プロ翻訳者の単語帳

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New to –

      2018/08/21

~の新入りである、~したばかりである 

 

I’m new to here.
(ここに来たばかりなのです。)
(ここの新人なのです。)


新入りなので、まだよく分かっていません。
だから、お手柔らかにお願いしますね。

こんな希望も潜んでいたりする。

趣味の習い事やサークル活動に限らず、
職場でも聞く言い回し。

額面通り受け取れば、自分の立場を
率直に述べた言葉で、変哲もない。

◆ “new” には、形容詞・副詞・名詞が
ある。
語源は、古英語「新しい」(nīwe)。

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形容詞が圧倒的多数の使われ方で、
副詞と名詞はマイナー用法。

カタカナ「ニュー」も、日本社会に
定着して久しい。

おニュー【御ニュー】=
服飾品などで、おろしたてのもの。新品。
(広辞苑 第七版)

※ 1960年代の記事にも散見する

– 形容詞「新しい」「初めての」
– 副詞「新しく」「~したばかりの」
– 名詞「新しさ」※ “the new” として

いずれも語源を貫く意味合いなので、
理解は難しくない。

形容詞なので、「be動詞」
be、am、was、been、will be、is、were、are
に続くことが多い。
※ その理由は “aware” を参照

形容詞 “new” に、前置詞 “to” を加える。
ここでの “to” は、行為などの対象を示す。
~にとって」「~に対して

◆ 日本人学習者の典型的な疑問をご紹介する。

I’m new here.
(ここの新人です。)

これとの相違点。

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一体、どう違うのか。

後述のように、実質的な意味は変わらない。
だが、ニュアンスは異なるので、解説してみる。

  • I’m new to here.
    (ここに来たばかりです。)

    →「新人」を示すことに違いはないが、
    対象の前置詞 “to” によって、
    ここにとっては」の意味合いが加わる。
    直訳は「ここにとっては、私は新しい」。

    対象の前置詞 “to”
    ~にとって」「~に対して
    → 形容詞または名詞に伴う

    ・”She is kind to others.”
    (彼女は他人に対して親切)

    ・”He is second to none as a dancer.”
    (ダンサーとして、彼は誰にも負けない。)

    ・”His story is known to everyone.”
    (彼の話は全員にとって知っていること。)

    ・”He seems nice to me.”
    (私にとって、彼はいい人に思える。)

    ※ 緑字は形容詞
  • I’m new here.
    (ここの新人です。)

    → 新人である自分の状態を、
    自分の視点で説明している。

現在の<状態>のみに着目すれば、
どちらも「ここの新人」
に違いない。

とすれば、和訳が同じになっても不思議はない。

しかし、”to” 入りの場合、「ここにとって」
と自分以外の存在を前面に押し出している。

“here” であれば、「ここ」とは場所や組織。
“to” は<行為などの対象>を指すため、
その範囲は場所に限らない。
(例文参照)

もっとも、”I’m new here.” にも “here” は出てくる。
しかし、こちらはあくまで「私」が主軸で、
自己完結に近い。

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主語(”I”) も意味も同じだが、
ニュアンスが異なる。

◆ 日本語にも、このような側面が普通にある。

例えば、
私は英語が好き。
・私が好きなのは英語。
※「は」「が」は助詞

言わんとしていることは、ほぼ同じ。
両方とも、大まかには “I like English.”
と英訳できる。

でも、両者が違うことは、日本語ネイティブ
の英語学習者なら、感覚的に分かるだろう。

外国語を学び続けると、こうした機微に敏感になる。
言い方の微妙な違いで、相手に与える印象が
変わってくることが、体感できるようになる。

その結果、母国語の言葉遣いにも留意する気
になるのが、語学学習の副産物のひとつ。

◆ 和訳は文脈に合わせて工夫する。
和訳を2文添えたものでは、
ニュアンスに僅差が見られる。

どちらが的確かは、当事者でなければ
分からない場合も多い。

  • “She is new to our company.”
    (彼女は弊社の新人です。)
    ≒ Our company is new to her.
  • “He is new to skydiving.”
    (彼はスカイダイビングの初心者。)
    ※ 直訳「スカイダイビングに対して、
    彼は新しい。」
    ≒ Skydiving is new to him.
  • “They are new to this city.”
    (彼らはこの市には初めて来た。)
    (彼らはこの市に来たばかり。)
    ≒ This city is new to them.
  • “I am new to fatherhood.”
    (私は初めて父親になった。)
    (私は父親になったばかり。)
    ≒ Fatherhood is new to me.
  • “She is new to this industry.”
    (彼女にとって、この業界は初めて。)
    (彼女はこの業界では新人だ。)
    ≒ This industry is new to her.
  • “I am new to programming.”
    (私はプログラミングを始めたばかり。)
    (私はプログラミングの初心者。)
    ≒ Programming is new to me.

 

 

 

 

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