プロ翻訳者の単語帳

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Remain defiant

      2017/09/08

めげずにいる

英和辞典では「反抗的な態度を取り続ける」
と記載されていることが多い。

確かに挑発的・挑戦的な態度を表す表現である。
しかし、実際の使用では、頑迷に背き逆らう
様子に限らないのである。

自らの信条などを貫く姿勢として、実質的な
褒め言葉として使われる場合も少なくない。

不利な状況にあっても、決してくじけない様子。
周囲の意向や体制になびかない人間の魅力。
そんな根性を示す時によく使われている。

抗うことには、決意と覚悟を要する。
その意気地は人の心を打つ。
だから、褒め言葉になりうるのだろう。

良かれ悪かれ、容易に屈しない態度を
表している。

———————————————
◆ “remain” には、自動詞と名詞がある。
語源は、ラテン語「後ろにとどまる」(remanere)。
自動詞も名詞も、この語源を貫くので分かりやすい。

– 自動詞「~のままでいる」「居残る」「残存する」
– 名詞「残り」「遺物」「遺体」
※ 名詞は、複数形 “remains” が通例

ここでは、自動詞「~のままである」。

◆ “defiant” は形容詞のみ。
語源は、フランス語「反抗的な」(”defiant”)。
そのまま「反抗的な」「ふてぶてしい」「大胆不敵な」
を意味する。

Clearly refusing to do what someone tells you to do.
(ロングマン、LDOCE6)

したがって、”remain defiant” は、
「反抗的なままでいる」
「ふてぶてしいままでいる」
「大胆不敵なままでいる」

———————————————
◆ これら「反抗的なままでいる」に加えて、
褒め言葉として用いる場合もあるのが、
“remain defiant”。

書き手の描写次第で、印象に大差がつく表現である。

当人をよく思わない書き手であれば、
反抗的な厄介者として、批判的に表す。
逆に好意的な書き手であれば、冷たい記述で
終えずに、その<負けじ魂>を称える。

要は、どちらもありうる。

ただ、既存の英和辞典は「反抗的」中心
これでは、不十分だと私は考える。
だからこそ、本稿にて「褒め称える」意味合いを
取り上げている。

◆ 文脈をきちんと読み込めば、2つの区別はできる。
ニュース記事では、後者の用法が目立つ。
個人的に好きか嫌いかは別として、逆境の中で踏ん張る
少数派に、人は共感する傾向が見られるからだろう。

◆ ほぼ同じ表現に “stay defiant“(屈しないでいる)
がある。
この “stay” も、自動詞「~のままでいる」。

スティーブ・ジョブスの伝説スピーチの締め、
Stay Hungry. Stay Foolish.” と同じ用法。

Inline image 1            <負けるな>

“She remained defiant of her cancer.”
(彼女は癌に負けなかった。)
“He remained defiant to the racial slurs.”
(彼は人種差別的な中傷に屈しなかった。)
“Despite the risk, she remained defiant.”
(危険があるにもかかわらず、彼女はめげなかった。)
“He remained defiant to the end.”
(彼は最後まで屈しなかった。)
“We remain strong and defiant.”
(我々は頑張り、屈しなかった。)

 

 

 

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