プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

I don’t feel comfortable.

      2019/03/20

適切だと思いません。 

応用の効く断り表現である。

何かを拒否したい時や否定的な意見を品よく
表す際に、かなり便利。

◆ 厄介な仕事を断る時に、私はよく使っている。
怠慢な他部門の仕事を押し付けられた時が多い。

このフレーズに、<理由>を添えれば盤石

“I don’t feel comfortable.  なぜなら~ “

この鉄板パターンで、信用をほとんど落とす
ことなく、断ることに成功してきたと考える。

添える理由は、合理的かつ根拠の示せる
内容であることは言うまでもない。

ご参考までに、私が実際に送った英文メールを
本稿の末尾に掲げる。

◆ “comfortable” は形容詞のみの単語。

語源は、アングロフランス語「慰めとなる」(confortable)。
発音は、kʌ́mftəbl

基本的意味は、

  • 心地よい
  • 気持ちよい
  • 気楽である
  • 心休まる

直前に他動詞 “feel”(~に感じる)を加えると、

  • 心地よく感じる
  • 気持ちよく感じる
  • 気楽に感じる
  • 心休まると感じる

表題は、上記を “do not” で否定したもの。

◆ 英和辞典によくある和訳

「気分が落ち着かない」
「不安だ」

その通り。
プライベートな会話なら、これでよいだろう。

だが、

ビジネスで多用されるのは、
この用途ではない。

そうではなく、

「私には、これが適切とは思いません」

このような思いを込めて用いる場合が多い。

<断り文句>として私が重宝しているのも、
「気分が落ち着かない」「不安だ」ではない。

自分にとって適切な仕事とは思えない

との意図に他ならない。

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そもそも、「落ち着かない」「不安だ」
こんな発言を仕事中に連発できるわけない。

情緒不安定を疑われ、社会人として自滅行為に近い。

ましてや、課題を断るために「不安だ」などと言えば、
プロとして信用を落とすのは目に見えている。

 仕事中の I don’t feel comfortable.

△「落ち着かない」「不安だ」
「適切とは思わない」ーーー

“I feel uncomfortable.” とほぼ同義だが、
ニュアンスに少々違いがある。

否定の接頭辞 “un”(~でない)を加えた
“uncomfortable” は、「comfortable でない」。
すなわち「心地よくない」「不愉快である」。
“comfortable” のみを否定する<語否定>となる。

これに対して、”I don’t feel comfortable.”
の場合、”feel comfortable” を否定している。
否定が文全体に及び、結果的に<文否定>となる。

原則として、

<文否定>は<語否定>に比べて、
否定の度合いは強い。

“I don’t feel comfortable.” は、
“I feel uncomfortable.” より、
強く否定する

よって、前者(don’t)は、自分の否定的な意見
である「適切と思わない」旨を、
ぐっと強調して相手に伝えることができる。

※ 否定の接頭辞 “un”、”in”、”non” が同じ語につく場合、
強い否定の順に “in” > “un” > “non”
これらの接頭辞以上に強い否定が、”not”。

※ <文否定>と<語否定>は、副詞 “not” の
説明などに用いられる。したがって、接頭辞
に適用する場合、本来の文法定義とは異なるが、
趣旨は重なるため準用した。

◆ 自分の意見を英語で伝える際に、

下手に謙遜すると混乱を招く。

受け手にしてみれば、
「何が言いたいの?」という印象。

婉曲的な言い回しで、相手を混乱させるくらいなら、
誤解のない率直な主張の方が概ねベターだろう。

相手の理不尽な提案に
納得できず、絶対に断りたい!

つまり、断る気満々

そして、その
<理由>をきちんと説明できる

そんな時にお勧めしたい表現が、
“I don’t feel comfortable.” である。

◆ 最後に、今年2017年に私が送付した
<お断りメール>の一部を3つご紹介する。

宛先は、他部門の私に仕事を丸投げしてきた、
怠惰でずさんクソ部署である。

(1)
“I don’t feel comfortable translating their comments.
I haven’t signed on the NDA and I am not supposed
to see them.”

(彼らのコメントを、私が翻訳するのは不適切と考えます。
私は守秘義務契約に署名しておらず、そのコメントに目を
通すことは許されていないはずです。)
※ “NDA“(non disclosure agreement)= 守秘義務契約

(2)
“I don’t feel comfortable interpreting at the meeting.
I believe your subordinate would feel the same
if I interpret the disciplinary action against him.”

(私がその会議で通訳するのは不適切と考えます。
あなたの部下に対する懲戒処分を私が通訳するのは、
その方にとっても違和感があるでしょう。)
※ “disciplinary action” = 懲戒処分

(3)
“I don’t feel comfortable doing this task for you.
I don’t belong to your team and I don’t know
anything about you.”

(あなたのために私がこの仕事を行うのは不適切だ
と考えます。私はあなたのチームの一員ではなく、
あなたのことは何も知りません。)
※ カチンときたので、少々ぶしつけ

【効果抜群の断り表現】

I hope you understand.
https://mickeyweb.info/archives/20196
(ご理解いただければ幸いです。)

 

【関連表現】

“comfortable in one’s own skin”
https://mickeyweb.info/archives/31604
(ありのままの〇〇自身で心地よい)

 

 

 

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