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Earn a degree

      2025/08/12

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 4 minutes

学位を取得する 

経歴紹介に欠かせない典型フレーズ。

過去の事実なので、 過去形( earned )が多い。

口頭では、” get a degree ” とも言う。

過去形は、” got a degree “。

◆  ” degree ”  は名詞のみ。

【発音】  digríː
【音節】  de-gree  (2音節)

可算・不可算を兼ねる名詞。

語源は、 古英語 「 階級 」( degré )。

基本的意味は、 語源のイメージに沿う。

  • 「 度 」( °、 °C、 °F )
  • 「 程度 」
  • 「 学位 」

ここでは 「 学位 」。

可算名詞である。

この用法の 「 学位 」とは、 通常は短大卒の準学士( 短期大学士 )から。

複数の学位なら、” earn degrees “。

同時取得に限らない。

一般的な名称は次の通り。

  •  準学士号 an  associate  degree ( AA )
  •  学士号 bachelor‘s  degree ( BA )
  •  修士号 master‘s  degree ( MA )
  •  博士号 doctoral  degree ( PhD ) ※ 

※  ” PhD ”  =  Doctor of Philosophy

” philosophy ” の基本的意味は 「 哲学 」。

しかし、 ここでの ” philosophy ” は 「 高等な学問 」 の意。

「 博士号 」 全般  を指す。

「 哲学博士 」 は、 適訳と言えない場合が少なくない。


米国などの大学の学部卒業生に授与される、 3段階の優等賞の序列は、

summa cum laude > magna cum laude > cum laude


本稿末尾に、 実名入りで詳しく説明した。

◆  ポイントは  ” earn “。

【発音】  ɝːn
【音節】 earn  (1音節)
【活用形】 earns – earned – earned – earning

原義は、 古英語 「( 農作物を ) 収穫する 」 ( earnian ) 。

額に汗して努力して手に入れる  」 が ” earn ”  の基本イメージ。

他動詞と自動詞があり、 どちらも 「 得る 」 中心なので分かりやすい。

基本的意味は、

  •  他動詞 「 得る 」 「 稼ぐ 」 「 得るに値する 」 「 利息を生む 」
  •  自動詞 「 収入を得る 」 「 金を稼ぐ 」

 

長年の刻苦勉励の報い

として、 誇らかに思う気概が伝わってくる語が  ” earn ” 。

経歴で多用されるのは当然である。

  • ” She earns $2 million a year as the editor-in-chief of V. ”
    ( 彼女は『 V 』誌の編集長として、年間200万ドル稼いでいます。)

ただし、 喜ばしくないものを得る場面でも、 ” earn ” を使うことがある。

  • ” He earned a bad reputation for his tardiness.”
    ( 彼は遅刻魔との悪評を得た。)
  • ” I earned a bad grade on the test.”
    (そのテストで悪い成績を取った。)

” earn ”  のマイナー用法としては間違っていないものの、

嫌味な使い方と感じられる気がする。

 

◆  やはり、 ” earn ”  の基本はポジティブで好印象。

堂々たる力強いイメージである。

I did it !

 

  • ” I earned a bachelor’s degree from the University of X.”
    ( 私は、X大学で学士号を取得した。)
  • ” He earned a master’s degree in psychology.”
    ( 彼は心理学の修士号を取った。)
  • ” She earned a PhD from ABC University in 1980.”
    ( 彼女は1980年にABC大学から博士号を得た。)

 

【関連表現】

 


 

◆  以下、 ” To the extent possible ”  より再掲。

 

大学などの成績評価制度  ” GPA ” ( grade point average

成績平均点 ) の最高点は通常 「 4.0 」。

全体の成績評価点の平均値次第であり、 その多くは相対的な評価。

米国などの大学の学部卒業生に授与される、 3段階の優等賞の序列は、

summa cum laude > magna cum laude > cum laude


例えば、

  • 「 3.75 」 =  graduate with highest honors( 最優秀で卒業 )

この 「 最優秀( highest ) 」 は最上位の優等賞なのに、

何人もの卒業生が獲得することがある。

  •  with highest honors  =  summa cum laude
    ( 首席、 最優秀 )
    ※  ラテン語  ” summa ” = highest


やや下位なのが、

  •  with high honors  =  magna cum laude
    ( 極めて優等 )
    ※  ラテン語  ” magna ” = great


さらに下位が、「 優秀 」 「 優等 」 で、 卒業生の30%以上が該当することもある。

  •  with honors  =  cum laude
    ( 優等 )
    ※  ラテン語  ” cum ” = with、  ラテン語 “ laude ” = praise ( 賞賛 )

対象者の人数・割合は、 各校の方針によって若干異なる模様。

summa cum laude > magna cum laude > cum laude


3段階の別なく 「 首席卒業 」 などと和訳されている海外芸能人の経歴が目立つ。

各大学の公式情報を調べてみると、 正式な記録上は非該当のケースがすごく多い。

時間をかけて調査した結果として、 ほとんどが正式受賞していないと断言したい。

高等教育で成績トップの席次は、 そうそう身近なものではないのは言うに及ばず。

日本人の誤解を招いており、 大変困惑する話だが、 優秀な人たちには違いない。

学校ごとの相対評価に基づく称号の比較検討は、 正直な話、 無意味に近いかも。


◆  それでも確証を得た有名な米俳優を挙げてみる。


日本でも知られたこの3名は、 文句なしの 「 本物の 」 受賞者である。

複数の信頼できる情報源 ( reliable  resource )で裏取り ( fact-check ) した。

【参照】  ファクトチェック用の日英の有力サイト  →  ” hoax ”  でご案内

 

▲▲  再掲終わり  ▲▲

 

 

 

 

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