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Bog down

      2019/05/07

行き詰まる、動けない

プライベートではめったに使わないが、
混乱を来たしたビジネス現場に似合う句動詞。

ビジネス英語集にもよく出てくる。

使用場面が限られるため、頻出に至らない
ものの、ビジネス英語としては覚えておく
べき句動詞。文面でも口頭でも使う。

字面からは意味を推測しにくいため、
ご紹介したい。

基本パターンは明確。
多用される表現は、この4つ。

  1. be動詞 +bogged down
  2. get bogged down
  3. bog down in
  4. bog down with

“bog down” の意味を理解していれば、
4つとも基礎文法でまかなえる。

“bog down” は多義でなく、イメージも単純。
英文法のおさらいを兼ねて、学んでしまおう。

◆ “bog” には、名詞・自動詞・他動詞がある。

語源は、アイルランド語「柔らかい」(bog)。
またはゲール語「柔らかい地面」(bogach)。

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ここから、”bog” の基本的意味は、

  • 名詞「沼地」「湿地」※ 可算・不可算兼用
  • 自動詞「泥沼にはまり込む」「行き詰る」
  • 他動詞「泥沼にはまり込ませる」「行き詰らせる」

◆ 流れはこんな感じ。

」→「沼にはまる」→
身動きがとれない」→「行き詰る

青字は比喩的だが、これらが主要な用途である。

ネガティブな印象が原則。

 もっとも、マイナー用法として、過集中的な– 
ーーのめり込む」「はまる」        

 でも使うため、必ずしも不都合限定でない。  

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◆ “bog down” の “down” は副詞。

低いところへ下がる意味合いを基盤としつつ、
さらに「底へ沈む」様子を示す強意の副詞

“bog down” は、上掲の自他動詞 “bog” の意味を
そのまま引き継ぐ点で、「句動詞」の基本定義(※)
から外れると考えることもできる。

※ 前置詞または副詞と一緒に用いることで、
元々の動詞とは異なる意味となる複数の単語

つまり、”down” の有無で、大きな違いは
生じないということ。

しかも、自他動詞とも引き継ぐため、”bog down”
は句自動詞と句他動詞になる。

bog down someone / something

to prevent someone or something from
moving on or progressing.
(ケンブリッジ、CALD4)

【発音】bɑ́g dáun

英語学習者にとっては、分かりやすくてよい。
「基礎文法でまかなえる」一因である。

◆ では、黄枠の4表現を順に見ていこう。

 1. be動詞+bogged down 

複数の英英・英和辞典を調べると、”bog down”
の原則は受動態(passive)とある。

usually passive

ロングマンオックスフォードマクミランなど)

※ 和訳「受動態が通例

英語の受動態の基本形は、

主語+be動詞過去分詞

この 1. が該当する。

※「be動詞」= be、am、was、been、
will be、is、were、are

動詞 “bog” の語形変化は、
<bog – bogs – bogging – bogged>
で、過去分詞は “bogged”。

  • “She was bogged down in the scandal. ”
    (彼女はスキャンダルで動きが取れなくなっていた。)
  • “We are bogged down with many regulations.”
    (たくさんの規制のため、行き詰っている。)
  • “Parents were bogged down with endless worries.”
    (親たちは際限ない心配事に動きがとれなくなった。)
  • “The government is bogged down with wasteful spending.”
    (無駄な支出で、政府はにっちもさっちもいかない。)
  • “She is bogged down with silly ideas.”
    (ばかげた考えに彼女はとらわれている。)

  • “Management is bogged down with HR problems.”
    (マネジメントは人事問題で行き詰っている。)

  • “The leader is bogged down in the war.”
    (そのリーダーは戦争にはまり込んでいる。)
  • “The tools had been bogged down in the mud.”
    (道具は泥沼に沈んでいた。)
  • “Her future has been bogged down in confusion.”
    (彼女の将来は混乱で行き詰まっていた。)

  • “This smartphone is bogged down with
    unnecessary features.”
    (このスマホは不要な機能にはまっている。)


 2. get bogged down 

自動詞 “get“「される」。
受動態の変形で、動作の変化を強調する。
「~の状態になる」の意。

補語に過去分詞を伴うため、
1 と同じく “bogged down” を用いる。

  • “The truck got bogged down in the mud.”
    (そのトラックは沼にはまった。)
  • “Don’t get bogged down in the details ! ”
    (細かいことにこだわりすぎるな!)
  • “She keeps getting bogged down in politics.”
    (彼女は政治にはまってばかりいる。)
  • “Let’s not get bogged down in legal matters.”
    (法律問題に深入りしないようにしよう。)
  • “I got bogged down with complaints.”
    (クレームで身動きが取れない。)

  • “My computer has gotten bogged down with viruses.”
    (コンピュータがウィルスでやられた。)
  • “My email has been getting bogged down with spams.”
    (私のメールがスパムで立ち行かなくなっている。)
  • “The website has gotten bogged down with comments.”
    (ウェブサイトはコメントだらけになってしまった。)
  • “I don’t want to get bogged down in such matter.”
    (こんなことにはまりたくない。)
  • “We should not get bogged down with those people.”
    (そのような人たちに深く関わりたくない。)

1、2から分かることは、句動詞の過去分詞とはいえ、
実質的には形容詞に近い点。

1、2ともに<はまり込んで、動きがとれなくなる
状態を示しており、”be動詞” や 自動詞 “get” に
続く点も形容詞の特徴である。

 3. bog down in 

この “in” は、場所・範囲の前置詞「~において」。
動きが取れなくなる場所・範囲・対象を表す。
例文は、1と2を参照のこと。

 4. bog down with 

この “with” は、原因・理由の前置詞「~のために」。
動きが取れなくなる原因を示す。
例文は、1と2を参照のこと。

 

【類似表現】
knee-deep※ 形容詞
(身動きとれない)
【語源】膝まで浸かっている

  • “I’m knee-deep in trouble.”
    (問題を抱えて身動き取れない。)
  • “I was knee-deep in my work.”
    (仕事で行き詰まっていた。)


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