Deceptive
2024/06/01
(1) 人をだまそうとする
(2) 誤解を招く
このような印象のよくない言動を、
すっきり知的に表現できる形容詞 ” deceptive “。
ー
【発音】 diséptiv
【音節】 de-cep-tive (3音節)
実社会では、 ” deceptive ” な状況に出会う機会は少なくない。
日常会話で 「 詐欺 的 」 と言いたい時に活用できる。
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◆ 名詞は、 ” deception “。
「 だますこと 」 「 ごまかし 」。
不可算名詞が原則で、 可算名詞はマイナー用法。
【発音】 disépʃən
【音節】 de-cep-tion (3音節)
–
自分自身をだます 「 自己欺瞞 」 は、
連結形 ( combining form ) の
” self – ” ( 自分を ) を添えて、
” self-deception “。
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——-支払え!
Online deception
【参考】 ※ 外部サイト、 英文
- Types of Online Deception
https://faculty.nps.edu/ncrowe/virtcomm160.htm
◆ 後述する形容詞 ” fraudulent ” 及び
” misleading ” と併せて覚えておきたい。
【発音】 frɔ́dʒələnt
【音節】 fraud-u-lent (3音節)
–
【発音】 mislíːdiŋ
【音節】 mis-lead-ing (3音節)
◆ 故意に人をだますのが、 自動詞・他動詞の ” deceive “。
語源は、 ラテン語 「 欺く 」 ( dēcipere )。
【発音】 disíːv
【音節】 de-ceive (2音節)
【活用】 deceives – deceived – deceived – deceiving
” perceive ” や ” receive ” と同じく、
強勢 ( 強さアクセント ) は後半。
–
欺くことだから、 ネガティブ そのもの
違法かどうかは別にしても、 他者をだますのはよくない。
だまされて喜ぶ人は想定しがたい。
◆ 形容詞 ” deceptive ” は、 動詞 ” deceive ” から派生した。
“ ive ” は、「 ~ の性質をもつ 」 「 ~ の傾向のある 」
を意味する形容詞を作る接尾辞 ( suffix )。
動詞 ” deceive ” のネガティブ印象を引き継ぐ。
–
だます意図があるかどうかで、(1)(2) に分かれる。
しかし、 だます意図の有無を判断することは容易でない。
区別が不明確な場合や両方を含むケースもありうる。
–
英語では、 ” deceptive ” で両方表現できるため、
(1)(2) の区別はさほど問題にならない。
–
ところが、 日本語では両者の与える印象は相当異なる。
よって、 和訳は文脈を考慮しつつ、 慎重に行う必要がある。–
(1) 人をだまそうとする
故意に人を欺く態度を示す
–
” deceptive “
2. Intended to make someone believe something
that is not true.
( ロングマン、LDOCE6 )
※ 下線は引用者
【発音】 diséptiv
【音節】 de-cep-tive (3音節)
- “I don’t like your deceptive behavior.”
(人をだますような、あなたの態度が不快です。)
– - Inviting guests and doing nothing for them is deceptive.”
(お客様を招待しておいて、何もしないのはだますようなもの。)
– - “www.〇〇.com has been reported as a deceptive site.”
(www.〇〇.com は、詐欺的サイトとして報告されています。)
ー
deceptive websites
- “These articles are deceptive.”
(これらの記事は人をだますようなものです。)
– - “It’s deceptive to sell a broken item.”
(破損商品を売るのは詐欺的です。)
– - ” deceptive ads “
- ” deceptive advertisements ”
( 虚偽広告 )
–
【発音】 ǽd
【音節】 ad (1音節)
–
【発音】 æ̀dvərtáizmənt
【音節】 ad-ver-tise-ment (4音節)
deceptive ads ?
–
【類似表現】 ※ すべて形容詞
–
■ fraudulent ( 詐欺的な ) → 名詞 ” fraud “
【発音】 frɔ́dʒələnt
【音節】 fraud-u-lent (3音節)
–
■ deceitful ( うそつきの )
【発音】 disíːtfəl
【音節】 de-ceit-ful (3音節)
–
■ unscrupulous ( 悪徳な )
【発音】 ʌ̀nskrúːpjuləs
【音節】 un-scru-pu-lous (4音節)–
(2) 誤解を招く
だます意図はないものの、
誤解を招くことで、 結果的に人を惑わす。
一見した感じと実態がまるで異なる様子。
–
” deceptive “
1. Something that is deceptive seems to be one thing
but is in fact very different.
( ロングマン、LDOCE6 )
【発音】 diséptiv
【音節】 de-cep-tive (3音節)
–
◆ カタカナ語として定着しつつある形容詞 「 ミスリーディング 」
( 誤解を招きやすい )と ” deceptive ” は、意味がかなり重なる。
【発音】 mislíːdiŋ
【音節】 mis-lead-ing (3音節)
他動詞 ” mislead ” ( 誤った方向に導く )
から派生した単語が ” misleading “。
【発音】 mislíd
【音節】 mis-lead (2音節)
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だます意図はなくとも、 他者を惑わすのは、 やはりよくない。
惑わされた側にしてみれば、 悔しく情けなく 「 だまされた ! 」
と思い込んでも、 そう不思議ではない。
客観的には ” misleading ” にすぎない対象であっても、
受け手側は ” deceptive ” と本気でとらえることも。
つまり、 もとより「 だます意図はない 」はずなのに、
受け手にしてみれば、 相手がわざと欺いたからこそ、
自分は 「 だまされた ! 」 のだと感じる。
「 誤解を招く恐れのある広告 」 ( misleading ads ) ではなく、
悪質な 「 虚偽広告 」( deceptive ads ) と考えたりする。
misleading ads ?
–
◆ 受け手の認識がどうであれ、 社会通念上、 確実に言えることは、
だます度合いは、 ” misleading ” に比べて、
” deceptive ” の方が強く、 印象はずっと悪い。
- “Appearance can be deceptive.”
( 人は見かけによらず。) ※ ことわざ
– - “Distances are very deceptive.”
( 距離感はとてもつかみにくい。)
– - “The low price is deceptive. ”
( この低価格は誤解を招く。)
– - “It is deceptive to say that dogs are stronger than cats.”
( 犬が猫より強いと言うのは誤解を招きやすい。)
– - ” deceptive simplicity ” ※ 決まり文句
( うわべだけの単純さ )
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→ 実際は複雑ということ。
具体的な事例であれば、 不定冠詞 ” a ” が通例。
抽象的な概念は無冠詞。
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人間同士のコミュニケーションは、 あいまいさ・仕草・連想の連続。意向を汲み取り、 文脈 の ギャップ を埋めないと時に誤解を招く。
人間ではなく、 AI相手に英会話の練習をし続ける弱点がここにある。
Translation and interpretation skills have deceptive simplicity.
翻訳・通訳の技能は、 上辺はシンプルだが、 内実はそうでもない。
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” Perceive “ より
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異文化理解 ・ 人間理解 ・ 人心掌握 のスキルが物を言う職である。
そのためか、 語彙力のピーク と共同歩調を取るかのように、
通訳者・翻訳者は晩成型で、 長持ちする職業と目されている。
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『 通訳翻訳ジャーナル 2024冬 』 p.23.イカロス出版 (編)
イカロス出版、 2023年刊
AB判、 120頁
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【参照】 語彙力のピークは70歳代、 バイリンガルはぼけにくい
【関連表現】
- ” scam ”
https://mickeyweb.info/archives/12095
( 詐欺 )