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Under scrutiny

      2020/10/30

調査中 

  • NFL team under scrutiny for cheerleader trip
    (チアリーダーの出張でNFLチームに調査)
  • EPA pesticide settlement comes under scrutiny
    (環境庁の農薬合意に調査が入る)
  • Major News Outlets Under Scrutiny
    (大手報道機関を調査)
  • X Board’s expense report policies
    come under scrutiny
    (X社取締役会の経費報告書規定に調査)
  • Short-term rentals come under scrutiny
    (短期民泊に調査が入る)

上記5点とも、過去1週間以内のニュース見出し。
今月2018年5月初旬に発表された記事ばかり。

どれも “under scrutiny” の典型的用法。
こんな感じで、年がら年中見出しに踊る。

和訳は一例。
“scrutiny” の定訳が「調査」なので、こう訳した。

  •  関係者による 内部調査
  •  第三者機関による 厳格な調査
  •  世間一般の 厳しい目
  •  取り調べの代わりの 監視

いずれも “under scrutiny” で表わせる (緑字)。

こうしてあいまいさが漂うため、調査の種類を
的確に和訳するには、本文を読み込む必要がある。

これが “scrutiny” の特色のひとつ。

【発音】   skrúːtəni
【音節】   scru-ti-ny  (3音節)

品詞は名詞のみ。

語源は、ラテン語「探す」(scrūtārī)。

不可算名詞(uncountable)である。

※  「可算名詞」を併記する辞書もある
→  『ジーニアス英和大辞典』 など

“scrutiny”
uncountable

  • careful and thorough examination of
    someone or something.

    (ロングマン、LDOCE6)
  • careful and thorough examination.
    (オックスフォード、OALD9)
  • the careful and detailed examination of
    something i
    n order to get information
    about it.

    (ケンブリッジ、CALD4)

    ※  下線は引用者

【発音】   skrúːtəni
【音節】   scru-ti-ny  (3音節)

多義ではない。

3大学習英英辞典(EFL辞典)の語釈の共通項は、
青字  “ careful ” と  “ examination “。

下線の “thorough” と “detailed” も、「詳細な」。

よって、要旨は、

慎重で詳細な examination

先の緑字のようなばらつきの一因に、”examination” が
関係すると見当がつく。

“examination” と言えば、まずは可算名詞の
「テスト」「試験」「検査」。

「入学試験」「検死」「健康診断」も表す。

“examination” の略は、“exam”。

【発音】   igzǽm
【音節】   ex-am  (2音節)

いずれも該当しないのは明らかなので、除外。
その他の意味は、以下の通り。

“examination”
countable, uncountable

  • the process of looking at something carefully
    in order to see what it is like.

    (ロングマン、LDOCE6)
  • the act of looking at or considering something
    very carefully.

    (オックスフォード、OALD9)
  • the act of looking at or considering something
    carefully in order to discover something.

    (ケンブリッジ、CALD4)

    ※  下線は引用者

【発音】   igzæ̀mənéiʃən
【音節】   ex-am-i-na-tion  (5音節)

こちらの共通項は “looking at” と “carefully”。

「慎重に見て調べる」の意。

“looking” なので、「厳しい目」や「監視」(緑字)も、
どうにか説明できる。

 

じっくり調べる

 

以上より、”scrutiny”  =  「慎重で詳細な examination」は、
「慎重で詳細に見て調べる」行為を指すことになる。

定訳が「調査」なのは、無難な選択であろう。

「調査」
ある事項を明確にするためにしらべること。とりしらべ。

「調べる」
(4)かれこれ照らし合わせて考える。
(ア)点検する。調査する。研究する。
(イ)糾明する。尋問する。

(広辞苑 第七版)

「調べる」
(1)物事を明らかにするために、観察したり
尋ねたり、本を読んだりする。調査する。

(大辞林 第三版)

冒頭の見出しには「厳しい目」が注がれるとの意味の
“under scrutiny” も含まれる。  「監視」も同様。

実際に記事を読んでみて分かったことである。

具体的な調査の着手を報じる内容ではなく、
疑いが浮上し、大いに注目されている様子を示唆
している。

これを「調査」と和訳するのは、不自然な気もするものの、
国語辞典の青字に該当すると考えることは可能であろう。

すなわち、注目されているだけであっても、「調査」と称する
のは間違いではない。

たとえ、その主格が「世間」であっても。

「厳しい目」も「調査」に入るということとなれば、
冒頭の参考和訳は、誤訳とまでは言えない。

以上のように、名詞 “scrutiny” の意味合いは、
時につかみどころのないこともある。

一方で、用法には明確なパターンがあり、これ以外
はめったに出てこない。

換言すれば、コロケーション(連語)は限られている。

LDOCE6に見やすくまとまっているので、転載させていただく。

LDOCE5 アプリ版より
※  「LDOCE6」アプリの問題点については、こちら

このうち最頻出の “under”~中で)を表題に選んだ。

従属の前置詞である。  同じ用法例は、

  • under construction (工事中)
  • under consideration (検討中)
  • under discussion (討議中)
  • under investigation (調査中)
  • under repair (修理中)

本稿で引用した英英辞典はすべて、ノンネイティブ向けの
「EFL辞典」だが、英語ネイティブ向けでも大差ない。

“under scrutiny”
idiom / formal
being carefully examined especially in a critical way.
(Merriam-Webster)

“in a critical way” とは、「批判的なやり方で」。

【関連表現】

scrutinize
–  他動詞 「綿密に調べる」
–  自動詞 「綿密に調べる」    ※  マイナー用法

【発音】   skrúːtənàiz
【音節】  scru-ti-nize  (3音節)

  • “We need to scrutinize their news sources.”
    (彼らの情報源を綿密に調べる必要がある。)

 

 

 

 

 

 

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