Top off
2026/09/22
締めくくる 、きめる
結果報告 の際に出てくる句動詞。
過去の描写が中心なので、 過去形 ” topped off ” が目立つ( 例文参照 )。
他動詞の句動詞なので「 句他動詞 」となる( 後述 )。
「 締めくくる 」 が定訳。
「 締めて、くくる 」で、” top off ” の語感によく合う。
国語辞典から該当語釈を抄出すると、
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しめくくる【 締め括る 】2. 話や仕事のまとまりをつける。結末をつける。
( 大辞林 第三版 )2. まとまりをつけて終わりにする。
( 三省堂国語辞典 第七版 )
–
「 きめる 」は、 俗に「 キメる 」 と書く語義に近い。
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–
きめる【決める・極める】3. 〔「キメる」とも書く〕
〔俗〕かっこよくととのえる。
( 三省堂国語辞典 第七版 )5. 結果・結論を出して、変わらない状態にする。
( 大辞林 第三版 )4. あること( 特に、重要なこと )を決定づける。
( 明鏡国語辞典 第二版 )1. 動きや変化のあったものを固定した状態に
落ち着かせる。一つに定める。決定する。
確定する。決着させる。
( 広辞苑 第七版 )
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プライベートでもビジネスでも使える。
硬軟両様で有効ということ。
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◆ それぞれ代表例を挙げる。
- ” We topped off our dinner with a cup of coffee. “
- ” We topped our dinner off with a cup of coffee.”
( コーヒーで夕食を締めくくりました。)

食事( meal )の締めにぴったりな ” top off “。
実際に、 慣用句に近いレベルで多用される。
- ” Top off your lunch with our special cake ! ”
( ランチの締めは特製ケーキでどうぞ!)
– - ” You can top your dinner off with our famous pies.”
( お食事の最後に弊店自慢のパイを召し上がれ。)
– - ” Let’s top off with ramen as always.”
( いつものように、ラーメンで締めよう。)
– - ” I topped the evening off with a horse ride.”
( 夕べを乗馬で締めくくった。)
– - ” Finally we topped off the party with karaoke.”
( 最後はカラオケでパーティーを締めくくった。)
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◆ 続いて、ビジネス用途。
- ” He topped off the season with a victory.”
- ” He topped the season off with a victory.”
( 彼はシーズンの最後を勝利で飾った。)

- ” We topped the year off with a fantastic achievement.”
( 素晴らしい実績でその年を締めくくった。)
– - ” We topped off our trip in Tokyo.”
( 東京で旅行を終えた。)
– - ” She will top off 2018 with even more wins.”
( 彼女はさらなる勝利で2018年を締めくくるだろう。)
– - ” He topped his career off with a silver medal.”
( 彼は銀メダルでキャリアを終えた。)
– - ” He topped off the look with a gold watch.”
( 彼は金の腕時計できめた。)
以上の例文で示されているように、
目的語の位置は、” off ” の前後どちらも可能。
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◆ ” LDOCE ” と ” OALD ” の項目立てでも明らか。
–
■ top something ↔ off
to complete something successfully by
doing one last thing.
( LDOCE6、ロングマン )■ top something ↔ off (with something)
to complete something successfully by
doing or adding one final thing.
( OALD9、オックスフォード )「 ↔ 」 位置の入れ替え可能
※ 下線は引用者
–
両者はやけに似ているが、 語義が単純な場合、
英英辞典には頻繁に見られる現象。
–
その好例は、“ hilarious ”( かなりおもしろい )。
下線部の通り、「 成功 」での締めが原則。
したがって、ネガティブな内容に ” top off ”
を用いることは少ない印象である。
もっとも、 英英辞典によっては「 成功 」に触れていない。
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top off
- to make something complete or satisfying.
( Cambridge Academic Content Dictionary )
–- to finish something with a final activity or detail.
( Macmillan Dictionary )
よって、「悲劇」に起用することも可能。
- ” He topped off the affair by committing suicide.”
( 彼は自殺で情事を終えた。)
何とも救いようのない「締めくくり」である。
上述の ” successfully ” から程遠い。
この一文は、 次の英語ネイティブ向け辞書から引用したもの
だから、ネガティブな使い方は間違いではない。
“Collins English Dictionary, 12th Edition”
だが、 やはりポジティブ用法が一般的。–
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◆ 先に「 語義が単純 」と指摘したが、
実は ” top off ” は、もう一つ意味がある。
- top up
– 容器をいっぱいに満たす
– 満タンにする
– ( 電子マネーを )チャージする
と同義の句他動詞( transitive phrasal verb )。
–
–
top offfill a container completely.
–
主にアメリカ英語とされる。
表題と意味が大きく異なるため、文脈から容易に区別できる。
「 締めくくる 」に比べると、マイナー。
” LDOCE6 ” と ” OALD9 ” に見当たらないため、
本稿では取り上げない。
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◆ 一方、句動詞でないが、見た目が似たものに、
「 その上 」「 挙句の果てに 」を意味する接続語がある。
こちらの表現は、文面でも口頭でも、まずまず見聞きする。
–
- to top that off
- to top this off
- to top it off
- to top it all off
「 それに加えて 」「 それだけでなく 」 ということ。
–
下線部は代名詞。
「 さらに 」と追加する趣旨は全部同じ。
文頭または文中に用いる。
–
◆ これらの接続語は句動詞でないが、” top ” と ” off ”
の語義は表題と一部重なる。
■ top
” top ” には、名詞・形容詞・動詞がある。
語源は、 古英語「 頂上 」(top)。
【発音】 tɑ́p (1音節)
【活用形】 tops – topped – topped – topping
名詞と形容詞の基本的意味は、 カタカナ「 トップ 」と共通する。
–
–
トップ【top】1. 首位。一位。また、最上級。最高。
2. 先頭。第一番目。
3. 最上部。最高部。
4. 組織などの最高部に位置する者。最高幹部。首脳。
5. 新聞のページで一番目につく、最上段の右にあたる所。
6. トップ・ギアの略。
7. 紡績で、梳毛( そもう )工程でできた太い篠( しの )。( 大辞林 第三版 )
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大半が語源「 頂上 」に沿っていることが見て取れる。
動詞 ” top ” には、他動詞と自動詞があるが、 基本は他動詞。
” top off ” でも他動詞。
それゆえに、句他動詞になる。
– 他動詞「 上を覆う 」「 頂上に達する 」「 勝る 」
– 自動詞「 勝る 」「 高くそびえる 」
動詞の基本的意味も、語源を継承していることが分かる。
句他動詞の ” top off ” では、「 頂上に達する 」の ” top ”
が転じて「 終わりに至る 」。
他方で、先の4つの接続語の ” top ” は「上を覆う」。
下線の代名詞( that、this、it )に加えて、
「 その上 」 「 さらに 」。
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■ off
“off” には、前置詞・副詞・名詞・形容詞・
他動詞・自動詞がそろう。
【発音】 ɔ́(ː)f
【語形変化】 offs – offed – offed – offing
–
原義は「離れて」。時間と空間のいずれもOK。
” top off ” の ” off ” は副詞。
句動詞に含まれる ” off ” の大半は副詞
だが、 いくつかの意味に分かれる。
ここでは、原義そのものの「 離れて 」ではなく、
強調するための副詞「 完全に 」「すっかり」。
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強意の副詞 “off” を用いた句他動詞
- burn off ( 燃え尽きる )
- clean off ( すっかり片付ける )
- drink off ( 飲み尽くす、 一気に飲み干す )
- finish off( 完全に仕上げる )
- pay off( 完済する )
※ 句自動詞なら「 奏功する 」 - sign off( 承認する )
- work off( 完全に晴らす )
- write off ( 最後まで書き上げる )
※ 多義で「 貸し倒れとする 」 も含む
–
他動詞 ” top ” に副詞 ” off ” を加えた ” top off ” は、
既記の通り「 句他動詞 」となる。
- 他動詞 ” top “(「 頂上に達する 」→「 終わりに至る 」)
- 強意の副詞 ” off “( 完全に、すっかり )
「 完全に終わりに至る 」で「 締めくくる 」。
◆ 冒頭では < 語感 > についても触れた。
すなわち、「 締めくくる 」が ” top off ” の語感によく合う旨を述べた。
” top off ” を含む上記の句動詞の例を見て、
「 なんとなくしっくりする 」 感覚が生じるか否か。
この有無が、 初学者との分かれ目と私は考える。
句動詞の基本的定義は「 前置詞または副詞と一緒に用いる
ことで、 元々の動詞とは異なる意味となる複数の単語 」。
そのため、 初見で意味を推測するのは、 なかなか難しい。
–
それでも、 中級以上の英語力の持ち主であれば、 学習後は
「 なんとなくしっくりする 」 と感じるものである。
この感覚が体感できれば、英語に馴染んでいる。]
自信をもってよい。
初学者は、まだなにも感じない。
なぜ、その前置詞や副詞を伴うのか。
まったく理解できない。
「 句動詞はひたすら暗記 」 の世界に身を置いているから。
英学徒であれば、 誰しも通る道である。
【参照】
- 「 句動詞 」「 句自動詞 」「 句他動詞 」について
https://mickeyweb.info/archives/43508