プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Round up

      2018/03/25

総括する、まとめる、要約する 

ニュース番組や新聞・雑誌記事で見聞きするのが、
可算名詞の “roundup”。
※ ハイフン入りの “round-up” とも表記する

報道メディアでは、次のように多用される。

  • a news roundup
  • a sports roundup
  • a weekly roundup
  • a monthly roundup
  • a roundup of today’s news

多忙な現代人が短時間で概観するための「総括」
が “roundup”。
多くのメディアで採用されている。

round-up” =
a summary of the most important points 
of a particular subject, especially the news.
(オックスフォード、OALD9)※ 下線は引用者

まとめなので、「要約」「総集編」「ダイジェスト」
と訳されることが多い。

可算名詞 “roundup” は、句動詞 “round up” が名詞と
なったもの。意味はそのまま引き継ぐ(後述)。

“round up” の構造は、他動詞 “round” + 副詞 “up”。
他動詞の句動詞(verbal phrase)なので「句他動詞」である。

◆ 句他動詞 “round up” の主な意味は、次の4つ。
3は意味からしてニュース中心だが、それ以外は常用語。

  1. 寄せ集める
  2. 総括する、要約する
  3. 一斉検挙する
  4. 端数を丸める(切り上げる)

これら4つには、一見脈略のない模様。
しかし、語源から考えると、つながりが見えてくる。

“round” は、形容詞・副詞・名詞・前置詞・
他動詞・自動詞がそろい、非常に多義。
語源は、ラテン語「円形の」(rotundus)。

形容詞・副詞・名詞の基本的意味は、カタカナ「ラウンド」と重なる。

ラウンド【round】

  1. 丸いさま。円形の。
  2. 一周。一巡。
  3. 運動競技で、勝負を構成する単位。
    ア. ボクシング試合の各回(1回3分間)
    イ. ゴルフの1コース(18ホール)
    ゥ. サッカー・ラグビーなどの大会で、
    —-予選・決勝などの各段階。
  4. 一連の会議。特に、関税などについての一括交渉。

    (広辞苑 第七版)

この中には動詞用法がないが、英語 “round” でも
主要用途は形容詞と副詞。

それぞれの重要度と頻出度の高い順に、
形容詞 → 副詞・前置詞 → 名詞 → 動詞
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)

一方、表題は他動詞。
他動詞 “round up” の基本的意味は、

  1. 丸くする、円形にする
  2. まとめて完成させる
  3. 囲む
  4. 端数を丸める
  5. 一周する

どれも、語源「円形の」から何とか連想できる範囲内。

◆ これに、副詞の “up を加える。
句動詞に多い副詞 “up” も多義だが、
ここでは「集めて」「まとめて」を意味する。
ばらばらの多数を一つにまとめる様子を表す。

同じ用法の副詞 “up” には、次のような句動詞がある。
【例】

  • sum up”(合計する、要約する)
  • add up“(合計する)
  • “tally up“(集計する)
  • team up“(組む、コラボする)
  • “gather up“(まとめる)

◆ 句動詞 “round up” の語源は「牛追い」。
つまり、牛を駆り集める行為。
https://www.etymonline.com/word/roundup

他動詞 “round”(囲む)+ 副詞 “up”(集めて)
で、散り散りばらばらの牛を「囲い集める」。
すなわち、一箇所にまとめる

ーーー-ーーー「牛追い」を端緒として、4つの意味に派生した

「牛追い」寄せ集める → 総括・要約する → 切り上げる
–  ——————-
—————-一斉検挙する

鮮やかな流れではないだろうか。これぞ語学の面白さ。

多義の表現には、このような連鎖が存在するのが一般的。
ところが、一般的な辞書は紙面に限りがあるため、
そのつながりをほとんど解説しない。

その結果、学習者は<丸暗記>する羽目になる。
だが、広がりの流れを理解すれば、負担は軽くなるもの。
特に常用語の場合、比較的分かりやすい派生パターンが多い。

“round up” はその一例である。

◆ 先述の通り、”round up” の4つの意味は、
人々の日常に根付いている。

英単語全体から見れば、頻出には至らないが、
どれもごく普通に使われている用法。
以下、3つずつ例文を添えた。感触を得るとよい。

1. 寄せ集める
to find and gather together a group of 
people, animals, or things.(LDOCE6)

“My dog helped me round up the cattle.”
(愛犬が牛の群れを集めるのを助けてくれた。)
※ “cattle” は、複数扱いの「複数名詞」なので、
“a cattle” と “cattles” は間違い

“Let’s round up volunteers.”
(ボランティアの人たちを集めようよ。)

“Teachers are rounding up funds for the program.
(そのプログラムのため、先生方が資金をかき集めている。)

2. 総括する、要約する

“We will round up the news of the day.”
“Here is a roundup of today’s news.”
(今日のニュースをまとめてお伝えします。)

“I have to round this up for the presentation.”
(プレゼン用に、これを要約しなければならない。)

“She needs to round up the survey results.”
(彼女は調査結果をまとめる必要がある。)

3. 一斉検挙する
to find and arrest people. (マックミラン

・「検挙」=
捜査機関が被疑者を特定し、必要な捜査を遂げること。
被疑者を漢書に引致することもいう。
・「被疑者」=
犯罪の嫌疑を受けた者でまだ起訴されない者。容疑者。
(広辞苑 第七版)

“The police rounded up the suspects.”
(警察が容疑者を一斉に検挙した。)

“They were rounded up and questioned.”
(彼らは検挙され、取り調べを受けた。)

“All criminals were rounded up.
(すべての犯人が検挙された。)

4. 切り上げる
to increase an exact figure to the 
next highest whole number. (LDOCE6)
※ “whole number” = 整数

“Round up if the value is 5 or greater.”
(その数値が5以上なら切り上げる。)

“Round up dollar amounts that have 50 to 99 cents.”
(端数が50~99セントの場合、1ドルに切り上げる。)

“Use the ‘ROUNDUP function’ to round up 123 to 130.”
(123を130に切り上げるには「ラウンドアップ関数」を使え。)

ラウンドアップ関数」 2018年現在、我が職場は “Excel 2013” のまま

【関連表現】
Whoa !
https://mickeyweb.info/archives/4701
(どうどう)→ 牛や馬を停止させる時の掛け声
(ちょっと待った!)

round down
(端数を切り捨てる)→ “round up”(切り上げ)の反対
※ 副詞 “up” と “down” が対

<同義語の比較>

  • “summary”(名詞・形容詞)
    「要約」の最も一般的な単語
    文書・口頭
  • “outline”(名詞・他動詞)
    概略を示す
    文書・口頭 ※ 文書が多め
  • “overview”(名詞・他動詞)
    全体像を示す
    文書・口頭  ※ 文書が多め
    ーー
  • “summarize”(自動詞・他動詞)
    要約する
    文書・口頭
  • brief“(名詞・他動詞)※ 形容詞「短い」もある
    口頭で端的に状況説明する
    文書・口頭
  • sum up“(句自動詞・句他動詞)
    要約する 
    文書・口頭  ※ 口頭が多め
    ーー
  • recap“(自動詞・他動詞)
    要約する
    口頭中心
  • rundown“(名詞)
    要約
    口頭中心

    ※ 日常的には、厳密に区別されていない

 

 

Sponsored Link




Jetpack

 - 英語, 英語フレーズ