会では円滑な対応とされたりする。

結果的に、それが全体のためになる からである。

社会人ならば、経験上理解できる理屈だろう。

【参照】  ” Thank you for waiting. ”

 

◆  そもそも、内部事情を事細かに、述べねばならぬ義務はない。

詳細など、部外者は「 知る必要がないこと 」。

Don’t  Need  To  Know “
( 知る必要がないこと )

ビジネスでは、こう表現する場面。

頭文語( acronym )は、” DNTK “。

情報管理上、情報伝達の範囲を絞る。

知らなくてよい人には、知らせない。

「 知る必要がない 」 のだから、これでよい。

きつめで、感情的な単語 ” need ” を起用。

【参照】  ” originally

 

◆  この場合、「 うそ 」と言っても、冷ややかな悪意のない、
” white lie ” ( または ” social lie ” ) と称すべきもの。

” white lie ”

a lie that you tell someone in order to

protect them or avoid hurting their feelings.

(ロングマン、LDOCE6)

【 参考和訳 】

相手をかばったり、心を傷つけたりしない
ようにするため、他者に言ううそ

【発音】  ˌwaɪt ˈlaɪ


◆  衆生界は  ” white lies ”  だらけ。

現に、< お上手 > < お追従 > の得意な人が出世しがち。

” white lies ” を駆使するのもどうかと思うものの、
角立った言動を自制し、他人の反感・嫉妬を遠ざけることは、
世渡りに必須。

だから、自分に都合悪いことを断る際の救世主
” I hope you understand. ” は覚えておこう。

◆  文法面は基礎レベル。

  • 人称代名詞の主格  “I” (私は)
  • 他動詞  “hope” (望む)(願う)
  • 人称代名詞の主格  “you” (あなたが)
  • 自動詞  “understand” (理解を示す)

直訳は「 私はあなたが理解を示すことを願います 」。

転じて「 ご理解いただければ幸いです 」。

基礎レベルだが、<初学者レベル>ではない。

なぜなら、ここでの “understand” は 自動詞

【発音】   ʌ̀ndərstǽnd
【音節】   un-der-stand  (3音節)

「理解する」ではなく、「 理解を示す 」の意味。

和訳では違いを感じがたいが、実はそう簡単でもないのだ。

◆  “understand” は、他動詞「 理解する 」「 分かる 」
の方が頻出。

  • “I understand English.”
    (英語が分かる)
  • “I don’t understand how to use this tool.”
    (この道具の使い方が分からない。)
  • “He doesn’t understand the significance.”
    (この重要性が彼は理解していない。)


◆  一方、自動詞 の代表例は次の通り。

目的語がなくても、意味が完結する。

  • “Do you understand ? ”
    (分かりますか。)
  • “I understand.”
    (分かります。)(分かりました。)
  • “I hope god would understand.”
    (神様が理解を示してくださることを願う。)
    (神様が分かってくださればと願っている。)

 

 

◆  “understand” の場合、自他動詞の意味合いに大差はない。

そのため、区別を意識する機会は、日常使用ではほぼ生じない。

直訳の「私はあなたが理解を示すことを願います」を、
「私はあなたが理解することを願います」としても、
間違いとまでは言えないだろう。

それでも、「理解する」と「理解を示す」ではやはり異なる。

とにかく、ここでは 自動詞 であることを、知識として
押さえておくとよい。

 

◆  たった4語で、これほど使い道が広い言い回しは珍しい。

” I hope you understand. “

断り文言 として、非常に有効であるばかりでなく、
相手を不用意に傷つけない。

“white lie” に重なる効果。

いわば、”a win-win” フレーズだと私は考える。

その理由は、押し付けがましさがなく、
角が立ちにくい から。

◇  動詞  ” hope ”  の特色

類語動詞  ” wish “、” expect “、” want ” に比べ、

“hope” には  ほんわかとした語感  がある。


 これらに対し、” hope ” は、

実現可能性の高いものを信じ、望みつつ待つ。

  のんびり安らかで、攻撃的な 要素がない。

前向きでポジティブな単語として、安定感がある。


◆  
” hope ” には、名詞・他動詞・自動詞があり、
「 希望 」で意味合いが一貫している。

語源は、古英語「期待」(hopian)。

ここでは名詞。

【発音】  hóup  (1音節)

 

【関連表現】

“high hopes”
https://mickeyweb.info/archives/5827
(大きな期待)

“Hope this helps.”
https://mickeyweb.info/archives/6691
(ご参考になれば幸いです。)

“hopefully”
https://mickeyweb.info/archives/26621
(できることなら)


◆  “hope” が、日本を代表するタバコ名として、
長年親しまれてきたのも不思議でない。

< 発売当時のキャッチコピー >

あなたの夢を生かした新しいたばこ

◆  サイドビジネスとして、私が長年関わっている
のが海外輸出。

※  私の パラレルキャリア は こちら

今年2018年の新年早々、数年来の海外顧客に<取引停止>
を申し入れた。

当方をコンシェルジュか何かと勘違いしているかの
ような、しつこくお門違いな要求に辟易したため。

その際に送ったメールの一部がこれ。
救世主は末文に据えた。

I think this is no longer a good deal for both of us.
I have day job and a lot of other businesses besides this.

This is becoming too much for me.

So let’s call it quits.

I hope you understand.

これに対する返信は、
“It’s fine and thanks for your past service.”

恬淡なものだ。
あの執拗さはどこへ、と肩透かしを食らった感じ。

 

◆  断り表現として、表題と同レベルで役立つと考えるのがこちら。

I don’t feel comfortable.”

「私には適切だと思えません。」

怠惰な他部門から 仕事を丸投げ された際、
私はよく使っている。

 

◆  断る行為は、下手すれば尾を引く。

「 その場限りの関係に過ぎないから 」

その時には、こう考えても、人生は多分に巡り巡る

未来は誰にも分からない

おまけに、相手がどのタイミングで花開くかも未知数。

目上になる可能性すらありうる。

したがって、お断りの際も、邪険に扱うことなく、
気を配っておく方がよいだろう。

 

 

 

 

 

 

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