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Step down

      2019/09/10

辞任する

退任劇に頻出の句動詞。

耳目をひく公職や役職から退く際に、
よく使われる。

名の知られた司会者やキャスターが辞める時にも
欠かせない。

口頭に限らず、音声・文面の時事ニュース
でも用いられる。

◆「辞任する」の英語表現は、容易なものが多い。

  • leave 
    他動詞・自動詞
  • resign (from)
      
    他動詞・自動詞
  • retire (from)
    他動詞・自動詞
  • quit (from)
    他動詞・自動詞

これらと比較しても、”step down” は
身近で分かりやすい。

その一因は、イメージしやすい点にある。Inline image 2

上の図柄は、小学生でも理解できるだろう。

階段をずんずん上る様子が “step up”、
とぼとぼ下るのが “step down”。
基本はこんな感じ。

“step down”
(also step aside)

to leave your job or official position,
because you want to or because you 
should.
(ロングマン、LDOCE6)

※ 下線は引用者

もっとも、LDOCE6の下線が示すように、
辞任の動機は不問。

自己都合または解任、いずれもありうる。

ニュース沙汰になる “step down” に後者が
多い実情は、あえて言うまでもない

◆ “step” には、名詞・自動詞・他動詞がある。

【発音】 stép

語源は、古英語「歩み」(stæpe)。

“step” は、「ステップを踏む」の「ステップ」。
「歩調」や「段階」の意味で、
カタカナでも普及している。

さらに専門用語としての「ステップダウン」と
「ステップダウン」は、自動車業界や金融業界
で定着している。

名詞は非常に多義だが、基本的意味は語源に沿う。

– 名詞「歩み」「一歩」「手段」「階段」
– 自動詞「進む」「踏む」「行動する」
– 他動詞「進める」「踏み入れる」

自動詞と他動詞は、ほぼ重なる。
ここでは、自動詞「進む」。

副詞 “down”(下へ)を伴い、「下へ進む」。
すなわち「降りる」で「辞任」の意に。
「辞職」でもよい。

「辞任」
任務を辞職すること。今まで従っていた
職務を自分の意志でやめること。

「辞職」
職を自分からやめること。

(広辞苑 第七版)

「下へ進む」なので、「下がる」「下げる」
の意味もある。

  • “step down the voltage”
    (電圧を下げる)
  • “step down to 5V”
    (5ボルトに下げる)

だが、ニュースやビジネスで “step down”
と言えば、「辞任する」が最頻出の用法。

冒頭に挙げた通りである。

◆「辞任する」の “step down” の主なパターン
は、次の2つ。

1)  step down as – 
(~としての職を退く)
→ 役割の前置詞 “as”


2)  step down from – 
(~から辞任する、~を辞任する)
→ 分離の前置詞 “from”

それぞれ見ていく。

1)  step down as  (~としての職を退く)

“as” の直後に、名詞を置く。

たとえ可算名詞であっても、
唯一の役職の場合、無冠詞
なるのが通例。

  • “She has stepped down as president.”
    (彼女は社長を辞任した。)
  • “He stepped down as CEO.”
    (彼はCEOを辞任した。)
  • “XX CEO plans to step down”
    (XX社のCEOが辞任予定)
  • “She stepped down as captain.”
    (彼女はキャプテンを辞任した。)
  • “He stepped down as group leader.”
    (彼は班長を辞任した。)
  • His legacy would be in good hands
    if he stepped down as manager.
    (彼がマネージャーを辞任しても、
    彼の業績は安全に守られるだろう。)
  • “She stepped down as a teacher.”
    (彼女は教師を辞職した。)

2)  step down from  (~を辞任する)

上述 “as” と同様に、唯一の役職の場合、
無冠詞となるのが通例。

役職そのものを指す前置詞 “as” と異なり、
“from” はその位置づけを示すに過ぎない。

そのため、通常は “post“、”role“、”position
など、<地位>を表す可算名詞を役職の直後
(または前)に加える。

  • “She has stepped down from president post.”
    (彼女は社長を辞任した。)
  • “He stepped down from CEO role.”
    (彼はCEOを辞任した。)
  • “She steps down from chairman position.”
    (彼女は会長を辞任した。)
  • “He was forced to step down
    from his position as president.”
    (彼は社長の職を追われた。)
  • “She has stepped down from all official duties.”
    (彼女はすべての公務から退いた。)
  • “He will be stepping down from the morning show.”
    (その朝のショーから彼は退く予定である。)


◆ なお、”step down” には、「辞任する」では
なく、「退位する」の意味もある。

こちらは、王族・皇族に用いる用法。

【同義語】abdicateǽbdikèit) 他動詞・自動詞

  • “the first emperor to step down in 200 years”
  • “the first emperor to abdicate in 200 years”
    (200年ぶりに退位される天皇)
  • “The Queen is preparing to step down from throne.”
  • “The Queen is preparing to abdicate the throne.”
    (女王は王位を退く準備をしている。)

【関連表現】

“step in”
https://mickeyweb.info/archives/12903
(介入する)

”Take baby steps”
https://mickeyweb.info/archives/215
(少しずつ前進する。)

“step-by-step” ※ 形容詞
(一歩一歩、段階的に)

 

 

 

 

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