It’s the thought that counts.
2020/01/04
大事なのは気持ちのほうだから
典型的な使用場面は、プレゼントをもらった人が、
それを心から喜べない時。
その中身が自分の希望にそぐわなかった場合に、
受取人が贈り主にかける言葉。
プレゼントそのものよりも、
「贈ってくれたその心」に意味がある。
贈り主を慰めつつ「感謝」を伝える趣旨。
同時に、ばつの悪い状況から両者を救う効果
がある。
◆ “thought” には2種類ある。 発音は同じ。
- 名詞 “thought”
- 自他動詞 “think” の過去・過去分詞形
ここでは 1。
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
名詞 “thought” は、最頻出かつ最重要レベルの英単語。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
(ロングマン、LDOCE6)
—-【発音】 θɔ́ːt
→ “th”(θ) の発音は、”smooth out” 参照
語源は、古英語「考えること」(thōht)。
動詞 “think” や “thank” と同根である。
可算と不可算は、次のように大きく区分できる。
- 可算名詞「思いつき」「考え」
- 不可算名詞「思考」「思想」
【注意】可算・不可算どちらも使える
用途もあり、線引きの難しい名詞
表題では、可算扱いの「思い」「思いやり」。
この用法では、
定冠詞 “the”+ 単数 “thought” が通例。
複数形 “thoughts” は使わない。
【誤】”They are the thoughts that count.”
–
◆ “count” には、自動詞・他動詞・名詞があり、
ここでは自動詞「重要である」「価値がある」。
単数 “thought” を受けた動詞なので、”s” をつける。
よって直訳は「重要なのは思いやりだ」。
受取人が「不満」を自白 することになるため、
贈り主は内心複雑 なはず
それを 見透かして、
受取人が場を繕うための常套句
相手が本当に満足できるプレゼントを選ぶのは難しい。
だからこそ、これが頻出表現となる。
たまらなくきまりが悪く、時間を巻き返したくなる
ような、双方の心地悪さを軽減する役目を担う。
◆ そんなシーンは、有名な映画にも描かれている。
Anyway. It’s the thought that counts.
(まあとにかく、大事なのは気持ちだからね。)
< 米映画『恋におちて』1984年 >
妻(メリル・ストリープ)から、クリスマスギフトに
もらったセーターが気に入らなかった夫の発言。
夫婦関係が揺らぎ始めていることを示唆し、後々生じる
(ロバート・デニーロとの)「恋」の伏線を敷いている。
< ネタバレ(spoiler)>
2人のベッドシーンはない。 未遂に終わる。
「純粋な」不倫の恋たるゆえん。
※ 日本公開の1985年には、本作のオマージュである
TBSドラマ『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』が高視聴率を獲得。
主題歌『恋におちて -Fall in love-』(小林明子)も大ヒットした。
(ウィキペディアより)
◆ なお、”It’s the thought that counts.” は、
挑戦が失敗に終わった人への慰めにも使われる。
こちらはマイナー用法で「頑張ったことに意味がある」。
【”count” 関連表現】
“Count me in.”
https://mickeyweb.info/archives/2181
(私も参加させて。)
“On a count of three.”
https://mickeyweb.info/archives/1345
(1、2の3でいきます。)
“Lose count”
https://mickeyweb.info/archives/16055
(数が分からなくなる、数を忘れる)
【”thought” 関連表現】
“Just a thought.”
https://mickeyweb.info/archives/25671
(少し思ったのですが)