プロ翻訳者の単語帳

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I don’t feel comfortable.

      2021/10/02

私には適切だと思えません。 

応用の効く 断り表現 である。

何かを拒否したい時や、否定的な意見を
品よく表す際に、かなり便利。

◆  厄介な仕事を断る時に、私はよく使っている。

怠慢な他部門の仕事を押し付けられた時が多い。

このフレーズに、<理由>を添えれば盤石

“I don’t feel comfortable.   なぜなら~ “

この鉄板パターンで、信用をほとんど落とす
ことなく、断ることに成功してきたと考える。

添える理由は、合理的かつ根拠の示せる
内容であることは言うまでもない。

ご参考までに、私が実際に送った英文メールを
本稿の末尾に掲げる。

◆  “comfortable” は、形容詞のみ の単語。

語源は、アングロフランス語「慰めとなる」(confortable)。

【発音】  kʌ́mftəbl
【音節】  com-fort-a-ble  (4音節)

4音節で、初っ端の第1音節に強勢(アクセント)。

基本的意味は、

  • 心地よい
  • 気持ちよい
  • 気楽である
  • 心休まる

“comfortable” は、形容詞なので「状態を表す。

直前に他動詞 “feel”(~に感じる)を加えると、

  • 心地よく感じる
  • 気持ちよく感じる
  • 気楽に感じる
  • 心休まると感じる

表題は、上記を “do not” で否定したもの。

◇  英和辞典によくある和訳

  • 「気分が落ち着かない」
  • 「不安だ」

その通り。

プライベートな会話なら、これでよいだろう。

だが、

ビジネス場面で多用されるのは、
この用途ではない。

そうではなく、

「私には、これが適切とは思いません」

このような思いを込めて用いる場合が目立つ。

<断り文句>として私が重宝しているのも、
「気分が落ち着かない」「不安だ」ではない。

自分にとって適切な仕事とは思えない

との意図に他ならない。

そもそも、「落ち着かない」「不安だ」
こんな発言を仕事中に連発できるわけない。

「情緒不安定」」( emotionally unstable ) を疑われ、
社会人として「自滅行為」( a career suicide ) に近い。

ましてや、課題を断るために「不安だ」などと言えば、
プロとして信用を落とすのは目に見えている。

 仕事中の ” I don’t feel comfortable. 

△ 「 落ち着かない 」「 不安だ 」

「 適切とは思わない 」

“I feel uncomfortable.” と意味合いは同様だが、
以下のように、ニュアンスに少々違いがある。

■  否定の接頭辞 ” un “( ~でない )を加えた
“uncomfortable” は「comfortable でない」。

すなわち「心地よくない」「不愉快である」。

“comfortable” のみを否定する < 語否定 >となる。

【発音】  ʌnˈkʌm.fɚ.t̬ə
【音節】  un-com-fort-a-ble  (5音節)

■  これに対し、” I don’t feel comfortable.”
の場合、” feel comfortable ” を否定している。

否定が文全体に及び、結果的に< 文否定 >となる。

原則として、

< 文否定 > は < 語否定 > より、
否定の度合いが強め

  • ” I don’t feel comfortable. “( 文否定 )は、
  • ” I feel uncomfortable. “( 語否定 )に比べ、
    強い否定

よって、前者( don’t )は、「適切と思わない」旨を、
ぐっと強調して相手に伝えることができる。

つまり、

don’t ” (ドント) は
相当きつい否定なので、
対人用途には要注意 !


【参照】
need” と “want” は「差し迫った要求」→ 対人では高リスク


■  否定の接頭辞 ” un “、” in “、” non ” が同じ語につく場合、

強い否定の順に、 in  >  un  >  non

◇  これらの「 接頭辞 」以上に 強い否定 が、副詞 “not”
副詞 ” not ”  >  接頭辞 ” in ”  >  ” un ”  >  ” non “

■  < 文否定 >と< 語否定 >は、副詞 “not” の
説明などに用いられる。

したがって、接頭辞に適用する場合、本来の文法定義
とは異なるが、趣旨は重なるため準用した。

◆  自分の意見を英語で伝える際に、

下手に謙遜すると混乱を招く。

受け手にしてみれば、「何が言いたいの?」という印象。

婉曲的な言い回しで、相手を混乱させるくらいなら、
誤解のない率直な主張の方が概ねベターだろう。

相手の理不尽な提案・要求に
納得できず、絶対に断りたい!

断る気満々

そして、その

<理由>をきちんと説明できる

そんな時にお勧めしたい表現が、
“I don’t feel comfortable.” である。

◆  最後に、今年2017年に私が送付した
<お断りメール>の一部を3つご紹介する。

宛先は、他部門の私に仕事を丸投げしてきた、
怠惰でずさんクソ部署である。

(1)
“I don’t feel comfortable translating their comments.
I haven’t signed on an NDA and I am not supposed
to see them.”

( 彼らのコメントを、私が翻訳するのは不適切と考えます。
私は守秘義務契約に署名しておらず、それらのコメントに目を
通すことは許されていないはずです。)

※  “NDA“(non disclosure agreement)
=  守秘義務契約、 機密保持契約

(2)
“I don’t feel comfortable interpreting at the meeting.
I believe your subordinate would feel the same
if I interpret the disciplinary action against him.”

( 私がその会議で通訳するのは不適切と考えます。
あなたの部下に対する懲戒処分を私が通訳するのは、
その方にとっても違和感があるでしょう。)

※  “disciplinary action”  =  懲戒処分

(3)
“I don’t feel comfortable doing this task for you.
I don’t belong to your team and I don’t know
anything about you.”

( あなたのために私がこの仕事を行うのは不適切だ
と考えます。私はあなたのチームの一員ではなく、
あなたのことは何も知りません。)

※  カチンときたので、ややぶしつけ

 

◆  もう1つ、押さえておきたい効果抜群の断り表現が、

I hope you understand.
(ご理解いただければ幸いです。)

 

【関連表現】

“comfortable in one’s own skin”
https://mickeyweb.info/archives/31604
(ありのままの〇〇自身で心地よい)

 

 

 

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