Dazzling
2021/03/21
見事な、 素晴らしい
光がまぶしくて、目がくらむ様子を表す形容詞。
【発音】 dæz.əl.ɪŋ
【音節】 daz-zling (2音節)
目がくらむほど、きらきら照りきらめく強烈な輝き。
そこから「見事な」「素晴らしい」に。
日本語の「眩しい」「目がくらむ」と意味合いが重なる。
使用場面もそう変わらない。
“dazzling”
1. a light that is dazzling is very bright and
makes you unable to see properly for a short time.
2. very impressive and attractive.
(LDOCE6、ロングマン)
–
1. (of light) so bright that you cannot see
for a short time.
2. impressing somebody very much.
(OALD9、オックスフォード)
–
【発音】 dæz.əl.ɪŋ
【音節】 daz-zling (2音節)
–
まぶしい【眩しい】
1. 光が強くて、目をあけていられない。
2. 相手があまりに美しい、または立派なので
まともに見ることができない。
(大辞林 第三版)
–
まぶしい【眩】
1. 明る過ぎて、目をあけていられない。
明るく輝いていてまともに見られない。まばゆい。
2. (比喩的に)見ていてまばゆく感じるほどに
美しい。目がくらむほどすばらしい。
(精選版 日本国語大辞典)
–
くらむ【暗む・眩む】
1. 暗くなる。見えなくなる。
2. 目がまわる。
3. 理非をわきまえる力を失う。判断力がなくなる。
(広辞苑 第七版)
–
くらむ【眩む・暗む・晦む】
1.
ア) 強い光を突然受けて、目が見えなくなる
イ) 目まいがする。目がくらくらする。
ウ) 強く心をそそるものを前にして、正常な判断力を失う。
2. 暗くなる。
3. 暗くする。くらます。
(大辞林 第三版)
–
上記青字をご覧いただきたい。
「見事な」「素晴らしい」状態を示唆するため、
日本語でも「まぶしい」「目がくらむ」と表現する。
例えば、「彼女がまぶしい」「彼女の美貌に目がくらんだ」。
息を呑むほど素晴らしい対象を目の当たりにした際、
「まぶしい」「目がくらむ」「目まいがする」
と日本語で描写する機会は少なくない。
「目まい」は、<比喩>として起用される割合が
身近な感があるが、どうだろうか。
–
◆ もっとも「目がくらむ」については、
「欲望に目がくらむ」「大金に目がくらむ」
と卑しい心情を表す方が一般的。
いずれにせよ、「相手がきらきら過ぎて、自分がくらくらする」。
そんなイメージが、形容詞 “dazzling”。
日本語同様、やや大げさな言い回しである。
しかし、光り輝く相手の素晴らしさを、1語で示せるため、
主に文面で重宝される。
–
◆ 形容詞 “ dazzling ” は、15世紀から使われている。
【発音】 dæz.əl.ɪŋ
【音節】 daz-zling (2音節)
動詞 “dazzle” の現在分詞 “dazzling” から派生した
ものとされる。
副詞は、”dazzlingly(見事に、目がくらむほどに)。
“dazzle” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
語源は、動詞 “daze”(目をくらませる)の反復形。
すなわち、反復の意の動詞を作る接尾辞 “le” を
“daze” に加えたもの。
– 他動詞 「目をくらませる」「感嘆させる」
– 自動詞 「輝く」「感嘆する」
– 名詞 「輝き」「まばゆさ」「見事さ」
動詞 “daze” の語源は、古ノルド語「非常に疲れる」(dasa)。
” daze ” → ” dazzle ” → ” dazzling “ の流れで展開した。
「判断力不足」の意味合いを貫く成り立ち。
つまり、まぶしすぎて判断力が失われた様子が共通し、
それが「見事な」「素晴らしい」につながる。
–
◆ “dazzle” と “dazzling” の重要度・頻出度は高くない。
英単語全体からみた位置づけは、LDOCE6によれば、
■ ” dazzle “ ※ 動詞
- 重要度:<3001~6000語以内>
- 書き言葉の頻出度:3000語圏外
- 話し言葉の頻出度:3000語圏外
–
【発音】 dæz.əl
【音節】 daz-zle (2音節)
–
■ ” dazzling “ ※ 形容詞
- 重要度:9000語圏外
- 書き言葉の頻出度:3000語圏外
- 話し言葉の頻出度:3000語圏外
–
【発音】 dæz.əl.ɪŋ
【音節】 daz-zling (2音節)
英単語全体からみれば、重要でも頻出でもない。
それでも表題にしたのは、<褒め言葉>の
用途では、そこそこ出てくる形容詞なのに、
意味を推測しにくいから。
初めて見聞きした際、理解不能だろう。
その一方で、字面と発音に特徴があり、覚えやすい。
一度きちんと学べば、次回はきっと自力でいける。
努力が報われやすい分、学びがいのある単語。
だから、”dazzling” を取り上げた。
先に「少々大げさな言い回し」と記したが、
しっとり自然な和訳にするには、工夫を要する。
称賛は、下手すると嫌味を帯びるから厄介。
とりわけ、日本語でさらりと他者を称えるのは難しい。
称賛しあうような文化でないため、受け手の嫉妬・ひがみ
を刺激しないよう、細心の配慮を要するのが日本社会。
–
【参照】
” integrity “、 ” stand tall “、 ” well-liked “、 ” against all odds ”
すごい
- “I am proud of his dazzling achievement.”
(彼の輝かしい実績に誇らかに思う。)
– - “His career was short but dazzling.”
(彼のキャリアは短かったが輝かしいものだった。)
– - “He was a dazzling young player.”
(彼はまばゆいばかりの若き選手だった。)
– - “The sun was dazzling.”
(太陽が光り輝いていた。)
– - “I saw his dazzling performance.”
(彼の素晴らしい演技を目の当たりにした。)
– - “His daughter looks dazzling.”
(彼の娘は実に美しかった。)
– - “He gave me dazzling jewelry.”
(彼から見事な宝石をいただいた。)
– - “She gave me dazzling smiles.”
(彼女は満面の笑みを見せてくれた。)
– - “His dazzling good looks blew her mind.”
(彼の見事な男ぶりに彼女は驚いた。)
– - “I still remember her dazzling debut.”
(彼女の華々しいデビューを今も覚えている。)
【類似表現】
“stunning”
https://mickeyweb.info/archives/16613
(衝撃的な、見事な、美しい)