プロ翻訳者の単語帳

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On duty / Off duty

      2024/02/22

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 8 minutes
  •  on duty  勤務時間中 ・ 当番
  •  off duty  勤務時間外 ・ 非番  =  out of duty

昔から、

公務系、 とりわけ 警察 ・ 消防 ・ 救急 ・ 軍隊

で使われてきた。

主として、

「 当番 」 「 非番 」 が 明確な職種  

の用語ある。

「 昔から 」 と述べたが、次のハイフン入りの複合語 ( 複合形容詞
の初出は、 1743年。

https://www.etymonline.com/word/off-duty#etymonline_v_45669

  • on-duty  ( 勤務時間中の ・ 当番の )

  • off-duty  ( 勤務時間外の ・ 非番の )

” be on / off duty ”

to be working or not working at a particular time,
especially when you are doing a job
which people take turns to do,
so that someone is always doing it.

( ロングマン、LDOCE6 )

※  下線は引用者


【 下線部  参考和訳 】

特に、 常時従事する者を必要とする 当番制の仕事


【  英英辞典の基本表記  】   スラッシュ(  /  ) = 「 または ( or )  」

→  ” be on duty  ”  または  ” be off duty

現在では 「 勤務中 」 「 勤務外 」 を示す表現として、
他業種に広まった。

シンプルで分かりやすい強みが、 普及した一因だろう。

◆  ” duty ”  は名詞のみ。

【発音】  dúːti
【音節】  du-ty  (2音節)

語源は、 古フランス語 「 負う 」 ( deu )。

可算名詞  と  不可算名詞 を兼ねる。

区別が難しい。

◇  基本的意味は 「 職務 」 「 任務 」 


この場合、 可算名詞が原則。

■  「 軍務 」 「 兵役 」 は、不可算名詞

■  「 義務 」 は、可算・不可算兼用

  • jury duty
    ( 陪審義務 )
    ※  市民の司法参加の義務

 

非常に分かりにくいが、  抽象的に「 仕事 」を指す際は、
無冠詞の不可算名詞で使われる。

表題も該当。

  • In the course of duty,  we should not eat out.”
    (職務遂行中は外食すべきでない。)
  • “Employees shall report for duty as scheduled.”
    (従業員は予定通りに出勤しなければならない。)

名詞  ” duty ” は多義だが、 その多くが 「 職務 」 から派生したもの。

「 職務 」 として単独で用いる場合、 複数形 duties
で使われることが多い。

  •  household  duties
    ( 家事 )
  •  collateral  duties
  •  incidental  duties
    ( 付随的任務 )
  •  related duties
    ( 関連する業務 )
  •  temporary  duties
    ( 暫定職務 ) ( 一時的な職務 )  →  ” acting ” ( 代理 ) 参照
  • ”They perform official government work duties every day.”
    ( 彼らは毎日公務に従事している。)
  • “She was relieved due to a loss of confidence in her ability
    to perform her duties. ”
    ( 職務遂行能力に対する信用を失い、彼女は解任された。)
  • “The commander has been suspended from his duties.”
    ( 司令官は職務を停止された。)
    ( 司令官は停職扱いとなった。)


◆  ” on duty ”  と  “ off duty ” は、 「 職務 」に
” on ”  や  ” off をつけただけなので、 小学生にも理解しやすい。

この ” on ” と ” off ” は、前置詞  と  形容詞
どちらにもなるという説が有力である。

  • 前置詞
    副詞句  ( adverb  phrase ) で、
    「  」 「 非番でを意味する。
  • 形容詞
    名詞  ” duty ” に伴い、
    形容詞句 ( adjective  phrase ) として、
    当番の 」 「 非番のを意味する。

  • “He is now on duty.”
    (彼は今は勤務中だ。)
  • “She is off duty until tomorrow.”
    (彼女は明日まで非番だ。)
  • “Off-duty police officers are being investigated.”
    (非番の警察官が捜査対象となっている。)
    (非番の警察官が捜査されている。)
  • “An armed suspect killed an off-duty police officer.”
    (武装した容疑者が非番の警察官を殺害した。)
  • “They go on duty later today.”
    (彼らは今日これから当番につきます。)
  • “You cannot watch YouTube while on duty.”
    (勤務中、ユーチューブを見てはいけません。)
  • “This rule prohibits employees from
    engaging in political activity while on duty.”
    (この規定は、従業員が勤務中に政治活動
    に携わることを禁じています。)
  • “She went off duty this morning.”
    (彼女は今朝非番になった。)
    (彼女は今朝勤務を終えた。)
  • “She was off duty this morning.”
    (彼女は今朝は非番だった。)
    (彼女は今朝は勤務外であった。)
  • “Every employee here should always
    be prepared, whether on-duty or off-duty.”
    (当番・非番に関わらず、弊社の全従業員は
    常に備えていなければならない。)

 

◆  英学界の巨人、斎藤秀三郎 ( 1866-1929 ) の訳をご紹介したい。

1928年6月発行の 『 斎藤和英大辞典 』 が原版。



NEW 斎藤和英大辞‪典 』 ( ロゴヴィスタ アプリ版


以上、 「 勤番 」 全文。

「 勤番 」 とは、

  1.  交代して勤務すること。
  2.  江戸時代、大名の家臣が交代して江戸または大坂の藩邸に務めること。
    また、遠国に駐在して勤務すること。  また、その人。

    『 広辞苑 第七版 』
    新村 出(編) 岩波書店、  2018年刊
    ( ロゴヴィスタ  アプリ版


まさしく、 「 当番 」 の感。

◆  注意喚起の掲示板

 


当番 ワンコ ?

 


  番犬 ( a guard dog )

→  a working dog  /  a service dog  の代表格    ※  後述

存在 に注意を促す。

GUARD DOG ON DUTY

「  番犬がいます 


以下に比べると、  上記の方が適訳。

  •   勤務中の  番犬がいます
  •   当番の  番犬がいます

「 番犬 」 といっても、 並大抵のかわいいペットであれば、

  •  a guard dog 
  •  a working dog 
  •  a service do

と呼ばない。

社会的認識としては、  規定の正式訓練( trained )を経た、

  •  警察犬 ( police dog )
  •  軍用犬 ( military dog )
  •  盲導犬 ( seeing eye dog / guide dog )
  •  聴導犬 ( hearing assistance dog )
  •  救助犬 ( rescue dog )
  •  探知犬 ( detection dog )
  •  捜索犬 ( search dog )
  •  介助犬 ( medical assistance dog )
  •  補助犬 ( assistance dog )

など、 資格認定された  プロのワンコ  を表す。

ざっくりした総称が、

  •  working dog
  •  service dog 

まさしく、 「  勤務中の  犬  」 であり、

人間に準じた 「 責任 」 を伴う  ” on duty “。

ペット禁止の場にも、 堂々と出入りできたりする。

  •  The service dogs have the right to be in public.
    ( プロのワンコ は公共の場に出る権利が認められている。)

PTSD service dog ” など、 目的別の犬も養成されている。

寄り添う任務であれば、 ラブラドール・レトリーバー が大活躍。

【発音】  lǽbrədɔ̀r 
【音節】  Lab-ra-dor  (3音節)

【発音】  ritrívər 
【音節】  re-triev-er  (3音節)

愛称は、  ” Lab “。

【発音】  lǽb
【音節】  lab  (1音節)

※  写真は後掲

日本でも 「 ラブ 」 が通称。

愛の 「 ラブ 」 に聞こえがち。

【発音】  lʌ́v
【音節】  love  (1音節)

/ʌは、 「 ア 」 を短く発する短母音 ( short vowel )。

口を小さく開ける。

” love ”  なら、  日本語の 「 ラ 」 と 「 ロ 」 の中間くらい。

/æも短母音だが、 「 ア 」 に 「 エ 」 を加えたような音で、 

「 ア 」 と 「 エ 」 を同時に発する感じ。

 

◆  米国では、 ADA ( The Americans with Disabilities Act、
米国障がい者法 ) などで、 法的権利を認められている。

  •  ” Interrupting or distracting a service dog is illegal. ”
    プロのワンコ を妨害したり気を散らす行為は違法である。)

厳しい訓練と資格認定を経て、 法律上の権利が確立している点が、
感情支援動物 ( emotional  support animal、 ESA )と異なる。

入店の際に、 プロのワンコ か ESA か、 判別に揉める事例がある。

飼い主は、 ESAにも権利があると思い込み、 施設側とトラブルに。

心身の拠り所の愛犬だ、 と主張したくなる気持ちには共感できる。

正規の プロのワンコ を確認する質問は、 法的に限定されている。

すなわち、 次の2つに限られる。


•  Is the dog a service animal required because of a disability ?
•  What work or task has the dog been trained to perform ?

https://www.ada.gov/resources/service-animals-2010-requirements/

【 参考和訳 】

  • その犬は、障がいのために必要となる介助動物ですか
  • その犬は、どんな仕事をするために訓練されていますか


勤務中 ( on duty ) の勇姿を目の当たりにすれば、

なでなでする相手でないことは、 すぐ分かる。

迫力がみなぎり、 もう圧倒される。

◆  プロのワンコ が 「 巡回しています 」 と警告されたら、

めっちゃびびる。 
– 


  在日米軍基地前の掲示板
( 2023年3月 筆者撮影 )

 

パトロール中は、 人( dog handler など ) が付き添うはず。

この和訳では、 ” teams ” ( チーム ) が訳出されていない。

擬人法 ( personification ) の一種かもしれない。

プロのワンコ  による 「 巡回 」 の方が、 人間より怖いわ。

そんな気がする。

視認性を高めるため、 看板はニュース見出し ( headllines )と同じく、
「 冠詞 」 や 「 be 動詞 」 の省略された表示が目立つ。

◇  「 見出し 」 英語の解説は、 こちらが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語

 


Sometimes the dogs enable the individual to  open up
where they might not have otherwise been comfortable doing so.

( 犬がいるおかげで、打ち解けることに抵抗がある人の心を
開かせることができたりします。)

 

米海軍の艦船に配置された
初めての軍用犬「 セージ 」
– 
( 2023年5月 )

  乗組員の メンタルを助ける プロのワンコ

 

A furry friend gives sailors a boost aboard Navy carrier at sea

https://www.stripes.com/branches/navy/2023-05-15/navy-carrier-military-dog-health-10125154.html
2023年5月15日付

「 空母の軍人を元気づける、 毛むくじゃらな仲間 」

※  下線は引用者


【発音】  fə́ːri
【音節】  fur-ry  (2音節)

  同様に、 海水浴場やプールで見かける掲示は、

LIFEGUARD ON DUTY

「  監視員がいます 

 

< 勤務中 > < 当番 > < 稼働中 >

の趣旨は共通する

 

NO LIFEGUARD ON DUTY

「  監視員がいません 

  Swim at your own risk.
  X  is not responsible for accidents or injuries.

などの文言が続く。

「 なにかあっても、 当方( X ) は責任は負いません 」 ということ。

自己責任を明記し、 事業者の損害賠償責任を否定する。

◆  ここで、 ぜひ強調しておきたいこと。

「 仕事中 」は、” at work ”  が一般的


” I’m on duty now. “

と唐突に言われれば、

今、当直なの と聞こえても不思議でない。

前述したように、 もともと 「 当番制 」 「 交代制勤務 」 の用語。

当然、 「 当直 」 と相性がよい。

 

■  冒頭の職種周辺以外で、

今、仕事中です。」  「 今、職場にいます。

I’m  at work  now.


この方が普通。

【発音】  wərk
【音節】  work  (1音節)

  • ” I  took a very big, smelly dump at work.
    ( 職場で、めっちゃでかくて臭いくそしたんだ。)

 

◆  締めくくりに、 先ほど引用した斎藤秀三郎が受け持った授業中、
名詞  ” duty ”  に触れた箇所をご案内。

聴講生が「 斎藤先生の講義ぶり 」と称して、 非公式に書き起こした。

1915年( 大正4年 )、『 英語青年 』( 研究社 )に連載された記事。

話者はもちろん、 斎藤秀三郎。

動詞 「 Do の使用法 」 の説明の流れで取り上げている。

100年以上前であり、 解釈はやや古めかしく感じるが、 いかがだろう。


p. 114.


上掲分の 「 資料出所 」は、 以下の通り。

p. 162.

※  当該「 第34巻 」第1-6号 は、 1915年( 大正4年 )10-12月刊

 英語天才 斎藤秀三郎 
竹下 和男 (著)
日外アソシエーツ、 2011年刊
A5判 340頁


◆  斎藤秀三郎は、 世界初のEFL辞典 を生んだ、 影の立役者。

大村喜吉 ( 1916-2003 ) の名著 『 斎藤秀三郎伝 』( 1960年刊 )
は、出版元の吾妻書房の廃業により絶版となり、 今や入手困難とされる。

昔は、 割かし容易に手に入ったため、 何気なく6冊購入しておいた。

高価な希少本として扱われる時代が来るとは、 思いもよらなかった。

同書の読みどころ20ページに加えて、 現物の表紙と帯の写真も、
辞書は「 紙 」か「 電子版 」か   に掲載中。

弊サイトでは、 斎藤秀三郎( さいとう  ひでさぶろう ) について、
何度も言及している。



【関連表現】

” On and off ”
https://mickeyweb.info/archives/4956
( 断続的に )

” Paperwork ”
https://mickeyweb.info/archives/16535
( 事務手続き、 事務作業、 文書業務 )

 

 

 

 

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