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Bombshell

      2019/03/11

爆弾、突発事件 、衝撃 

“bombshell” には名詞と形容詞がある。
基本は可算名詞。 形容詞はマイナー用法。

英単語全体から見れば、重要でも頻出でもない。
今回調べた9点の英英辞典すべてがノーマーク。

例えば、LDOCE6(ロングマン)では、全3項目ランク外。

  • 重要 :9000語圏外
  • 書き言葉頻出3000語圏外
  • 話し言葉頻出3000語圏外

しかし、ニュース見出しにはちょくちょく顔を出す。
重要でも頻出でもない割に、いざお出ましの際は、
強烈な存在感を放つ “bombshell”。

記事の中身は、軒並み衝撃的である。

“bombshell” の描く「衝撃」は、度合いの激しさ及び
変化や動きが突然の様子、すなわち急激さの両方をカバーする。

その結果「思いがけない出来事を表すことに。
ひいては「突発事件」を指す。

受け手にとっては予想外。
「寝耳に水!」「不意打ち!」と激しく動揺し、
ぶったまげたり、びっくり仰天したり。

程度の差はあれど、天下の耳目を驚かす出来事こそ、
“bombshell”。

◆ 語原は、
名詞 “bomb“(爆弾)+ 名詞 “shell“(砲弾)。

この上なく物騒な2語が合体したもの。
内容が激しくなるのは自然の数。

語原通りの爆発物としての初出は、18世紀(1708年)。
ここから展開した思いがけない出来事は、19世紀(1860年)。
さらに発展した俗語官能的で魅力のある女性は、
20世紀(1942年)。
(語原サイト  https://www.etymonline.com  より)

“bombshell” の主な意味は上記3つのハイライト。
派生の流れを想像するのは、難しくない。

こんな感じ。

image.png
どちらも感情の高ぶりを覚えがちの対象であろう。

“a blonde bombshell” ときたら「ブロンド美人」。
先の英英9点全部が記載する語釈である。

例えば、

“blonde bombshell”
humorous a sexually attractive woman
with
 light-coloured hair.
(LDOCE6、ロングマン)

“a blond(e) bombshell”
a very attractive woman with blonde hair.
(OALD9、オックスフォード)

※ 下線は引用者

【発音】blɑ́nd bɑ́mʃɛ̀l

LDOCE が “sexually” と明け透けに説明するのに
対し、OALD は “very attractive” と控え目。

blond bombshell” で、”b” と “b”。

2単語が出だしで韻を踏み、耳心地がよい。
これは「頭韻(とういん)」である。
(head rhyme、alliteration

同例を挙げると、

「頭韻」の反対は「脚韻(きゃくいん)」。
この “end rhyme” の一例は、”nitty-gritty“。

blond bombshell” は、妙になまめかしく、
同時に迫力のみなぎる語感を印象づける。

“blond” も “bombshell” も、子音 “b” から始まる(頭子音)。
 [b] は、英日共通破裂音 (はれつおん)。
具体的には「有声両唇破裂音」。

多くの言語に存在する音である。

頭子音が韻を踏んでおり、日本語ネイティブにも
威勢のよい雰囲氣を読み取ることができる。

  • 日本語音声の [b] 例 →か」「き」「し」
    ※「ば」「べ」「ぼ」の頭子音
  • 英語音声の [b] 例 →  bad”  “book”  “booze

口角泡を飛ばして、

カ !」タ !」「バァ !」「ス !」

とありったけのいけず口ぬかす場面の語調は激しい。

皆一様に、有声両唇破裂音



◆ “blonde bombshell” 系の使い道は、いかんせん限られる。

時事ニュースとビジネスでは、魅惑の匂い立つ「悩殺的な美女」
は場違い。 お堅いメディアにそぐわない。

したがって、ニュース用法としては、語原に沿った「爆弾」。
そして「突発事件」。
この辺の意味合いが一般的。

3大学習英英辞典(EFL辞典)でも明らか。
持ち前の「激しさ」は、下線の形容詞が示す。

“bombshell”

an unexpected and very shocking piece of news.
(LDOCE6、ロングマン)

■ Usually singular, informal
an event or a piece of news which is unexpected
and usually unpleasant.
(OALD9、オックスフォード)

■ INFORMAL
a sudden and often unpleasant piece of news.
(CALD4、ケンブリッジ)

※ 下線は引用者

【発音】bɑ́mʃɛ̀l

OALD と CALD は “informal” と表示する。
くだけた表現、非正式ということ。

OALDの “usually singular” は「通常は単数名詞」の意。
単数名詞(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞
英英辞書で “S” また “sing” 略記されたりする。

単数名詞の辞書表示には、かなりのばらつきがみられる。
他の2点には記されていない。


◆ 多用される名詞用例を挙げる。

  • bombshell announcement
    (爆弾発表)
  • bombshell question
    (爆弾質問)
  • bombshell statement
    (爆弾発言)

3つとも「爆弾」が定訳なのは分かりやすい。
日本のメディアも使う言い回しだからである。

これを動詞を用いて表現すると、

  • “He dropped his bombshell during the press conference.”
  • “He dropped a bombshell during the press conference.”
    (彼はその記者会見中に爆弾〇〇をした。)

他動詞 “drop”(落とす)で「爆弾を落とす」が直訳。

  • 彼は会見中に爆弾発表をした。
  • 彼は会見中に爆弾質問をした。
  • 彼は会見中に爆弾発言をした。
  • 彼は会見中に爆弾宣言をした。

「爆弾を落とす」は比喩であるのが通例なので、
状況に応じて和訳は違ってくる。
「○○」で示しているのはそのため。

“drop” の代わりに、他動詞 “explode“(爆発させる)もOK。
意味が重なるのは、中級学習者なら理解できよう。

また、自動詞 “come” や be動詞を用いて、

  • His bombshell came during the press conference.
  • The bombshell came during the press conference.
  • His             came as a bombshell
  •             came as a bombshell
  • His              was a bombshell

ここに示した黄ハイライトは、次のコロケーション辞典
にそのまま記載されている。

時制により、語形変化を伴うのは言うまでもない。
【例】come → came(過去形)

image.png
Oxford Collocations Dictionary for
Students of English
“(アプリ版)より転載

image.png
新編 英和活用大辞典』(アプリ版)より転載

ともに定評のある辞典。

重要度・頻出度が大半の辞書でランク外にもかかわらず、
でかでかと取り上げられる “bombshell”。

マイナーな単語のはずなのに、なぜ?

英単語全体から見た評価と、実務上の需要の差を示唆
すると考えられる。

downfall” と同じ現象である。

◆ 2019年新年早々、大々的に発表されたニュース見出し
から、”bombshell” を抽出してみた。

image.png
※ 2019年1月7日 現在

  • “Dow slides after X delivers bombshell warning”
    (NYダウ、X社の衝撃発表後に急落)
  • “Dow falls 660 points on X bombshell”
    (NYダウ、X社の爆弾発言で660ドル安)
  • “ROYAL BOMBSHELL: Letter reveals how
    Queen Begged King not to abdicate
    (王室の衝撃事実:王に退位せぬよう女王は
    手紙でどう懇願したか)
  • “Y Makes Bombshell Admission About Not
    Being The Greatest Of All-Time
    (Yの爆弾告白:自分は史上最高の選手でない)
  • “Z bombshell: President can be indicted in office”
    (Zの爆弾発言:大統領は在任中でも告発されうる)
  • “MD Drops Bombshell About 5G Technology Dangers”
    (5G通信の危険性について医師が爆弾発言)


採集に要したのは、たった5分。
本当にもてもての有様であった。

※「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語

 

< コロケーションについて >
・ “aware
・ LDOCE(ロングマン現代英英辞典)
・ 辞書アプリ
・ 英語辞書は「紙」か「電子版」か

【実例】 ※ 辞書アプリの転載あり
threshold“、”damage“、 “scrutiny“、
backdrop“、”paperwork“、”struggle”、
downfall“、”alternative

 

 

 

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