Lose count
2020/01/05
数が分からなくなる、数を忘れる
Man, I lost count !
(うわっ、数が分からなくなった!)
マルチタスクをしていた同僚の叫びである。
<1つに集中していれば、すぐ終わったのに> と思う。
“lose count” は、数えている途中に混乱して
しまう場合と、単純に数値を忘れた場合の
いずれも意味する。
口頭であれば、事後に使うことが多いため、
現在形 “lose” よりも、過去形 “lost count”
「分からなくなった」「忘れた」の方が多用される。
“lose count”
to forget a number you were calculating
or a total you were trying to count.
(ロングマン、LDOCE6)
※ 下線は引用者
前段:
forget a number you were calculating
「どこまで計算したっけ?」「これ数えたっけ?」
後段:
forget a total you were trying to count
「合計は何だったっけ?」
ともに数が不明な状態。
日常用法では、前者の数え切れなくなったり、
数え落としたりするケースを表すことが多い。
時に、所有格(my / your / his / her / their / our)
を間に入れて使うこともある。
- “I lost my count.”
(どこまで数えたか分からなくなった。)
(数を忘れた。)
これよりは、表題 “I lost count” の方が一般的である。
また、表題の単純過去形(simple past)の代わりに、
次の現在完了形(present perfect)もよく聞く。
- “I‘ve lost count.” = “I have lost count.“
文法上は “I lost count” と異なる。
だが、使用上の差はほとんどなく、どちらも同様
の場面で使われている。
【参照】I lost / I’ve lost count ※ 英文サイト
◆ “lose” には、他動詞と自動詞がある。
語源は、古英語「消滅する」(losian)。
自他動詞とも、細かく見れば多義であるが、
ほとんどは語源の意味合いを継いでいる。
– 他動詞「失う」「死別する」「脱する」
「負ける」「我を失う」
– 自動詞「負ける」「衰える」「損する」
ここでは、他動詞「失う」で最も基本的意味である。
語形変化は、loses – losing – lost。
先述の通り、過去形 “I lost count” が多用される。
◆ “count” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
語源は、ラテン語「計算する」(computare)。
「コンピュータ」と同源なのである。
こちらの基本的意味も、語源に忠実。
カタカナ「カウント」、「カウントダウン」、
「カウントする」も根付いており、イメージしやすい。
– 他動詞「数える」「考慮する」「みなす」
– 自動詞「数える」「数に達する」「数に入れる」
– 名詞「計算」「総数」
名詞 “count” は、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
通常は可算名詞である。
可算名詞の英語は “countable noun” であり、
文字通り「数えることができる名詞」。
“lose count” では、名詞「計算」または「総数」。
他動詞 “lose” + 名詞 “count” で、
「数え損なう」または「数が分からなくなる」。
このフレーズは、無冠詞の<2語ワンセット>が常。
“lose count” が無冠詞なのは、
- “by count“(数えると)
- “beyond count“(数え切れない)
と同様。
他動詞 “keep” + 名詞 “count” で、
「数え続ける」「数を覚えている」と同じ構造。
文法上は同様だが、意味は真逆。
さらに、“keep a count” と冠詞をつけてもよい
点で異なる。
したがって、”lose count” は「カウントを失う」。
転じて「計算または総数が分からなくなる」。
- “I lost count.”
(計算が分からなくなった。)
(どこまで数えたか分からなくなった。)
(総計を忘れた。)
– - “We lost count of the number of the cars.”
(車の数を数え切れなくなった。)
– - “Do not lose count of the fatalities.”
(死亡者の合計数をしっかり把握するように。)
– - “I have lost count of the number of bosses I’ve worked for.”
(過去にお世話になった上司は数え切れないほど。)
–
- “So many accidents happened that the police have
lost count of them.”
(あまりに多くの事故が起きて、警察も数え切れないほど
だった。)
※ 最後の2文:「数え切れない」は【比喩】の場合と、
本当に把握できていない場合とがある。
文脈で判断するが、明確でないこともある。
【関連表現】※ “count” のフレーズ
“Count me in.”
https://mickeyweb.info/archives/2181
(私も参加させて。)
“It’s the thought that counts.”
https://mickeyweb.info/archives/4224
(大事なのは気持ちのほうだから)
“On a count of three.”
https://mickeyweb.info/archives/1345
(1、2の3でいきます。)