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Fight for the cause of –

      2018/08/03

~のために戦う、~のための戦い 

戦うことの大義名分を明らかにするための
決まり文言。
大義名分の内容が、”of” の後につづく。

“fight” の品詞に応じて、動詞と名詞を兼ねる。

fight for the cause of –

  • 動詞 “fight” →  ~のため戦う ※ 自動詞   
  • 名詞 “fight” →  ~のため戦い   ※ 可算名詞   

これ1つ覚えておけば、いざ一戦を交える際に、
旗幟鮮明な立場を取ることができるだろう。

◆ 実際には、口頭で言い表す機会はそうそう生じるもの
ではない。
日常の安定にそぐわない不穏な内容であるから。
和訳から考えても、この点は推察できるだろう。

では、どんな場面に出てくるか。
ニュース、時事評論や標語(スローガン)などで、
行動の動機や理由を明らかにする時である。

<〇〇のために戦う!>と堂々と宣言する感じ。

このために戦うのは至極当然として、何の疑いもなく、
言い切る<5語ワンセット>。
揺るぎない自信と決意に支えられた確たる根拠。
それを明言して何が悪い。外圧をぴしゃりとはねのける
威勢を誇る決まり文句である。

◆ 使用単語と文法は基礎レベルである。

要となるのは、”fight” と “cause” の2語。
それぞれ重要度と頻出度は以下の通り。

  • fight“(自動詞・他動詞)
    頻出かつ最重要レベルの英単語。
    – 重要:最上位 <トップ3000語以内>
    – 書き言葉頻出:最上位 <トップ1000語以内>
    – 話し言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>
  • fight“(可算名詞・不可算名詞)※ ここでは可算
    – 重要:最上位 <トップ3000語以内>
    – 書き言葉頻出<2001~3000語以内>
    – 話し言葉頻出<1001~2000語以内>
  • cause“(可算名詞・不可算名詞)※ ここでは可算
    – 重要:最上位 <トップ3000語以内>
    – 書き言葉頻出:最上位 <トップ1000語以内>
    – 話し言葉頻出<1001~2000語以内>

    (以上、ロングマン “LDOCE6” 表記より)

英単語全体から見ても、いずれも重要かつ頻出である。

◆ “fight” には、自動詞・他動詞・名詞がある。
語源は、古英語「戦う」(feohtan)。
基本的意味は、どれも好戦的な雰囲気が漂う。
– 自動詞「戦う」「奮闘する」「口論する」
– 他動詞「戦う」「戦いをする」「戦って得る」
– 名詞「戦い」「奮闘」「闘志」※ 可算・不可算兼用

表題では、自動詞「戦う」と可算名詞「戦い」。
基礎用法そのものである。

◆ “cause” には、名詞と他動詞がある。
語源は、ラテン語「理由」(causa)。
– 名詞「原因」「理由」「信条」※ 可算・不可算兼用
– 他動詞「原因となる」「もたらす」「させる」

表題では、可算名詞「信条」。
この用法の3学習辞典(EFL辞典 )の語釈は似通っている。

cause” =

  • an aim, belief, or organization that a group of people 
    support or fight for.
    (ロングマン、LDOCE6)
  • an organization or idea that people support or fight for.
    (オックスフォード、OALD9)
  • a socially valuable principle that is strongly supported by
    some people.
    (ケンブリッジ、CALD4)

青字が共通項で基幹となる動詞。
support“(支持する)、”fight for“(~のために戦う)

表題にも含まれる “fight for” の “fight” は、同じく自動詞「戦う」。
“for” は、目的の前置詞「~のために」。
よって、動詞 “fight for” は「~のために戦う」。
名詞 “fight for” は「~のための戦い」。

可算名詞 “cause” の「信条」用途の代表例として、
LDOCE6に例示されているのは、

  • a good cause(正当な理由)
  • a worthy / deserving cause(価値ある理由)
  • a just cause(正義に基づく)
  • a noble cause(崇高な目的)

この意味では可算名詞なので、不定冠詞 “a” がつく。
表題では、特定の信条を指しているため、定冠詞 “the”
を用いる。

4例とも真剣な理由であり、まさに「信条」といったところ。
あえて1つにまとめるとすれば、「大義名分」と換言できる。
実際に「大義名分」と和訳する英和辞典は数多い。

  • 大義名分」=
    行動の理由づけとなるはっきりした根拠。
  • 大義」=
    重要な意義。大切な意味。
  • 名分」=
    道徳上、身分に伴って必ず守るべき本分。
    親に対する子としての本分など。

(広辞苑 第七版)

最後の “of” は関連の前置詞「~の」。
同じく関連の前置詞 “about” に比べると、 “of” は一点集中的で、
目的格の性質を備える。”about” は、もっと拡散的。

以上より、”fight for the cause of – ” の直訳は、

  • 動詞 “fight” →  ~の大義名分のため戦う ※ 自動詞   
  • 名詞 “fight” →  ~の大義名分のため戦い   ※ 可算名詞   

「大義名分」は日常用途では重苦しいため、
これを省いた冒頭の和訳が使われることが多い。
仰々しい文脈であれば、そのまま残したりする。

次の例文から分かるように、実際には “cause” の示す「信条」
や「大義名分」がなくても和文の大意は変わらない。
むしろ、入れない方が流れのよい自然な日本語となる。

英文では<5語ワンセット>の決まり表現として、通常は省略しない。
しかし、”fight for” 自体が「~のために戦う」「~のための戦い」
を意味するため、”the cause” がなくても普通に通じたりする。
大筋は変わらないとしても、やはりニュアンスには差が出る。


<自動詞 “fight”>

“I will fight for the cause of peace.”
(私は平和のため戦います。)

“She vowed to fight for the cause of her students.”
(彼女は教え子たちのために戦うことを誓った。)

“We fight for the cause of humanity.”
(我々は人類のために戦うのです。)

“I should fight for the cause of freedom of expression.”
(私は表現の自由のために戦うべきである。)

 

<可算名詞 “fight”>

“My fight with the cause of peace will go on.”
(平和のための私の戦いは続く。)

“My teacher will continue her fight for the cause of her students.”
(私の先生は、教え子たちのために戦いを続けるだろう。)

“It was a fight for the cause of humanity.”
(それは人類のためという大義名分の戦いだった。)

“I want to get involved in the fight for the cause of freedom
of expression.”
(表現の自由のための戦いに参加したい。)

 

【関連表現】
“cause concern”
https://mickeyweb.info/archives/25827
(懸念をもたらす)

 

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