Knock it off !
2019/04/14
やめろよ!
強い口調なら、「よせ!」「やめろ!」との命令。
小・中学生同士の喧嘩に頻出の<3語ワンセット>。
- 先生が生徒に使う場合は、「やめなさい!」
- 時に、生意気に騒ぐ生徒に「黙りなさい!」
ー
◆「ナッケロッフ!」などと聞こえる。
初めて聞くと、完全に意味不明。
“knock” の「ナッ」に非常に強いアクセントがある。
ー
一般公開されている音声と動画のうち、
最もお勧めできる、”Knock it off” の発音である。
全長43秒の動画。 合計4回出てくる。
まず、開始3~4秒で、2回連発 “Knock it off ! “。
さらに、開始22秒と36秒では、大声で吠える。
子どもや生徒を注意する例として、その怒号を説明する。
ー
実際の言い振りも、まさにこれこれ。
顔の表情も、じっくりご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=BXmaIsW1Hm8
「ナッケロッフ!」と聞こえないだろうか。
米国の一般的な小学校では、”Knock it off ! ”
が日々飛び交う。 それほど普及した注意文言。
年がら年中、親・先生・仲間から “Knock it off ! ”
を浴びされ、成長していくと言っても過言ではない。
- よせ!
- やめろ!
- やめて!
- やめろよ !
- やめてよ!
- やめなよ!
- やめなさい!
私たち日本人も、毎日こう言われて育ったはず。
意味合いもニュアンスも、かなり似通う感じ。
ー
◆ お次は、3大学習英英辞典(EFL辞典)のご案内。
「話し言葉(spoken)」または「くだけた表現(informal)」
と明記する語釈ばかり。
“knock it off”
■ spoken
used to tell someone to stop doing something,
because it is annoying you.
(LDOCE6、ロングマン)
■ INFORMAL
used to tell someone to stop doing something
that annoys you.
(CALD4、ケンブリッジ)
“knock it off ! “
■ (informal)
used to tell somebody to stop making a noise,
annoying you, etc.
(OALD9、オックスフォード)
- 他動詞 “knock”(打つ)
- 代名詞の目的格 “it”(それを)
- 副詞 “off”(外す)
代名詞 “it“(それを) は「今やっている行為」を指す。
文法的には、人称代名詞の三人称単数目的格である。
句動詞 “knock off” はとても多義。
それぞれの意味が大きく異なる。
他動詞の句動詞なので「句他動詞」。
中でも重要なのは、「やめる」「中断する」の意。
他動詞 “knock“(打つ)し、副詞 “off“(外す)。
だから「打ち落とす」。
転じて「やめる」。
したがって、直訳は「それを打ち落とす」。
ー
相手に対する命令口調なら「それをやめろ」に。
ー
上掲動画でも、”Stop it ! ” を意味すると断言する。
–
–
◆ 大人に対しても使うこともある。
ただし、先述の3辞書が示す通り、”knock it off” は
「話し言葉」「くだけた表現」に他ならない。
そのため、小・中学生向けと異なり、
丁寧な物言いにすることが多い。
例えば、
- “Will you knock it off ? “
- “Would you knock it off ? ”
(やめていただけますか。)
だが、「よせ!」の趣旨は共通。
【類似表現】
◆ ぴしゃり「よせ!」とその場で制する言い方
“Don’t ! ”
“Stop it ! “
“Quit it !”
“Cut it out ! ”
https://mickeyweb.info/archives/670
(やめろよ!)(やめて!)
“Drop it ! ”
https://mickeyweb.info/archives/3806
(やめろよ! その話はもうやめて!)