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Give – chills

      2019/12/19

~をぞくぞくさせる、~をぞっとさせる

  • This movie gives me chills.
  • This movie gives me the chills.
    (この映画にはぞくぞくする。)

ぞくぞくする時に使う名詞が “chill”。

その原因を問わない(後述)ため、
文面のみでは詳細は分からない。

その映画が、恐怖系なのかアクション系
なのか、はたまたピンク映画なのか。

この発言だけでは、不明ということ。



冷蔵「チルド」は “chilled” で、”chill” の形容詞。
冷たい」イメージを貫くので、理解は難しくない。

◆ “chill’ には、名詞・形容詞・他動詞・自動詞がある。

【発音】  tʃíl

語源は、古英語「冷たい」(cele)。
基本的意味は、この語源に沿う。

– 名詞「冷気」「悪寒」「恐怖」
– 形容詞「冷たい」「憂鬱な」
– 他動詞「冷やす」「冷ます」
– 自動詞「冷える」「冷静になる」

全品詞で意味合いが一貫する。
まさに「チルド」な感じ。

一方で、”chill” には俗語も多い。

意味が単純な上、発音(tʃílしやすい摩擦音の
1音節なので、派生しやすかったのだろう。

<俗語 “chill” の代表例>

  • 殺す
  • 気絶させる
  • かっこいい

どれも語源「冷たい」を下地にしている。

例えば、「殺す」と冷たくなるから、他動詞「殺す」。
また、”chill” → “cool” で、形容詞「かっこいい」。

上掲の基本的意味にも通じるので、分かりやすい。

◆ 表題では名詞。

「冷気」「悪寒」「恐怖」のどれを取っても
ぞくぞくするため、
「ぞくぞく」「ぞくっと」「ぞっと」する感じ
をも意味する可算名詞(※)

“chill” を単数名詞とする英英辞典も多い。

「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞。

英英辞書では “S” または “sing” と略記される。

◆ 先述のように、ぞくぞくの原因は不問。

そこで、『広辞苑 第七版』(※) を用いて、
ネガティブ感情(青)、ポジティブ感情(赤)
に色分けしてみた。

区分けは、常識的な感覚に基づく。

※ 2018年1月18日 初稿時点の最新版

 ■ぞくぞく
1.寒さ恐怖で、肌が粟立つような震えや冷気
感じるさま。
2.期待や快い興奮で気持が高ぶるさま。わくわく。

【参照】”tingling sensation“(ぞくぞくする感覚)

 ■ぞくっと
副詞
1.身震いするような寒気を感じるさま。
2.身震いするような恐怖感動を覚えるさま。

 ■ぞっと
副詞
1.寒気畏怖恐怖などで瞬間的に心身が縮む
ような冷気を感じるさま。
2.身体が震えるほど感動するさま。

(広辞苑 第七版)

ネガポジ両方をカバーすることが明らか。

冒頭の映画が、怖いのかエロいのか不明なわけだ。

 ■「エロい
《形》
(「エロ」の形容詞化)
好色である。官能的である。

(広辞苑 第七版)

 ※ 第七版(2018年1月発売)に初登場!

なお、日本語の「ぞくっと」と「ぞっと」は副詞。

表題 “give – chills” の “chills” は名詞だが、
他動詞 “give”(与える)を伴っている。

“give – chills” 全体で、「ぞくっとする」
「ぞっとする」なので、副詞と名詞の違いは
さほど問題ではない。

◆ “give – chills” のダッシュ部は目的格。

つまり、ぞくぞくした人を入れる。

人称代名詞の目的格は、
me / you / him / her / us / them / it。

具体的な人名(John など)でもよい。
実際には、人称代名詞が多めの印象がある。

◆ “chills” の “chill” は可算名詞。

よって、単数は “a chill”。
“give – a chill” でも間違いではない。

だが、複数形の方が一般的で、出番も多い。
そのため、表題も複数形にした。

他動詞 “give”(与える)の活用形は、
gives – giving – gave – given

ぞくぞくの発生状況から、”give” と “gave”
が中心となる。

◆ “give – chills” と “gave – chills” のいずれ
にしても、和訳は工夫する必要がある。

なぜなら、他動詞 “give” の直訳「与える」または
「させる」のままでは、不自然な日本語となる場合
が多いから。

日本語の助動詞「させる」は「使役(しえき)」。
何らかのの動作を他者にさせる意味。

主語が人間またはその言動であれば、不自然でもない。

しかし、それ以外の場合、特に無生物の場合、
誤訳と言えないまでも、奇妙に聞こえがち。

冒頭の2文を例にとる。

This movie gives me chills.
This movie gives me the chills.

【直訳】この映画は私をぞくぞくする感じを与える

→ この映画は私をぞくぞくをさせる
→ この映画に私はぞくぞくする

より自然にするため、主語「私」を削り(※)、
「この映画にはぞくぞくする」。

※ 日本語では、主語をやたらとつけない

“the” の有無は問わない。どちらも使われている。

何度も述べているように、状況次第で解釈が
違ってくる言い回しだが、それは日本語でも同じ。

ご紹介した広辞苑の語釈の通り、さまざまな「ぞくぞく」がある。

具体的な様子が判明した際に、

  • 恐怖におののく
  • 残忍さに身の毛がよだつ
  • めちゃくちゃ興奮する

などと的確に訳せばよい。

  • “Your sad story gives me chills.”
    (あなたの悲しい話にはぞくぞくする。)
  • “Her songs give John chills.”
    (彼女の歌はジョンをひどく興奮させる。)
  • “His sharp glance gave her chills.”
    (彼の鋭い視線に彼女はびびった。)
  • “Turbulence gave me the chills.”
    (乱気流におののいた。)
  • “The picture of the bodies gave me chills. ”
    (死体の写真を見て、身の毛がよだった。)
  • “Her thank-you letter gave me chills.”
    (彼女の感謝の手紙にいたく感動した。)

 

【類似表現】

  • send a chill down – spine
  • send chills up – spine
    (~をぞっとさせる)
    【直訳】脊柱(spine)にぞっとする感じを送る

ダッシュ部には、所有格。

人称代名詞なら、
my / your / his / her / their / our。

※ ここでも “chill” は単複不問。

多用されるのは、<down> 単数、<up> 複数

 

  • a chilly stare
  • a chilly look
    (冷たい視線)
    ※ “look” の方は「冷たい面持ち」も意味する

 

 

 

 

 

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