命にかかわる
人命を脅かす事象を飾る形容詞。
LDOCE6の下線が示すように、
状況・病気・負傷が中心となる。
“life-threatening”
a life-threatening situation, illness, or injury
could cause a person to die.
(LDOCE6、ロングマン)
that is likely to kill somebody.
(OALD9、オックスフォード)
【発音】 ˈlʌɪfˌθrɛt(ə)nɪŋ
→ “th”(θ) の発音は、”smooth out” 参照
※ 下線は引用者
たった1語で深刻さを伝えることができるため、
ニュースをはじめ、日常的に多用される。
次の2つを押さえておく。
-
「命にかかわる」 life-threatening
-
「命に別状はない」 non life-threatening
英訳、和訳ともに定訳である。
したがって、「命にかかわる」なら “life-threatening”、
と電光石火の想起ができるようにしておく。
「命に別状はありません」と聞けば、たちどころに
“non life-threatening” が口をつく。
確実に銘記・保持していれば、想起も難しくないはず。
無意識レベルで思い浮かべば、流暢な会話に一歩近づく。
きっと英語学習も楽しくなるだろう。
–
◆ 冒頭に「1語」と記したが、実際は複合語(compound word)。
2語以上の語が他の語を修飾する場合、
その2語以上の語をハイフンで結び、
「複合修飾語」(compound modifier)と呼ぶ。
特に、修飾される語が名詞の場合は、
「複合形容詞」(compound adjective)。
<「複合形容詞」例 >
“laid-back“、”unheard-of“、”fill
“self-explanatory“、”
“long-overdue“、”well-done“、”so-called“、”well-liked”
”unhea
”shell-shocked”、”self-inflicted“、”hassle-free”
※ 複合名詞(compound nouns)兼用も含む
◆ 表題 “life-threatening” は、名詞 “life”(命)
と形容詞 “threatening”(脅威となる)を
つなげた形容詞で、文字通り「命の脅威となる」。
形容詞 “threatening” は、自他動詞 “threaten”
の現在分詞から派生したため、
<名詞+動詞の現在分詞形>の複合形容詞とも
考えられる。
–
◆ 名詞 “life” は、可算・不可算兼用である。
大まかには、次のように分かれる。
– 可算「生涯」「人命」「寿命」
– 不可算「命」「生き物」「活気」
– どちらも可「暮らし」「生き方」
語源は、古英語「命」(līf)。
複合語に用いる “life” は、可算・不可算名詞
の両方ともある。
- life-changing
(人生を変えるような)
– - life-enhancing
(人生を充実させる)
– - life-enriching
(人生を豊かにする)
– - life-extending
(寿命を延ばす)
– - life-giving
(活気づける)
– - life-like
(生きているような)
– - life-saving
(救命の)
– - life-support
(延命のための)
– - life-sustaining
(生命維持のための)
– - life-size、life-sized
(等身大の)
◆ 先述の通り、形容詞 “threatening”(脅威となる)
は、自他動詞 “threaten” の現在分詞から派生した。
“dazzling“、”aging“、”stunning“、”disturbing”
“annoying” も同じパターンで、動詞の現在分詞
からできた形容詞。
※ 純然たる形容詞との別説もある
成り立ちは、中期英語「圧力」(thrēat)から、
名詞 “threat”(脅迫) 。
–
それに接尾辞 “en” をつけて、「~にする」の意の
動詞にしたものが “threaten”。
自動詞・他動詞とも、語源に沿って「脅迫する」。
語形変化は、threatens – threatening – threatened。
–
この現在分詞が形容詞化したものに、不可算名詞 “life”
を加えた「複合形容詞」が “life-threatening”。
–
◆ 頭に “non” を足した “non life-threatening”。
“non” は、ラテン語で “not“。–副詞である。
ハイフンを入れる “non-life-threatening” と
表記することもある。–この場合は、接頭辞。
“not life-threatening” の方が一般的だが、
“non” も珍しくない表記。
–
“life-threatening” ほど多用されないが、
ついでに覚えておこう。
- “Is this life-threatening or not ? ”
(これは命にかかわるのか、そうでないのか。)
– - “He was rushed to a hospital with a
non life-threatening injury.”
(命には別条はないケガで彼は病院に運ばれた。)
– - “She is sick but it’s not life-threatening.”
(彼女は病気だが、命に別状はない。)
– - “Don’t worry, it’s not life-threatening.”
(命にかかわらないので、心配無用。)
– - “She was suffering from life-threatening disease.”
(彼女は致命的な病気で苦しんでいた。)
– - “X Opens Up About Suffering Life-threatening Disease”
(Xが命にかかわる病気を患っていることを激白)
※ ニュース見出し
– - “I want to avoid a life-threatening situation.”
(命にかかわる状況は避けたいのです。)
– - “It was a life-threatening emergency.”
(命にかかわる緊急事態だったのです。)
– - “My cancer was not life-threatening.”
(私のガンは、致命的でなかった。)