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Self-inflicted

      2020/09/16

自ら課した、自ら招いた

ニュースによく出る形容詞。

■  多用される2つの表現

  • a self-inflicted injury
    (自分に加えたケガ)
  • self-inflicted wounds (※)
    (自傷障害)

※  戦時中は、徴兵忌避のため行われたという。

a self-inflicted wound is the act of harming oneself
(中略)where the injurer wanted to take advantage of
being injured.

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Self-inflicted_wound

◆  “self-” は、「自分で」「自己」を意味する、
連結形」(combining form)。

self-explanatory” でも同様。

独立した単語 “self” から生じた点で、
単独使用できない「接頭辞」(prefix)と異なる。

※  区別については、”well-established” に詳述

◆  “inflict” の語源は、ラテン語「打ちのめす」(inflīctus)。

【発音】  ɪnflíkt
【音節】  in-flict  (2音節)

2音節で、後半の第2音節に強勢(アクセント)。

他動詞のみで、自動詞はない。

基本的意味は、「好ましくないもの」を

  •  負わせる
  •  課する
  •  加える

ネガティブな雰囲気を放つのが一般的。

“self-inflicted” では、他動詞 “inflict” の
過去分詞 “inflicted” が形容詞化したもの。

【発音】  ɪnflɪ́ktɪd
【音節】  in-flic-ted  (3音節)

「過去分詞の形容詞用法」である。

【例】  “any given“、”short-staffed“、”shell-shocked


◆  よって、形容詞 “self-inflicted” は、

  •  自分で負わせた
  •  自ら課した
  •  自ら招いた

    名詞形は、不可算名詞の
  • self-infliction“(自分で負わせた苦しみ)。

    【発音】  ɪnflɪ́ktɪd
    音節】  in-flic-tion  (3音節)

 

【類似表現】

  • self-induced(自ら招いた)
    – self-induced vomiting(自己誘発性嘔吐)

本来は中立的な意味で、「自分でやった」ことを示すのみ。

故意・過失は問わないため、不注意も含む。

しかし、ニュース報道における “self-inflicted” で目立つのは、

「偽計」または「自殺」中心。

すなわち、周囲を欺く行為か自傷。

意図的なケースがほとんどの印象。

報道価値がある以上、当然かもしれない。

特に、自傷・自殺の疑いのある殺傷事件
には、欠かせないキーワード。

self-inflicted

– caused by your own actions.
メリアム ウェブスター

– a self-inflicted wound or injury is
one that you do to yourself deliberately.
コリンズ

 


“He died of a self-inflicted gunshot wound.
(彼は自ら銃で撃ったケガによって死んだ。)  ※  頻出

“She died of a self-inflicted illness.”
(彼女は自ら招いた病気で死んだ。)

Self-inflicted injuries surge among teenagers.”
(自傷による負傷が、ティーネージャーに急増している。)

“His problems are mostly self-inflicted.”
(彼の問題はほとんど自身がもたらしたものである。)

“She made a full recovery from self-inflicted pain.”
(彼女は自分に課した苦悩から完全に回復した。)

  • 加害者は自分自身
  • 自己責任だから<自業自得

これが “self-inflicted” の基本的な社会通念。

世知辛い現実を思えば、この解釈は妥当に違いない。

だが、切なく哀しい。

人間には<自己保存>(self-preservation)の本能がある。

正常であれば、自らを傷つけようとはしない。

きっと何かに苦しみ、病み果て、適切な判断が
できなくなり、自傷や自暴などの <自己破壊的行為
(self-destructive behavior) に走るのだろう。

さらに、生育家族の問題や遺伝的な素質から、
自己破壊傾向が強い人も多い。

いずれも、本人のせいとは言えまい。

“self-inflicted” の字面を見るたびに、
苦悶し、のたうち回る姿を想像してしまう。

誰しも好んでそうなるわけない。

事情をよく知らない第三者が、「自ら招いた」
と決めつけるのは、冷酷と感じる。



【関連表現】

“What goes around comes around.”
https://mickeyweb.info/archives/1038
(因果応報。因果は巡る。)

“Serves you right.”
https://mickeyweb.info/archives/1898
(ざまあみろ。)

“You are asking for trouble.”
https://mickeyweb.info/archives/1995
(後でトラブルになるよ。)

“You asked for it.”
https://mickeyweb.info/archives/4660
(ご自分で招いたことです。自業自得ね。)

“You reap what you sow.”
(自分でまいた種は自分で刈り取る)
※  “reap“(自他動詞=刈り取る、ここでは自動詞)
※  “sow“(自他動詞=種をまく、ここでは自動詞)

 

 

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